多くの人の悩みである「虫刺され」の中でも夏に代表的なのが蚊。蚊に刺されたらかゆみ止めを使うのが一般的ですが、自己流でセルフケアをしている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は正しいケアの仕方や蚊に刺された跡が残ってしまう原因、またできるだけ蚊に刺されないためにはどうしたらいいかを解説していきます。

目次

蚊に刺されたらどうなるの?

蚊は家の中、庭、公園、野山などあらゆる場所に生息しています。特に森林や河川といった自然が多いところに多く生息しています。

蚊は人の皮膚に針を刺して血を吸いますが、吸う前に唾液を皮膚に注入して血を吸いやすくします。蚊に刺されてかゆくなってしまうのは、この唾液に対するアレルギー反応のためです。

「蚊アレルギー」ってなに?

まれに、蚊に刺されて激しい反応を起こす場合があります。

「蚊刺過敏症」といい、EBウイルスに感染した中でもごく一部の人に起こる疾患で、「蚊アレルギー」とも呼ばれます。

非常に珍しい疾患で、刺された箇所がひどく腫れ、発熱やリンパ節が腫れる、刺された部位が水ぶくれからかさぶた・傷跡になるなどの症状が見られます。

蚊に刺されてから、発熱といった全身反応があるなど症状がひどい場合には「蚊アレルギー」が疑われるので皮膚科医に相談しましょう。

かゆみ止めはどう使えばいい?

はじめに、刺された患部を清潔にするようにします。患部を良く洗い、冷やしましょう。

蚊に刺された場合の治療は、かゆみを止める作用や炎症を抑える抗ヒスタミン薬やステロイド薬を塗ります。

症状が軽い場合やお子さんに使う場合は、まずは抗ヒスタミン薬で様子をみるのがいいでしょう。

もう一つのステロイド薬は炎症を根本から抑える効果が期待できます。

ステロイドというと怖いと感じる方もいるかもしれませんが、病院で処方されたり、市販で購入できたりするものは安全なものばかりです。ただし使用方法を守らないと副作用が出てしまうことがあります。そのため薬に添付してある説明書をよく読んで正しい使用法を確認した上で、基本的に1日1~2回(初期には多めに)患部に直接塗布します。刺された場所をかいてはいけません。患部がジクジクしている場合には、その傷から化膿してしまうこともあるので気を付けましょう。

入浴やシャワーで患部の汚れを洗い流してから使うのが望ましいですが、起床後や日中はそのまま塗っても構いません。刺された場所やかいてしまった傷から細菌が繁殖しやすいので、できるだけ石鹸で洗うことを心がけてください。患部が腫れている場合には冷やして炎症をなるべく抑えましょう。

万が一、1~2週間使用してもよくならなかったり、かえって薬を塗った部分の皮膚が赤くなったりする場合には使用をすぐにやめ、皮膚科医に相談しましょう。

蚊に刺された跡が残る…どうすればいい?

虫刺されの跡が残ってしまう原因の多くは「かきむしりによって傷跡ができてしまうこと」です。

そもそも傷跡は、

  1. 怪我をすると傷の近くにある修復細胞がコラーゲンを作って傷を修復しようとする
  2. 傷口が化膿したり、傷のまわりの血行が悪いと、修復がうまくできず、コラーゲンが異常に産出され、傷口に赤みや盛り上がりが残る

というプロセスによって作られます。

そのため、蚊に刺された場合にはかゆみ止めを外用して、できるだけ患部に傷をつけないことが虫刺されの跡を残さないために一番有効な方法といえるでしょう。

また、傷になっている皮膚は薄くなっており、紫外線にあたるとシミの原因になってしまいます。そのため、傷になってしまった場合には患部が直射日光にあたらないようにしましょう。

その他、皮膚の新陳代謝が乱れると傷跡がなかなか消えません。新陳代謝を正常に保つためにも保湿をする、食生活に気をつける、ストレスをためないといった工夫が必要です。

蚊に刺されないためには

虫除けスプレー

屋外での対策としてもっとも効果的なのは、できるだけ肌の露出を抑えることでしょう。

特に、夏の森林や草地、河川など蚊が多く生息する自然豊かな場所では長袖長ズボンにするといった工夫が必要です。サングラスや帽子の着用、首にタオルを巻くことも対策の一つといえます。

ですが、日常生活ではこのように肌の露出を過度に抑えるのは難しいでしょうから、携帯蚊取り線香を持ち歩く、虫除け剤を使用するなどして蚊に刺されないようにしましょう。

虫除け剤は塗りムラがないように使い、薄手の服の場合には服の上からも刺される可能性があるため服にもスプレーするとより効果があります。

ただし、虫除け剤に含まれるディートいう成分は虫を遠ざける効果と安全性が評価されている一方で、吸入することで神経障害を引き起こすという報告もあります(多頻度、高濃度の使用条件による)。そのため、必ず使用上の注意をよく読み用法・用量を守って使うようにしましょう。特に小児の使用が制限されている商品もあるので、必ず確認をしましょう。

まとめ

蚊は夏の厄介者ですが、蚊から逃れて夏を過ごすのは難しいのが現実です。

そうであるならば、正しい蚊の対処を確認して、花火大会やBBQなど沢山の屋外でのアクティビティをめいっぱい楽しみましょう。