排卵日は、妊娠を望む女性にとって月に1度しか来ない重要な日です。排卵日がいつ頃に来るのかがわかれば、妊娠しやすい時期を狙うことができ、妊娠の確率が上がります。また、排卵日を知ることで次の生理日を予測することができます。ここでは、排卵日とはなにか、排卵日が来る時期や妊娠との関係性、体調の変化などについてお話ししたいと思います。

目次

排卵日とは?

排卵日は、卵巣から卵子が卵管に向けて飛び出す日です。そもそも卵巣には卵子の元となる卵胞というものが多数存在しますが、そのうち5~10個が、前回の月経が始まった日から発育を開始し、その中でうまく成熟できた卵胞1つだけが卵子を1つ排卵することができます(基本的に、排卵は左右にある卵巣が交代で行うのですが、稀に左右同時に排卵されることがあり、その場合は2つ卵子が排卵されることになります)。

排卵日は、生理周期が28日の人の場合、前回の生理開始日からだいたい14日目になります。ホルモンバランスや体調などによってずれたりすることもありますので、ずれることもあります。より正確に知りたい場合には、基礎体温や尿検査、経腟エコーで卵胞の発育状況を確認することが必要になります。

排卵日を知るには?

排卵日を知るのに一番手軽な方法が、基礎体温を測ることです。基礎体温の測り方は「基礎体温で何がわかる?測り方は?」をご覧ください。

女性の基礎体温は2相性(にそうせい)といって、低体温の時期(低温相)と高体温の時期(高温相)の2段階に分かれるのですが、この低温相と高温相の境目あたりが排卵日になります。もし2相性になっていなければ、排卵していない可能性が高いので、早めに婦人科を受診しましょう。

排卵は、低温相の最終日から高温相の第1日目の間のどこかで起こることが多いですが、基礎体温だけでは正確にこの日が排卵日と特定するのは難しいです。基礎体温と併用して、尿中のLHという性腺刺激ホルモンの量を検査することで、かなり正確な排卵日を特定することが可能です。排卵検査薬と呼ばれていて、ドラッグストアなどで市販されています。

また、内診で経腟エコーを使って卵胞の大きさを計測することで排卵日を予測するという方法もありますが、婦人科を受診する必要があります。まずは基礎体温でだいたいの排卵日を予測して、排卵検査薬で陽性が出たタイミングで夫婦生活を営む方法を試してみるのがいいかもしれません。

排卵日=妊娠しやすい日?

排卵された卵子は、卵管内で約24時間生存していて、その時間内に状態のいい精子と出会うことができれば受精する可能性が高くなります。精子の生存時間は72時間といわれていますので、排卵予定日の数日前から夫婦生活を営めば、妊娠の確率が高くなります。妊娠しやすい日は、排卵日の2日前から排卵日あたりです。

排卵日あたりの症状

排卵日

排卵日が近づくと下記のような症状が出ることがあります。

おりものの変化

おりものは、外陰部の皮脂腺、バルトリン腺、汗腺からの分泌や腟内を潤している滲出液、子宮頚部からの粘液などが混じったものです。排卵日あたりには、精子の侵入を助けるためにサラサラした頸管粘液が増加するため、おりものが多くなることが多いです。

また、おりものは透明に近い白色かクリーム色をしていますが、排卵後の高温期では黄色っぽくなることもあります。

排卵時出血(中間期出血)

排卵に伴うホルモンの複雑な変動によって、子宮内膜が剥がれ、排卵時期に少量の出血が2、3日間続く場合があり、排卵時出血と呼ばれます。排卵時出血は自然に血も止まり、特に治療は必要のないものですが、不正出血(生理でない時の性器からの出血)は他の病気の可能性もあるため、婦人科を受診しましょう。

特に下腹痛が起こり、吐き気や嘔吐、下痢などの症状が続く場合には、卵巣出血の可能性があります。卵巣出血は、排卵時に血管が切れて出血することで起こる病気です。お腹の中に血が溜まってしまうことがあり、出血量が多い場合には手術が必要なこともあります。

排卵痛

排卵に伴って、卵巣の被膜が破れるため、その際に軽い腹痛や腰痛が起こる場合があり、排卵痛と呼ばれます。痛みが強く持続する場合には、前述の卵巣出血の可能性もありますので、婦人科を受診しましょう。

まとめ

排卵日を正確に知るのはなかなか難しいですが、だいたいの時期を予測することは可能です。排卵日にぴったり夫婦生活のタイミングを合わせないと妊娠しないわけではないので、上記の方法や症状などから排卵日のだいたいの予測をしてみましょう。月経が順調な場合は、排卵日の予測に基礎体温の測定はある程度参考になりますので、この機会に基礎体温の測定法をマスターしましょう。