糖分というと、砂糖や甘いお菓子を思い浮かべる方も多いですが、実際はそれだけではありません。主食として毎日食べられるご飯やパン、麺類なども糖分に分類され、炭水化物とも言い換えられます。糖分は体や脳を動かすためのエネルギーとなる重要な栄養素ですが、摂りすぎは肥満の原因となるため、適量を知ることが健康への第一歩といえます。それでは、糖分(炭水化物)の1日の摂取目安量を詳しく解説し、正しいとり方や、注意点などについてまとめていきます。

目次

肥満の現状と生活習慣病

肥満者の数は、男性が約29.5%、女性が19.2%厚生労働省|平成27年 国民健康・栄養調査の結果の概要)となっており、10年間の推移を見ると男性は横ばい、女性では減少傾向にあります。厚生労働省を始めとする国の機関では、健康に対する取り組みも盛んに行われていますが、肥満者を減らすことはなかなか難しい問題です。

肥満は万病の元とも言われ、糖尿病や高血圧などの原因となる場合が多く、日頃の生活習慣を見直して改善に取り組むことが必要です。短期間では効果は得られにくく、長期間にわたって規則正しい生活週間を築いていくことが必要なため、根気よく努力を積み上げていかなくてはなりません。

肥満には、食事と運動が大きく影響しており、糖分の摂取は重要な鍵となります。ただし極端な制限で体の中の糖分が枯渇してしまうと、筋肉を分解してエネルギー源として使う非常事態となり、筋肉量が減少する可能性があります。また、脳に栄養が届かないので、眠気や疲れやすいなどの現象も起こりやすくなります。

一方、糖分を摂り過ぎてしまうのもNGです。エネルギー源として使われなかった糖分は、体の中に脂肪として蓄えられ、肥満の原因となってしまうのです。

糖分の1日の摂取目安量ってどのくらい?

「糖分は適量を摂る」というのがとても大切なのですが、この適量というのがとても難しいのです。適量は、性別や年齢、活動量などによって変わってきます。人によって必要なカロリーが違うので、まずは、自分にはどのくらいのカロリーが必要であるかということを知ることから始めましょう。

日本人の食事摂取基準では、糖分(炭水化物)の摂取目標値は、必要エネルギー量の50〜65%とされています。推定必要エネルギー量2,000kcalの人では、1,000〜1,300kcalを炭水化物で摂ることが推奨され、炭水化物は1g=4kcalの熱量を持つことから、250〜325gの炭水化物量に換算できます。

主な食品の炭水化物量

炭水化物を多く含む食品の、1食あたりの炭水化物量をまとめました。自分の目標量に当てはめ、適量とはどのくらいの量をいうのか、計算してみましょう。1日の炭水化物の量を算出してから、3食に振り分けると、大体の1食での炭水化物量の目安が分かります。

1食あたりの量 炭水化物量
ご飯 150g 55.7g
食パン 60g(6枚切り1枚) 28.0g
うどん(茹で) 230g(1玉) 49.7g
スパゲッティ(茹で) 250g 80.0g
そば(茹で) 260g(1玉) 67.6g
じゃがいも(蒸し) 50g 9.9g
かぼちゃ(茹で) 50g 10.7g
とうもろこし(茹で) 150g(1本) 27.9g
くり 60g(5個) 23.9g
バナナ 90g(1本) 20.3g
メロン 126g(1/4個) 13.1g
砂糖 9g(大さじ1杯) 8.9g

出典:農林水産省「食品成分データベース」を元にいしゃまち編集部が作成

上記の表を参考にして、自分の目標値と照らし合わせ、食品の量を調整しましょう。じゃがいもやかぼちゃなど、炭水化物の多い食品をおかずとして組み合わせる時は、糖分がオーバーしやすいので、主食の量を少し減らすのが正しい食べ方です。

まとめ

糖分は炭水化物の量として考え、食品に含まれる量を把握しておくことで、摂りすぎを防ぐことができます。炭水化物は少なすぎず、多すぎず、必要カロリーの50〜65%の範囲で収まるように調整しましょう。単品料理や間食は、炭水化物の摂りすぎに繋がります。できるだけ野菜やたんぱく質のおかずを揃え、バランスの良い食事ができるように心がけましょう。