毎月、月経前症候群に悩まされている人にとって、症状をコントロールできるかどうかは、学校や仕事、日常生活を円滑に送る上で非常に重要度の高い事柄です。症状をコントロールできれば、いつも通りに近い日常を送ることができ、毎月の憂うつから解放されることでしょう。ここでは、月経前症候群の症状のコントロール方法や、症状がひどい場合に病院で受けられる治療法についてお話ししいたいと思います。

目次

月経前症候群のセルフコントロール法

月経前症候群の症状を軽減させるセルフコントロールの方法をご紹介します。できるものから少しずつ始めてみるようにしましょう。

1.症状を日記につける

生理前症候群が、生理の何日前からどんな症状が出てくるのかを記録するようにします。基礎体温をつけるようにし、基礎体温表に書き込むとわかりやすいです。

データを積み重ねることで、次にいつ頃から生理前症候群の症状が出るかの予測が付き、イベントやスケジュール調整の役に立ち、結果的にストレスを減らすことに繋げることができます。

せっかくの楽しいイベント当日に、生理前症候群に突然襲われるのは不快だと思いますので、症状を記録に付けて、基礎体温で次の生理日の予測し、その日のだいたい何日前にどんな症状が出るのかが予測できれば、対策を立てるのに非常に有効です。

2.食事療法

カフェイン、塩分、アルコールは、月経前症候群の症状を悪化させる要因となります。そのため、コーヒーやお酒、塩分の多いスナック菓子やジャンクフードは控えておきましょう。

血糖値のコントロールは、イライラやだるさなどの症状緩和に重要ですので、砂糖が含まれた食品は控え、糖質だけの食事(パスタやサンドイッチなど)にならないようにしましょう。

もっともよくないのが空腹時に糖質をいきなりとることです。間食や夜食に甘い物をとる習慣がある人は直ちにやめましょう。

症状を軽減させる栄養素として、ビタミンB群、カルシウムやマグネシウムが挙げられます。ビタミンB群は、肌荒れやむくみ、口内炎などに効果的で、特にビタミンB12は貧血予防に有効です。

カルシウムやマグネシウムは、イライラや不安感などの精神的な症状を軽減する効果が期待できます。カルシウムは牛乳などの乳製品やアーモンド、オクラ、チンゲンサイ、ケールなどに、マグネシウムはのり、ひじきなどの海藻類や豆腐などの大豆製品などに多く含まれています。

サプリメントで補助的に摂取するのも良いでしょう。普段から栄養バランスのいい食事をきちんと摂るだけで月経前症候群の症状改善が期待できますので、日々の食事内容を見直してみることも大切です。

3.適度な運動

デスクワークなどでからだを動かすことが少ないと、血液循環や自律神経の働きも悪くなり、月経前症候群の症状が出やすくなります。また、気分が落ち込みやすくなります。ウォーキングやストレッチ、ヨガなど適度な運動を行うことで、症状が和らぐ効果が期待できます。

4.ストレスのコントロール

ストレスは月経前症候群の症状悪化の大きな要因です。ストレスから離れられる時間や環境を作るようにしましょう。睡眠不足は大敵ですので、しっかり睡眠時間を摂り、休息できる時間を確保するようにしましょう。

5.リラクゼーション

趣味がある方は趣味に没頭したり、マッサージや整体に行ったり、お風呂にゆっくり入るなど、自分が心地いいと思う方法でストレスから解放されましょう。

病院での治療法

PMS

セルフコントロールの効果もなく、症状がひどい場合には婦人科を受診するようにしましょう。病院での治療法は下記のようになります。

排卵抑制療法

排卵が起こることで女性ホルモンの変動が起こるので、排卵を止めてしまうことで月経前症候群の症状を軽快させる治療法です。低用量や超低用量のピルを内服することで、排卵を止めることができます。一時的なものなので、将来の妊娠への影響は全くありません。

症状に対する治療

頭痛や腹痛などの痛みに対して鎮痛薬が、むくみには利尿剤などの尿量を増やして水分を排出する薬が処方されます。また、精神的な症状については、精神安定剤などで気持ちを安定させる薬が処方されます。

漢方療法

症状や体質にあった漢方薬を内服することで、症状の軽快が期待できます。加味逍遥散、当帰芍薬散、温経湯、抑肝散、桂枝加竜骨牡蛎湯などの漢方薬が使われます。

まとめ

月経前症候群の症状をコントロールする方法の基本は、早寝早起き、3食栄養バランスの整った食事を摂り、適度な運動を行うといった健康的な生活を送ることです。

今、こういった生活が送りたくても送れない方も少なくありません。不健康な生活は、月経前症候群や生理不順、月経困難症など様々な病気を引き起こす基礎となります。

不健康な生活のまま、弱るからだを引きずって今の状態を維持するか、健康的な生活を送るために、今いる環境をがらっと変えてしまうかは自分次第です。長い目で見ても、健康的に暮らせるほうがずっといいでしょう。

月経前症候群の症状がひどい方は、からだからSOSサインが出ているのかもしれませんので、現在のライフスタイルを見直して、自分のからだに優しい生活を考えるきっかけにしてみることをおすすめします。