ニキビにはできやすい方と、できにくい方がいます。
この記事を見ている方の中には、1つ治しても次ができてしまったり、いくつもできて慢性化してしまっていたりする方もいるのではないでしょうか。
そういった体質的にニキビができやすい方は、漢方を利用してみると良いかもしれません。
この記事では、ニキビに効果的な漢方をいくつかご紹介します。
ニキビはどうしてできる?
肌には皮脂腺がたくさんあり、細菌の繁殖を防ぎ、水分の蒸発を防ぐための皮脂を分泌しています。
本来は肌を守るための分泌物ですが、皮脂の量が多い、毛穴が化粧品等によってふさがれている等の理由で皮脂が毛穴に詰まってしまうことがあります。これがニキビの原因になるのです。
単純に皮脂が毛穴にたまっているものを白ニキビ、皮脂にアクネ菌が感染したものを赤ニキビと呼び、ホコリなどに触れて黒っぽくなったものを黒ニキビと呼ぶこともあります。
中でも赤ニキビは膿みやすく、痕がのこりやすいため注意が必要です。
皮脂が詰まる原因として考えられることは、思春期などのホルモンの影響、精神的ストレス、不摂生、化粧、内臓の不調など多岐に渡ります。
漢方によるニキビ治療は体質も改善する
漢方薬と西洋薬の違いは何でしょうか。
その答えは、治療の目的と考え方にあります。
外用薬や抗生物質による西洋医学のやり方は、主に皮脂を取り除いたり、殺菌したりすることによる治療になります。
この治療方法は「症状を抑える」ことが目的ですので、ニキビに対してピンポイントな効果が期待できます。
しかし一時的に改善されるかもしれませんが再発する可能性もあり、何度も使用しているうちに薬が効きにくくなることもあります。
一方、漢方薬の治療では「体全体のバランスを整えること」を目的とします。
皮脂の詰まりを取ることに特化しているのが西洋薬とすると、皮脂が詰まってしまう原因も取り除こうとするのが漢方薬の考え方なのです。
よってニキビの状態だけでなく、身体全体を診て根本から治療していくことを目指した治療となります。医師の診断で肌荒れの原因が内臓にあるとわかれば、お腹の調子を整えたりするための薬を処方されることもあります。
そのためニキビの治療に使われるものだけも、たくさんの種類があると思いますが、どれでも良いというわけではありません。
漢方薬は、自分の体質、ニキビの症状にあったものを選ぶことが重要で、ニキビができにくい体をつくるためには、やや長めの服薬が必要となってきます。
ニキビに効果的な漢方

それでは、ニキビ治療に使われる漢方の例を見ていきましょう。
荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
- ニキビが慢性化している
- 体力中等度以上
- 皮膚が浅黒い
- 手足の裏に脂汗をかきやすい
- 繰り返す鼻炎、副鼻腔炎にも効果的
清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
- とがって化膿している首から上の赤いニキビ
- 体力中等度以上
- 赤ら顔、のぼせ
- 顔や頭部の皮膚湿疹にも効果的
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
- 炎症が強いニキビ
- 体力中等度以上
- 顔がのぼせやすい、赤みがある
- いらいらして落ち着かない
- 口内炎、赤みのある皮膚炎にも効果的
桂枝茯苓丸料加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)
- ニキビがフェイスラインやおでこにできやすい
- 肌の調子がよくない
- 比較的体力がある
- 肩がこりやすい方
- 頭が重い
- のぼせ、足の冷えがある
- しみにも効果的
十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
- できはじめのかゆくて赤いニキビ
- 化膿しているニキビ
- 体力中等度
- じんましん、湿疹、皮膚炎、水虫にも効果的
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
- 冷え性で貧血気味の方
- 体力は弱め
- 生理のときに悪化するニキビ
- めまい、頭痛、腹痛にも効果的
まとめ
繰り返すニキビにお困りの方は、一度漢方を試してみてはいかがでしょうか。
ドラッグストアで購入することもできますが、自分に合った薬を見つける必要があります。
漢方も副作用がないわけではありませんし、薬の組み合わせや皮脂を抑えるような漢方を用いることで、さらなる改善が期待できると思いますのでどの薬か迷う場合には漢方専門医や薬剤師に相談してみましょう。
また、ニキビの治療は服薬だけに頼らず、不摂生は控える、睡眠を十分にとる、化粧品の選び方に気を遣うなど、生活習慣の改善も大切です。