自分の精液が何だか赤っぽいと感じたことはありませんか?その場合、精液に血が混ざっているかもしれません。血が混ざる原因はいくつか考えられ、なかには重篤な病気が潜んでいる恐れもあります。今回は精液に血が混じっていたときに考えられる病気について紹介します。

目次

精液に血が混ざる血精液症とは?

精液に血液が混ざっている症状は血精液症と呼ばれます。

そもそも精液の中に含まれる精子以外の分泌物は、精嚢(せいのう)や前立腺などで作られています。そのため精嚢や前立腺に炎症や結石、腫瘍などの異常が生じると、出血を起こすことがあります。出血から時間が経っていると茶色から黒っぽく、新しいものでは鮮血色に見えます。

精液に血が混ざる場合に考えられる原因

男性の下半身を写した画像

精液に血が混ざる場合に考えられる原因を紹介していきます。

突発性(特発性)血精液症

血精液症は多くの場合検査をしても異常がなく、原因病不明なため突発性(特発性)血精液症と呼びます。血精液症以外に症状もなく原因もはっきりしない場合は、特に治療の必要はありません。

前立腺生検後

前立腺がんを診断する際、前立腺の組織を採取する検査を行います。このとき直接前立腺に針を刺す(生検)ため、検査後に精液に血が混ざることがあります。

精嚢炎・前立腺炎

陰嚢や前立腺が細菌の感染などにより炎症を起こしてしまう病気です。発熱会陰部(肛門と陰嚢の間)の痛み排尿するときの痛み(排尿時痛)、血精液症などの症状もみられます。前立腺のうっ血や射精時のいきみで出血することもあります。

前立腺がん

前立腺に悪性の腫瘍が生じる病気です。前立腺がんは50歳以上の方に注意が必要で、2013年の男性のがん罹患数で上から4番目となっています(国立がん研究がん情報サービスセンター|がん登録・統計|最新がん統計より)。

初期には自覚症状がほとんどありません。がんが大きくなって尿道を圧迫すると、排尿困難や頻尿など前立腺肥大症と似た排尿障害がみられます。骨に転移した場合は、その箇所に痛みを覚えます。血精液がきっかけでがんがみつかる可能性は低いと考えられます。

まとめ

精液に血が混ざる血精液症の多くは原因が分かりません。その中で他に発熱や排尿時の痛みといった症状が起きていれば、炎症疾患、まれに悪性の腫瘍が原因となっている恐れがあります。また、血精液が治らず、性行為を行っても、パートナーに悪影響はありません。血を確認したとき、他に気になる症状が出ていた場合は放置せず、早めに近くの泌尿器科を受診しましょう。