結膜炎はウイルス性や細菌性など、原因によって細かく分類されています。今回は治療法とともに、感染力がある結膜炎をほかの人にうつさない、またうつされないためにできることを紹介します。

目次

結膜炎の治療法

結膜炎は、「眼の病気の代表格・結膜炎。その種類や症状は?」で紹介したように結膜の炎症です。炎症が起きている時に他の菌に更に感染するとますます酷くなるため、原因はともあれ、炎症を抑える、これ以上他の菌に感染しないことが必要です。

ウイルス性結膜炎の場合

ウイルスの場合、直接効く点眼薬はないのですが、他の細菌感染を防ぐ、炎症を抑え、角膜に濁りを起こさないことを目的に広域の抗菌薬と抗炎症点眼液を使います。

ウイルスの増殖が強い時は点眼しても効かない気がすることもありますが、しっかり点眼し、受診をしてください。一旦治ったと思っても角膜に濁りがでることもあり、白っぽく見える、ぼやけて見える、などの症状を感じることがあります。良くなったからと自己判断で点眼を中止してはいけません。必ず、医師の指示通りに通院、治療を続けてください。

細菌性結膜炎の場合

抗菌剤の点眼薬を使用することで原因菌の減少を目指します。炎症が強い場合は抗炎症点眼液も併用します。1週間程度で完治することがほとんどです。

適切な治療を続けても結膜炎を繰り返す場合は逆まつげや、もともと体の病気などで免疫力が落ちているなど、その他の原因も考えられます。しかし、特に病気がなくても、無意識に眼を触る癖があると、決して無菌ではない指や手を介して、白目にどんどん雑菌が塗りつけられるわけなので、一度よく目を触っていないか注意してみてはいかがでしょうか。

アレルギー性結膜炎の場合

花粉でもハウスダストでも、最初に眼に入ったときはいわゆるアレルギー症状は出ません。免疫担当細胞が、それらのアレルギーを起こす原因物質を覚えていて、次回同じ原因物質が眼に入ったときに、免疫担当細胞から、かゆみの原因となるヒスタミンやロイコトリエンなどが分泌されます。これらの分泌を抑えるために抗アレルギー点眼薬を使用します。症状が強い場合は、ステロイド点眼薬や非ステロイドの抗炎症点眼液を併用して治療を行うこともあります。

アレルギーが出ている時にコンタクトレンズを装用すると、アレルギーを引き起こす原因物質がコンタクトレンズに付着し、結膜を刺激するので、眼鏡にするようにしてください。

抗アレルギー点眼薬は副作用が少ないですが、ステロイド点眼薬は長期間使用することで眼圧が上昇するなどの副作用もあります。必ず眼科医の指示に従って使用するようにしましょう

感染力のある期間&防ぐ方法は?

感染力があるウイルス性結膜炎

ウイルス性結膜炎は、他者へ感染する可能性があるため、法律で学校(保育園、幼稚園含む)を休まなければなりません。

・流行性角結膜炎:眼の症状が軽減してからも感染力の残る場合があり、医師において感染のおそれがないと認められるまで出席停止です。10日から2週間程度です

・咽頭結膜熱:登校(園)基準としては:発熱、咽頭炎、結膜炎などの主要症状が消失した後2日を経過するまで出席停止です。約1週間程度です。

・急性出血性結膜炎:眼の症状が軽減してからも感染力の残る場合があり、医師において感染のおそれがないと認められるまで出席停止です。約1週間程度です

感染を防ぐためにできること

感染性結膜炎を発症したら他人にうつさないことが大切です。一定期間の登校・登園を控えることのほか、次のことに気をつけましょう。

  • 手洗いを徹底する
  • タオルなどは他の人と別にする
  • できるだけ眼を触らない
  • 症状が出ている間は人混みを避ける
  • 涙や目やにを拭いたティッシュは個別に捨てる
  • お風呂は最後に入る 
  • 家族や近くにいる人に、自分自身の眼をできるだけ触らない様に注意喚起する

まとめ

結膜炎は適切な治療を行うことで、炎症を抑えたり、他人にうつしたりすることを防いだりできます。そのためには医師の指示通り治療を続けることが不可欠ですので、自己判断で点眼をやめることがないようにしましょう。また、ウイルス性結膜炎にかかった場合はきちんとした行動を心がけてください。