一度できてしまうと中々治らないニキビ。特に赤ニキビと呼ばれる炎症を起こしているニキビは、無理につぶしたりこすったりすると深いニキビ跡になる場合もあります。
ニキビができたときは、どんな治療をすればよいのでしょうか。今回は、ニキビ跡の治療についてご説明します。

目次

ニキビ跡にはどんな種類があるの?

色素沈着タイプ

シミのようにみえる茶色のニキビ跡は、メラニン色素によるものです。

ニキビは炎症を起こすと体内で活性酵素が発生し、メラニン色素を過剰に生成させてニキビが茶色い色素沈着になります。

ターンオーバーが間に合わないと古いメラニン色素が外に排出されずに、茶色いシミとなって皮膚に残ってしまうのです。

クレーター状タイプ

炎症性のニキビができたときに、ニキビ菌と白血球が闘い、その残骸がうみとなって出てきたものが、毛穴を壊してクレーターのようになります。

表皮だけでなく、肌の再生に関わる真皮にまでダメージが及び、他の正常な部分と真皮が傷つけられた部分とで肌のターンオーバーが均一に行えなくなり、跡が残ります。

色素沈着タイプのニキビ跡の治療方法は?

化粧品売り場

色素沈着タイプには身体の内側と外側から美白ケアをしましょう。

美白化粧品を使う

美白成分の入った化粧品でメラニンを排出して、シミを薄くすることを目指します。

①ビタミンC

高い抗酸化作用があり、皮脂分泌をコントロールし、メラニンの生成を抑制します。

皮脂が抑制されると、新しいニキビを予防するのにも役立ちます。

②カモミラET

カモミールの葉から抽出します。肌の中でメラニンを作る指令を出す物質を抑えます。

③アルブチン

コケモモに含まれるハイドロキノンに近い成分です。

メラニンの生成を防ぎます。

④コウジ酸

麹由来の成分です。

メラニンの生成を防ぎます。

美白化粧品を最大限に活かす

美白化粧品の使い方にもコツがあります。

有効成分をしっかり浸透させるためにポイントをおさえて使いましょう。

①医薬部外品の成分をチェックする

医薬部外品の美白化粧品は、厚生労働省が効果と安全性を確認した成分が含まれています。

特にビタミンCとアルブチンは数十年も使われ続けており、安全性の高い成分と考えられています。

②美容液から始めてみる

スキンケアの中で1つだけ取り入れるのであれば、美容液から始めてみましょう。

一般的に、化粧品の中でも美容液に有効成分が最も多く含まれています。

③角質ケアも同時に行う

色素沈着は、角質ケアで正常なターンオーバーを促しながら、美白化粧品を使って新しいシミを作らないように同時にケアをするのが理想的です。

シミの蓄積を防ぎながら排出をサポートします。

ビタミンCを内側からとる

美白成分の中でもビタミンCはニキビに効果的な作用が多く含まれます。

食材からも積極的に取り入れるようにしましょう。

①フルーツ

  • キウイ
  • パパイヤ

酸味のある果物に多く含まれています。

②野菜

  • ブロッコリー
  • ピーマン(赤>黄>青)
  • パプリカ

ほとんどのビタミンCは熱に弱いので、生で食べるか火を少しだけ通す調理を行いましょう。

ピーマンとパプリカは他の栄養素によって守られているため、加熱しても栄養素は壊れません。

キウイ、ブロッコリーなどには、紫外線を吸収しやすくするソラレンという物質が含まれています。しみを予防するために、朝の摂取は控えましょう。

③サプリメント

ビタミンCは水溶性で代謝が早く、体内にためこむことができません。

持続型やタイムリリース型といったサプリメントは、少しずつ溶けて体内に貯留されるので、食品で取りにくいときも便利に使えます。

クレーター状タイプのニキビ跡の治療方法は?

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肌の再生を目指しましょう。皮膚科では専門的な治療を行っていますので、お近くの皮膚科に相談してみると良いでしょう。

自宅でのお手入れは?

スキンケアにピーリングを取り入れて、肌のターンオーバーを促しましょう。

①ピーリング

ピーリング効果のある洗顔料を使って、古くなった角質を少しずつ除去していきましょう。

②レチノール入りの化粧品

レチノールはターンオーバーを促すので、古い角質がはがれやすくなります。

また、肌にハリも生まれます。

皮膚科での治療方法は?

ニキビがひどくなったり、クレーターが目立ったりしている場合は、スキンケアだけでは治りにくいこともあります。

皮膚科では専門医がニキビ治療も行っています。

①問診

カウンセリングによって日常生活の指導が行われます。

食生活、髪形、ストレスの抑制、肌の刺激防止など多方面から指導を受けられます。

②薬物治療

赤く腫れたニキビには、ニキビ菌をなくして炎症を抑えるような効果がある内服薬外用薬(ぬり薬)が処方されます。

内服薬
  • ビタミンB2、ビタミンB6:皮脂を抑制し、活性酸素が発生するのを抑えたりします。
  • 抗生物質:ニキビ菌の繁殖と炎症を抑えます。
  • 漢方薬:身体のバランスを整え、抗菌効果があります。
  • その他:ストレスが強いときは精神安定剤を、便秘がひどいときは便秘薬が処方されます。
外用薬(ぬり薬)
  • 抗菌クリーム、抗菌ローション:ニキビ菌の繁殖をおさえます。
  • 抗炎症クリーム:ニキビの赤みを抑えます。
  • イオウカンフルローション:毛穴のつまりを改善します。
  • アダパレン:毛穴の詰まりに効果があり、ニキビをできにくくします。
  • 過酸化ベンゾイル:毛穴の詰まりをなくし、ニキビ菌が増えるのを抑えます。

③光治療

光を照射することによって、ニキビ菌の繁殖をおさえて肌の再生能力を高める治療法です。

  • ウルティマ:光と高周波を照射することで、真皮の細胞を活性化させ、コラーゲンの生成を促進してニキビを根本的に治療します。
  • ソリトーン:LEDを照射してニキビ菌を殺し、細胞を活性化させてコラーゲンの生成と代謝を促します。

④その他の治療

ニキビの芯を取り除いたり、 新しい肌に生まれ変わらせたりする治療も行っています。

  • 圧出治療:ニキビの芯を取り除く治療法です。炎症を起こしていない白ニキビ・黒ニキビと炎症を起こした後の黄ニキビに行います。ニキビの先端に穴を開けて毛穴の中身にあるニキビの芯や膿を出します。
  • ケミカルピーリング:古い角質や毛穴の詰まりを薬剤で溶かす治療法です。
  • ダーマローラー、フラクショナルレーザー:深いクレーター状のニキビ跡には、細い針のようなローラーで肌に傷をつけたり、レーザーで細かい穴を開けたりしてコラーゲンの生成を促し、肌の再生力を高める治療もあります。

まとめ

ニキビは跡になってしまったら治療に時間がかかります。つまり、できる前の予防が肝心です。普段のお手入れに美白ケアやピーリングなどを取り入れて、もしもニキビができてしまった場合でも悪化させないようにしましょう。

ニキビが悪化したり、跡になってしまったりしたら皮膚科を受診して、自分にあった治療法を医師と相談しましょう。