妊娠中は便秘になりやすい条件がそろっているため、便秘に悩まされる人が少なくありません。
お腹に赤ちゃんがいるため、いきむのも怖いし、でもいきまないと出ないし苦しいし…とどうにもならない思いをされていることでしょう。ここでは、妊娠中の便秘の原因や解消法、便秘薬の服用についてなどお話ししたいと思います。

目次

妊娠中に便秘になりやすい原因

妊娠中は便秘の原因が目白押しで、妊婦さんの2人に1人は便秘というデータもあります。妊娠中の便秘の原因として、下記の3つが挙げられます。

1.ホルモンの影響

妊娠中は女性ホルモンの分泌が増加しますが、女性ホルモンの1つであるプロゲステロンは、子宮の収縮を抑える働きがあり、妊娠の継続には欠かせないホルモンなのですが、胃や腸の働きも抑制してしまうため、便秘の一因となります。

2.子宮の増大による圧迫

妊娠中、赤ちゃんの成長に伴って子宮は日々大きくなっていきます。子宮は周りの臓器を圧迫し、大腸の蠕動運動を低下させたり、胃や腸の働きも抑えてしまうため、便秘になりやすくなります。

3.ストレス

妊娠中は、ホルモンバランスやからだの様々な変化が目まぐるしくおこり、その変化のために仕事や家庭に影響を及ぼすこともあり、ストレスが溜まりやすい状況です。このストレスは、交感神経の緊張を引き起こし、それによって内臓の働きが低下し、便秘の原因となります。

便秘の解消法

妊婦さんとブランケット
妊娠中の便秘は、苦しいだけでなく、長期化すると痔の原因ともなってしまうため、早めに改善する必要があります。妊娠中の便秘の解消方法としては、下記の3つが挙げられます。

1.腸内環境を整える

腸内の善玉菌が減って悪玉菌が増えると、ガスがたまりやすくなったりお腹が張りやすくなったりします。腸内のガスは腸の蠕動運動を妨げてしまうため、便秘の原因となります。腸内環境を整える善玉菌のサプリメントをとったり、悪玉菌を増やす食べ物を控えたりして腸内環境を整えましょう

2.適度な運動を行う

運動を行うことで、腸の蠕動運動が活発化し、便秘の改善効果が期待できます。妊娠中にできる運動は限られてきますが、妊婦体操や、マタニティビクスやマタニティヨガ、マタニティスイミングなど、妊婦さんのからだの状態に合わせて考えられた運動方法を取り入れることで、過度な負担をかけずに運動することができます。

3.食生活を見直す

水分不足や食物繊維不足は便秘を助長しますので、水分摂取はこまめに行い、食物繊維の多い食事を心がけましょう。便秘になりやすい人の食生活は、外食が多い、パンだけで食事を済ませる、冷たい飲み物を好むといった特徴がみられるため、自炊して、栄養バランス整った温かい食事を摂り、冷たい飲み物は控えるといった内容に改善すれば、便秘対策に有効です。野菜たっぷりの温かいお味噌汁やスープがおすすめです。

便秘薬は飲んでいいの?

妊娠中、薬は控えたほうがいいというのはよく聞かれる話かと思いますが、産婦人科で処方された便秘薬(酸化マグネシウム、センナ、センノシド、ピコスルファートなど)なら内服しても問題ありません。ある研究では、食事内容の配慮や水分摂取、運動習慣などの対処法を行っても効果が感じられない人が多かったというデータもあり、便秘薬を内服するのが最も有効な便秘解消法と言えます石川看護雑誌|妊産婦の便秘と対処法に関する実態より)。市販薬や妊娠前に処方されたものは、妊娠中に問題ない成分が使われているかわかりませんので使わないように注意しましょう。

まとめ

妊娠中の便秘は本当に辛いです。特に仕事をされている方や上のお子さんの面倒をみなくてはいけない場合、トイレにこもる時間の確保も難しく、より便秘が悪化しやすくなります。上記の改善方法を試し、やはり出ない場合には、早めに産婦人科で便秘薬を処方してもらいましょう。嘘のようにスルッと出てくれますので、無駄なストレスを感じることなく日々を過ごすことができます。ぜひ、かかりつけの産婦人科で相談してみて下さい。