秋から冬にかけては、風邪やインフルエンザなどが流行し、子供に薬を飲ませる機会が増えるシーズン。ですが、喜んで薬を飲む子供は少ないものです。粉薬をうまく飲ませるコツや、市販薬について注意してほしい点など、知っておきたい5つのことを紹介します。

目次

1.初めての粉薬、うまく飲ませるにはどうしたらいい?

自分で薬を飲むことができない赤ちゃんや幼児には、少量の水で練ってから飲ませるとよいでしょう。

  1. 混ぜる指をきれいに洗ってから、小皿などに出した薬に水を2、3滴垂らして、耳たぶぐらいの固さにします。
  2. 練った薬をほほの内側か上あごにつけて、水や白湯などで飲み込ませます。

練るのが難しい場合は、水や白湯で溶かした薬をスポイト哺乳瓶の乳首に入れると飲ませやすいです。

ポイント

舌の上に乗せると、薬の味を強く感じてしまうことがあります。また、薬の量が多い場合、何回かに分けてしまうと飲むのを嫌がることがあるので、なるべく1回で飲ませるようにしましょう。

2.粉薬をそのままでは飲んでくれない!何かに混ぜても大丈夫?

最初はなんとか飲んでくれていたのに、急に粉薬を嫌がるようになったことはありませんか?原則として水や白湯と一緒に飲ませますが、嫌がる時は、お子さんが好きなものに混ぜて飲ませても大丈夫です。

牛乳やヨーグルトなどの乳製品や、プリンやアイス、チョコレートシロップなど甘いものに混ぜると飲みやすいでしょう。ただし、薬の効き目が悪くなる組み合わせや、混ぜると苦味が増す薬もあるので、薬剤師に相談してからにしましょう。

混ぜた後、時間が経つと苦味が増したり、効き目が悪くなったりすることがあります。作り置きはせずに、混ぜたら早めに飲みましょう。また、薬をすべて飲みきれるように、少量に混ぜて飲ませましょう。

市販のゼリー状オブラートに混ぜる方法もありますが、飲み込む力が弱いうちは避けた方が無難です。離乳中期(7ケ月)を過ぎた頃から、様子を見つつ使用するようにしてください。

ポイント

ミルクやごはんなどの主食や、豆腐のような栄養価の高いものに混ぜるのはやめましょう。これらの食べ物を薬の味だと思い込み、嫌いになってしまうかもしれません。

お腹がいっぱいになると薬を飲まないこともあるので、食事に影響がない薬の場合、食前や授乳前の服用をおすすめします。

3.薬の時間なのに寝てしまった!あとで2回分飲ませてもいい?

体調が悪いときは、生活リズムも狂うものです。薬の時間にお子さんが眠っていた場合、無理に起こして飲ませる必要はありません。

起きたときに次の薬を飲む時間が近かったら、寝ているときの分はなしにして、1回分だけ飲ませてあげましょう。また、保育園や幼稚園等でお昼に薬を飲めない場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。

ポイント

飲ませるのを忘れたからと、2回分をまとめて飲ませるのは絶対にやめてください。薬の効き目や副作用が強く出てしまう場合があります。

抗生剤のように、1日の回数を守らないと効果を得られない薬があるので、飲めなかった時は、医師や薬剤師に相談しましょう。

4.大人用の市販薬、量を調整して子供に飲ませても大丈夫?

薬を出す子供

急な体調不良で、家にある大人用の市販薬を半量にして飲ませてもいいのでは?と思う方もいるかもしれませんが、これは厳禁ですお子さんは内臓が未発達な状態なので、薬を分解する力や排泄機能が弱いため、服用してはいけない薬があるのです。

子供の身体は、単なる大人のミニチュアではありません。適用年齢はきちんと守り、子供でも服用可能と明記された薬のみを与えてください。

ポイント

年齢など使用上の注意を守っていたのに、重篤な副作用が起きてしまった場合は、「医薬品副作用被害者救済制度」が適用されるケースがあります。薬の使用について迷ったときは、自己判断せず、医師や薬剤師に相談しましょう。

5.症状が治まったら、薬はもう飲ませなくていいの?

症状が軽くなったと思って、途中で薬を飲ませるのを止めてしまったという方はいませんか?勝手な判断で、薬の服用を中止してはいけません

特に細菌感染による病気では、目に見える症状は消えても、体内に細菌が残っている場合があります。途中で服用を止めてしまうと、症状がぶり返したり、抗生剤が効かない新たな細菌を生み出したりする恐れがあります。医師や薬剤師の指示通りに飲ませてあげましょう。

まとめ

薬は、大人にとっても好ましいものではありません。ましてや、子供が苦手と感じるのは当然でしょう。飲みやすいよう工夫をすることで、楽に飲ませることができるので、お子さんに合った方法を試してみてください。