寒い季節になると、風邪やインフルエンザにかかる人が少しずつ増えていきます。
皆さんご存知かもしれませんが、風邪やインフルエンザは細菌やウイルスなどの病原体が体内に侵入することで生じるものであり、これらを総称して感染症と呼びます。

感染症を防ぐための手段として、「手洗いをきちんとする」や「マスクを着用する」といった予防法は広く知られているかと思いますが、それらが本当に有効なのか疑問に思う方もいるかもしれませんね。ここでは、これらの予防法がなぜ感染症対策に有効なのかについて説明します。

目次

ウイルスや細菌はどこから感染する?

まず、一言に感染といっても、どのようにして病原体が体の中に入ってくるのか、その感染経路はさまざまで、主に下記の3つに分けることができます。

  1. 空気感染:空気中の病原体粒子を吸い込むことで生じる感染
  2. 飛沫感染:咳やくしゃみを介する感染
  3. 接触感染:病原体で汚染されたものに触れたり、汚染された食品を摂取することで生じる感染

1の空気感染で広がる感染症は、結核や麻疹などのごく一部であるため、家庭で日常的に対策をとるのは現実的でないでしょう(空気感染を起こす病原体の予防には、病院などでの専門的な管理が必要になります)。
家庭での予防が特に有効な感染経路は、残りの飛沫感染と接触感染です。

感染経路別の対策法

家庭で日常的に行われている予防法のねらいは飛沫感染や接触感染の予防です。基本的な事柄も多いですが、いま一度確認してください。

手洗いをきちんとする

これは接触感染の予防であるといえます。手についてしまった病原菌を食事などで体内に取り込んでしまう前に洗い落とすことで感染のリスクを下げることを目的にしています。

マスクの着用、うがい

感染者の咳やくしゃみに含まれた病原体を吸い込むことをマスクで防ぎ、また万一吸い込んでしまった病原体もこまめなうがいで洗い流すことで、菌が体内に入ってくるのを防ぎます。

+αの予防法:体力の向上

ここまで、感染経路という視点で感染症予防のしくみについて説明してきました。もちろん感染経路をシャットダウンするというのも一つの予防法ですが、それに加えて病原体が入ってきてもそれに打ち勝つからだを作るという視点も感染症対策には重要となります。

人間が持つ病原体に対する抵抗力を免疫と呼びます。
免疫は、様々な種類の白血球やサイトカインといった物質によって調節されています。これらがきちんと働くような環境を整えてあげることが重要なのです。そのためには、栄養の豊富な食事を摂取することやきちんとした睡眠をとるといったことが大切です。

まとめ

ここまで説明してきたように、家庭での感染症予防は、感染経路のシャットダウンと感染に至らないようにするための免疫力をつけるという視点で実施されています。

もちろん、手洗いやうがい、マスクの着用をすること自体とても意味のあることですが、それがどうして予防になるのかを知っておくことはとても大切なことです。予防の際はぜひ、こちらで説明した理屈について一度考えてみてください。