基礎体温を測ることは、女性の体調管理方法として非常に重要です。基礎体温はその名前のとおり、体温のことですが、風邪の時などに脇で測る体温とは違います。測り方や測る機器も通常の体温測定とは違っています。基礎体温の測り方やグラフの見方がわかれば、自分の健康管理に役立ちますし、妊娠を希望する場合には妊娠可能な状態か判断する目安ともなります。ここでは、基礎体温について詳しくお話ししたいと思います。

目次

基礎体温ってなに?

普通、体温を測るとなると、測りたい時に体温計を脇に挟めば簡単に測ることができます。ですが、基礎体温を測るには、「一定時間(4~5時間)以上の睡眠後の起床時に、布団から起き上がらず、寝たままの安静な状態で測定する」ということが必須になります。

基礎体温とは、運動・食事・感情の起伏などの体温に影響を与えるような条件を避けて測定した体温のことを指しますので、それらの条件が避けられる寝起きの状態で測ることが必要になります。そして、この基礎体温を測るには、婦人科体温計が必要になりますので、普通の体温計とは別に婦人科体温計を購入する必要があります。

婦人科体温計は通常の体温計と違い、舌の下に入れて口を閉じて測ります。通常の体温計を口に入れて測れば…と思う方は大きな間違いですのでやめましょう。婦人科体温計は、0.05℃単位まで測定することができ、精密に測ることは基礎体温を管理していく上で非常に重要となります。

また、基礎体温を記録するための基礎体温表を用意する必要があります。ドラッグストアにも売っていますし、基礎体温表を無料でダウンロードできるサイトや、基礎体温表のアプリもありますので活用してみてください。

基礎体温を測ってどうするの?

基礎体温-写真

基礎体温は1日だけ測ればいいものではありません。毎日連続して測り、基礎体温表に記入してグラフにして初めて状態がわかるようになります。

通常、女性の基礎体温は2相性(にそうせい)といって、低体温の時期(低温相)と高体温の時期(高温相)の2段階に分かれます。生理周期が28日の人の場合、14日間低温相が続いたのち、14日間高温相が続くのが繰り返されます。低温相初日あたりが生理開始日、低温相から高温相へ移行するあたりが排卵日になります。

基礎体温をチェックすることで、次回生理日の予測、排卵の有無、黄体機能の状態の確認、妊娠の早期予測を行うことができます。

基礎体温の正しい測り方

基礎体温は測定する際に正しく測らないと間違った基礎体温を記入することになります。以下のポイントをしっかり押さえて測定するようにしましょう。

  1. なるべく毎朝一定の時間に計測する
  2. 寝たままで測定し、起き上がったり、動き回ったりしない
  3. 舌の上ではなく、舌の下(舌の下の奥にある中央のすじに当てる感じ)で測る

要チェック!これが正常な基礎体温

基礎体温が正常かどうかをチェックするポイントが以下の4つになります。1つでも当てはまらない場合は、基礎体温表を必ず持参して婦人科を受診しましょう。

  1. 高温相が10日以上持続している
  2. 高温相と低温相の差が0.3℃以上ある
  3. 高温相に陥落(がたつき)がない
  4. 低温相から高温相への移行が3日以内

高温相が15日以上続く場合は妊娠、逆に高温相がない場合には無排卵の疑いがあります。

そのほか、高温相のグラフがガタガタになっていたり、10日未満の場合には黄体機能不全(黄体機能が低下していると不正出血や不妊・不育症の原因となる場合があります)の可能性があります。

まとめ

基礎体温は測るためにいろいろ準備が必要だし、忙しい朝にわざわざ測るのも面倒…と敬遠される方も少なくないでしょう。ですが、測ることで得られるメリットは多く、特に排卵の有無や、黄体機能のチェックができることで、妊娠しやすい状態かを知ることができます。

妊娠を希望している方はもちろん、将来的に子どもが欲しいと思われている方も月経不順など気になる症状があれば基礎体温を測ってみましょう。もし、正常な基礎体温とは違うかもと思われるところがあれば、早めに婦人科を受診してみましょう。不妊症や不育症となる疾患の中には、初期に治療することで妊娠に影響のない状態まで治療できるものがありますので、異常は早期発見・早期治療するに限ります。

基礎体温を測ることで、婦人科疾患の早期発見に繋がるかもしれません。ぜひこの機会に基礎体温を測る習慣を身に着けてみませんか?