前の記事では、PM2.5とはいったい何なのか、そして人体にどのような影響を与えるのか解説しました(詳しくは「春がピーク!PM2.5が人体に与える影響とは」の記事をご覧ください)。呼吸器や循環器のさまざまな疾患の原因となるPM2.5、体内に入る前にしっかりと防ぎたいですね。今回は、PM2.5を防ぐのに有効な方法を5つ紹介します。

目次

どのくらいの濃度から対策が必要?

環境省の発表した「注意喚起のための暫定的な指針」によると、PM2.5の大気環境基準値は1日平均値が1立方メートル当たり35マイクログラム以下であることとなっています。濃度がこの2倍を超えたとき、つまり「1日平均1立方メートル当たり70マイクログラム」を超えたときに注意喚起がされるとのことです(環境省(PDF)より)。

ただし、これはあくまで健常者の体調に異常が生じる可能性が高くなると考えられる数値です。これより高い濃度だったからといって全ての人に影響が出るわけではありませんし、高齢者や小さい子供、肺や心臓に疾患を持つ人の場合はこれより低い値でも注意が必要になることがあります。

PM2.5を防ぐためにできること

1.PM2.5に対応したマスクの着用

マスクをした男性

PM2.5の粒子はとても小さいため、普通のマスクではあまり意味がありません。高機能な防じんマスク(小さな粒子の吸入を防ぐためのマスク)の着用が効果的です。

このようなマスクを装着する場合、顔とマスクの間に隙間ができると効果が激減してしまいます。そのため、自分の顔にあったサイズのものを着用しましょう。また、こういったマスクの着用は多少の息苦しさを伴うので、長時間の使用にはあまり向きません。

2.ドアや窓をしめ、室内に空気清浄機を設置する

窓

空気清浄機によるPM2.5の除去効果はメーカーや個別の製品のフィルターやメーカーによりますが、環境省によると、一部の製品については一定の有効性が見込まれているとのことです。販売店の店員さんやメーカーに確認し、効果の高いものを選ぶと良いでしょう。

ドアや窓を開けっ放しにしていると、室内でも外と同じ濃度になってしまうため気をつけてください。

3.手洗いうがいを徹底する

蛇口

外出すると、PM2.5は手や体にも付着します。せっかくドアや窓を閉めきっても、体に付着したPM2.5を室内に持ち込んでしまっては意味がありません。外出から帰ったら、必ず手洗い・うがいを行うようにしましょう。同様の理由から、服を払う顔を洗うなども有効です。

4.不必要な外出や激しい運動は控える

激しい運動

どんなに対策を行っても、外に出るとどうしてもPM2.5に触れることになってしまいます。注意喚起が出されたら、必要でない外出は極力避けるようにしましょう。

また、激しい運動をするとPM2.5を大量に吸い込むことになります。こちらも、PM2.5の濃度がおさまるまでは避けるのが無難です。

5.たばこなどの汚染源に注意する

たばこの煙

PM2.5の発生源は、工場や自動車の排気だけではありません。たばこの煙にも、有害な微粒子が大量に含まれています。環境省によると、全席喫煙の飲食店などのPM2.5の濃度は1立方メートル当たり数百マイクログラムにもなるとのことです(環境省(PDF)より)。これは、基準値を大きく超えた値です。喫煙所やたばこの煙を避けることは、PM2.5の予防に繋がるのです。

最後に

PM2.5の濃度が危険な域に達していなくても、疲れている時などは体調が悪くなることがあります。喉の調子が悪いな、など異変を感じた場合は上記の対策をとり、PM2.5が体内に入るのを極力避けるようにしましょう。