【図解】「2種類の日焼けと肌タイプ・早分かり」はこちら

「紫外線」「日焼け」といえば、夏を思い浮かべる人が多いと思います。ギラギラ光る太陽に負けないように、夏になると日焼け止めを塗るなどの対策をとる人も多いことでしょう。

しかし、紫外線春頃からすでに強くなり始めているのです!紫外線が気になる方は、早めに対策を始める必要があります。今回は、日焼けのメカニズムに迫ります。

目次

どうして肌は日焼けをするの?

パラソルと海-写真
紫外線は、地上に届く光の中でもっとも波長が短いものです。

この紫外線は、生物への影響度をもとに3種類に分類されます。波長の長い方から長波長紫外線(UV-A)中波長紫外線(UV-B)短波長紫外線(UV-C)の3種類です。波長が短い方がより生物へ有害な影響を与えますが、このうち地上に届くのがUV-AとUV-Bの2種類です(最も有害なUV-Cはオゾン層などで吸収され、地表には全く届きません)。

日焼けを起こす力でいうと、UV-BはUV-Aの600倍から1000倍強いといわれています。一方、地表に届く量では、UV-Bはオゾン層である程度吸収されるのに対し、UV-Aは日光に大量に含まれたまま地表に達します。UV-AとUV-Bは、どちらの紫外線も日焼けの原因となります。

日焼けには2種類ある

一口に「日焼け」といっても、2つの種類があることを知っていますか?日焼けには、サンバーンサンタンの2つがあります。

サンバーン

サンバーンは紫外線による皮膚の急性炎症です。原因となる波長はUV-Bで、紫外線にあたった数時間後から現れる赤くなる日焼けのことで、ヒリヒリ感やかゆみを生じます。

サンタン

サンタンは、赤い日焼けが消失した数日後に現れ、数週間~数ヶ月続く肌が黒くなる(色素沈着)日焼けのことで、UV-BあるいはUV-Aによって引き起こされます。サンタンではメラニンの合成が進むため、肌が黒くなります

紫外線を浴びると、メラノサイトという細胞が皮膚を守るためにメラニン色素を作り出し、メラニンが紫外線を吸収して皮膚への害を防ぎます。

あなたの肌はどのタイプ?

サングラスを外した女性-写真
紫外線に対する反応は人によって様々ですが、皮膚の色によって大まかに6つのフォトスキンタイプに分けられます。

スキンタイプ 反  応
I 常に赤くなり、
決して皮膚色が濃くならない
II 常に赤くなり、
その後少し皮膚色が濃くなる
III 時々赤くなり、
必ず皮膚色が濃くなる
IV 決して赤くならず、
必ず皮膚色が濃くなる
V 皮膚色がとても濃い
VI

黒人

出典:日本皮膚科学会より

例えば、白人はもともとメラニン色素が少ないため、紫外線を浴びても肌は赤くなるだけで黒くはなりません。また、黒人ははじめからメラニン色素を大量に皮膚に持っているため、そもそも日焼けをしません。

では、日本人はどうでしょうか。黄色人種では、 最初に肌が赤くなり、後に褐色に変化する人が多いです。上記のスキンタイプでいうと、II~IVに当たります。ただし、赤くなるだけで褐色にはならない人も中にはいるので、この辺りは人それぞれといったところでしょうか。

日焼けから皮膚がんになりやすいのは、スキンタイプIやIIに属する肌の白い人だといえます。

今回の記事内容を、以下のようにまとめました。クリックやタップで拡大してご覧ください。

日焼けには2種類ある

危険性を知って、紫外線を避けよう

紫外線といったら、すぐに思いつくのは「日焼け」です。そのため今回は日焼けについて説明してきましたが、紫外線はこの他にも光老化光線過敏症といった症状の原因となります。

真皮(皮膚の奥)に到着した紫外線、UV-Aは、真皮の線維を変性させてしまうのです。これがシワやたるみの原因となります。UV-Bは表皮細胞のDNAにも傷をつけてしまいます。細胞はそのたびにDNAの修復を行いますが、この修復がうまく行かずにできそこないの遺伝子が作られてしまうことがあります。これがシミや皮膚がんの原因になるのです。

まとめ

性質をうまく活かせばアトピー性皮膚炎の治療などにも使える紫外線ですが、身体に悪い影響を与える面の方が圧倒的に多いといえます。日焼け止めを塗ったり、帽子をかぶるだけでも紫外線対策につながります。「まだ早い」なんて言わずに、今からしっかり対策をして、紫外線から身体を守りましょう。