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経口の食事と点滴とを併用する

―先ほど、「点滴」の話がありました。点滴に関しては、栄養士さんはどのように携わっていらっしゃるのですか?

基本的には医師が必要と判断する場合に内容や量を決め、処方をしています。私達栄養士は食事からの栄養を評価した上で、点滴の量や内容を確認しています。その上で「この栄養素が足りないので追加していただけませんか」と医師に提案することがあります。例えば食事で野菜や果物を食べておらずビタミンが不足している可能性がある場合にはビタミン剤の追加依頼をするといった感じです。

 

―食事の対策を様々に行っても口から食べることが難しい場合、最終的には点滴で栄養を補うことになるのでしょうか。

そうですね。何度か食事調整を重ねても口から食事をとることが難しいと、「足りない分の栄養は点滴で補いましょう」と伝えることがあります。

「点滴をいれることでお腹がいっぱいになりますか?」「点滴が入っているから食べないのですか?」と心配する親御さんもいらっしゃいます。そこは難しいところですが、「無理に食べさせることで食事をとること自体が嫌になったら困るので、今は点滴に頼ってみませんか」と提案します。その中で少しでも口から食べられるものを見つけていき、点滴だけにならないよう食事と点滴を上手く併用していくようにしています。

 

―口から食べるのが難しいとき、「これなら食べやすい」というような食品はありますか?

ゼリー類やアイスなど、冷たくてさらっとしたものは受け入れやすい印象があります。ヨーグルトなどは好みがあるので受け入れにくい子もいますが、プリンやジュースは比較的受け入れやすいようです。ゼリーを病棟で凍らせてもらってシャーベット状にしている子もいます。その他にもお茶漬けやコーンスープなども人気です。

また脳腫瘍などで嚥下障害(ものをうまく飲み込むことができない)が出てきた場合には、その子の嚥下機能に合わせて刻んだ食事やペースト状にした食事を提供しています。

口から食べるのが難しいお子さんに提供する食事(例)
口から食べるのが難しいお子さんに提供する食事(例)

 

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