暑くなってくると海やプールに入る機会も増えてきます。特に子供達にとってプールは夏の楽しみの一つといえるでしょう。しかしプールは目のトラブルが起こってしまう可能性があるということも覚えておかなければなりません。知っておきたいプールでうつる目の病気についてみていきたいと思います。

目次

プールで感染する目の病気

うきわと少年

プールでうつる目の病気として覚えておきたいものに「プール熱」と「はやり目」があります。それぞれの違いをまとめてみました。

病  名 原  因 症  状
咽頭結膜熱
(プール熱)
アデノウイルス 充血・目ヤニの他
喉の痛み・高熱などの
呼吸器系の症状が特徴
流行性角結膜炎
(はやり目)
アデノウイルス 充血・目ヤニ・異物感など目の症状が強いのが特徴
急性出血性結膜炎
(アポロ熱)
エンテロウイルス 充血・目ヤニなどの他
白目の部分に出血
おこりやすいのが特徴

プールで感染する事があるから咽頭結膜熱は「プール熱」、強い感染力から流行性角結膜炎は「はやり目」、急性出血性結膜炎はアポロ11号が月面着陸した1969年に世界中で大流行したため「アポロ熱」とも呼ばれていますが、アポロ熱は近年大流行はしていません。

ゴーグルをする理由、知ってますか?

ゴーグルをした少女

プールに入る際にはゴーグルを着用している人がほとんどだと思いますが、その理由を知っていますか?ゴーグルを着用すると水の中が綺麗に見え視界が保てるためというのも理由の一つですが、実はもう一つ大きな理由があるのです。

プールの水は感染症対策のために残留塩素の濃度が法律上決められています。しかしこの塩素が目に悪影響を与えることもあり、プール後に目の痛みや充血・乾きなど訴える人もいるのです。この塩素の影響を防ぐためにゴーグルを着用しているのです。小学校の教育現場の中には万が一の事故が起こったときに水の中で目を開けていられるようにと、水泳の授業はゴーグルを着用せずに行っている所もあるようですが、子供達の目を守るためにもゴーグルはとても重要なものなのです。

その他プールで気をつけたい病気

ゴーグルをした親子

プールで気をつけたい目以外の病気としてとびひ」「水イボ」「アタマジラミ」などがあります。これらは幼児や児童によく見られる病気で決して珍しいものではありません。

これらはどれも直接プールの水を介して人へはうつらないといわれていますが、とびひに関してはプールに入ることで症状を悪化させてしまったり、触れることで他人にうつしてしまう可能性があるため、治るまではプールは禁止という見解になっています。

水イボ・アタマジラミは、プールは問題ありませんが、水泳帽やタオル・ヘアブラシの共用などで感染する可能性があります。これらの貸し借りはやめ、プール後にしっかりとシャワーを浴びましょう

まとめ

充血やかゆみ・目ヤニなど目に異常があれば、プールは控え眼科医の診察を受けるようにしましょう。これぐらい大丈夫と安易に考えて実は「はやり目」だったら、プールで感染拡大という事になりかねません。皮膚疾患も適切な治療を受けていればアタマジラミなどでもプールに入ることができるのです。プールでうつる病気についての知識を得ることで、プールでの感染を事前に防ぐ事ができるということを覚えておきましょう。