日々の生活の中、イライラすることが多くなったなぁと感じることはありませんか?

イライラしていると周りにも悪い影響が出ますし、集中することもできません。なにより自分自身、イライラしたことに対して後悔することもあるのではないでしょうか。

だからと言って病院に行ってお薬までもらうのは…と思っている方、最近では市販の漢方薬がそのような症状に効果的ということで販売されています。それが「抑肝散」です。
その「抑肝散」に芍薬と黄連という生薬を足したものが「抑肝散加芍薬黄連」です。このお薬は「抑肝散」の効果を柔らかくして、より効能を追加した漢方薬になります。
今回はこのイライラに効く漢方「抑肝散加芍薬黄連」について詳しく見ていきましょう。

目次

30~40代ではイライラの症状が多い

イライラの症状に悩まされている人は、意外に多くいます。

特に仕事や家事、または育児や介護などで負担が大きくなる30~40代ではその傾向が顕著であり、クラシエ製薬が行ったインターネット調査では「最近1年以内に経験した症状」として「イライラする」が30代男性では28.9%、30代女性では51.9%と、特に女性に多い結果となっています(Kracie|ニュースリリース より)。

イライラを抑えるために、どうすればよいのか悩みますよね。女性だと女性ホルモンの変動によるものも大きいでしょうし、自分でコントロールするのは難しいです。

抑肝散加芍薬黄連とは?

抑肝散加芍薬黄連は「よくかんさんかしゃくやくおうれん」と読み、イライラや不安、不眠などに使われる漢方です。

「抑肝散」という漢方に芍薬黄連という生薬を加えた漢方であり、以下のような生薬で構成されています。

  • 茯苓【ブクリョウ】
  • 川芎【センキュウ】
  • 柴胡【サイコ】
  • 甘草【カンゾウ】
  • 蒼朮【ソウジュツ】
  • 釣藤鈎【チョウトウコウ】
  • 当帰【トウキ】
  • 芍薬【シャクヤク】
  • 黄連【オウレン】

「抑肝散」自体もイライラなどを抑えるための漢方であり、認知症で怒りっぽいタイプの方にも良く用いられています。芍薬は女性特有の病気などにも良く用いられますが芍薬を追加することで「当帰芍薬散」を追加したような処方になり、より女性向きのイライラを予防する漢方の処方となっています。

また黄連を追加することでイライラを抑える作用を強め、胃の負担を少なくしています。

抑肝散加芍薬黄連の効能効果

それでは抑肝散加芍薬黄連は具体的にどのような症状に効くのでしょうか?具体的に見ていきましょう。

神経が高ぶりやすく、イライラや怒りがある方の以下の症状に効果があるとされています。

  • 神経症
  • 不眠症
  • 子供の夜泣き・癇癪
  • 歯ぎしり
  • 更年期障害・血の道症

血の道症とは女性ホルモンの変動が原因で起こるイライラや精神不安などの症状のことを言います。

抑肝散加芍薬黄連はどのような人に向いているのか

体力中等度以上で、神経が高ぶって常にイライラしている方に向いています。特に効果が期待できるのは更年期や血の道症でイライラしてよく眠れない方です。もちろん男性でも服用することができます。

しかし

  • 医師の治療を受けている人
  • 妊娠中、もしくは妊娠の可能性がある人
  • 胃腸の弱い人

は医師に相談してから服用するかどうかを決めてください。

またクラシエから販売されている抑肝散加芍薬黄連錠は5歳未満の小児には服用ができません。これは錠剤であるために、のどに詰まる恐れがあるためです。そのため5歳以上の小児の場合にも親の監視のもと服用させるようにしてください。

5歳未満の小児にも服用させたい場合はレスフィーナ細粒ナビゲート顆粒が抑肝散加芍薬黄連の細粒として販売されていますので、そちらをご利用ください。しかし細粒においても1歳未満の服用はできません。

抑肝散加芍薬黄連はどのようにしてイライラに効くのか?

元になっている「抑肝散」には漢方における「肝(かん)」の高ぶりを抑える効果があり、その結果怒りやイライラを抑えることができます。ここでいう「肝(かん)」とは人間の臓器である「肝臓」と似ているものですが、肝臓の働きプラス感情や自律神経・血のコントロールなどもつかさどる部位とされています。そこに黄連を加えることで更にイライラによる興奮状態を鎮める効果があります。

また芍薬が入っていることで血を補い、巡りをよくして女性ホルモンの変動が原因のイライラなどを改善させます。

抑肝散加芍薬黄連の副作用

主な副作用としては

  • 食用不振、胃部不快感
  • 下痢
  • 眠気、倦怠感
  • 発疹、かゆみ

などが報告されています。

また重大な副作用として抑肝散には

  • 間質性肺炎(発熱、呼吸困難)
  • 肝障害(白目が黄色くなる、だるくなる)
  • 偽アルドステロン症(しびれ、こわばり、こむら返り、血圧上昇)
  • 心不全(息切れなど)

などがあげられています。上記のような症状が現れたらすぐに医師に相談してください。

まとめ

常にイライラしていると自分も周りも疲れてしまいますよね。そんなときは自分を責めるのではなく、漢方に頼ってみませんか?

漢方なら精神系の病院に行くよりもハードルが低く、市販で購入することができます。そして服用したら1週間は続けてみましょう。漢方は副作用が少ない分効くまでにも少し時間がかかる場合が多いです。
1ヶ月超えても症状が改善されない場合は、使用をやめて医師に相談するか、ほかの漢方を試してみてもよいでしょう。

特に女性でイライラと不眠に悩んでいる方は、今回ご紹介した「抑肝散加芍薬黄連」を一度試してみることをお勧めします。