毎年、健康診断を受けていますか?会社の指示で受けているだけになっている方も多いのではないでしょうか。健診は受けることが目的ではありません。結果を振り返って自分の生活を見直す機会になります。健診の意義と目的について理解して、健診の結果を有効に使いましょう。

目次

検診と健診の違い

日本医師会では、以下のように説明しています。

  • 検診とは、特定の病気にかかっているかどうかを調べるために診察・検査を行うこと。がんなど、特定の病気の早期発見を目的としています。
  • 健診とは、健康診断の略です。健康かどうか、病気につながる危険因子があるかどうかを確かめるのが目的です。

検診がひとつの病気を見つけるために検査を行うのに対して、健診では大まかに身体の複数の箇所を検査することでいろいろな病気の危険因子がないか調べることができます。

もちろんどちらも大切ですが、病気の早期発見のためにも欠かせないのが健診です。

健診の種類

厚生労働省では、法律に基づきさまざまな健診を定めています。

その一部を紹介します。

子供から大人まで健康に過ごすことができるようにさまざまな健診があります。

一般健康診断とは

ここでは、一般健康診断について説明します。

本文中で(※)のついているものは、医師の判断により除外となる年齢制限があります。

1既往歴及び業務歴の調査

それまでにかかった病気を聞くことで、病気の診断等に役立ちます。また、業務歴を確認することで仕事による健康状態への影響がないかを確認します。

2自覚症状及び他覚症状の有無の検査

自覚症状とは、本人が気づいている症状のことです。痛い・気分が悪いなどが自覚症状に当たります。

他覚症状は、医師等の他人から見てわかる症状です。

3身長(※)、体重、腹囲(※)、視力および聴力の検査

体重計
  • 身長・体重・腹囲:肥満度を調べます。特に腹囲では、生活習慣病の原因となり得る内臓脂肪量の推測を行います。
  • 視力・聴力:目で物を見ること、耳で音を聞くことが正常にできているか調べます。

4胸部エックス線検査(※)、喀痰検査(※)

  • 胸部エックス線検査:胸のレントゲンを撮ります。肺がん、肺結核、肺炎などを調べるために行います。
  • 喀痰検査:痰の中に病原菌が含まれていないかを調べます。この検査も肺がん、肺結核、細菌性肺炎などを調べるものです。

5血圧の測定

血圧測定

血管にかかる圧力を調べ、高血圧の有無を確認します。

6貧血検査(血色素量及び赤血球数)(※)

貧血の有無を確認します。

7肝機能検査(AST、ALT、γ―GTP)(※)

肝臓の働きに異常がないかを診ます。数値に異常がみられた場合、さらに調べることで肝炎などの病気を見つけるきっかけとなる検査です。

8血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)(※)

血液ドロドロといわれるような、血液中の脂質の状態を調べます。

9血糖検査(※)

血液中の糖の濃度を調べることで、糖尿病の有無を調べる検査です。

10尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)

腎臓の働きに異常がないか確認します。

糖尿病の場合、尿に糖が混ざることがあります。また、尿に蛋白が含まれる場合は腎臓が十分に働いていない場合があります。

11心電図検査(※)

心臓全体の動きを診ます。狭心症や心筋梗塞、不整脈などを調べるために行う検査です。

まとめ

健診では、大まかに身体の複数の箇所を検査することで病気の危険因子がないか調べます。厚生労働省は、法律に基づいてさまざまな健診を定めています。病気は自覚症状がないまま進行することも多いため、早期発見のためにも健康診断を受けることは大切です。