赤ちゃんがお腹の中にいる段階で発生する先天異常は、様々な器官で起こり得ます。耳の先天異常もいくつかありますが、埋没耳もその一つです。埋没耳とは一体どのような状態なのか、どのような治療法があるのか、紹介していきます。

目次

埋没耳とは

耳は外耳・中耳・内耳という3つの構造から成り立っています。一般的に私達が耳と呼んでいる、目に見える部分は耳介(じかい)といい、外耳の一部です。この耳介の上部分が側頭部の皮膚の下に埋もれた状態の耳を「埋没耳(まいぼつじ)」といい、別名「袋耳」とも呼ばれています。

埋もれている部分はつまんで引っ張ると出てきますが、手を離すとまた元に戻ってしまいます。

埋没耳の原因は完全に解明されていませんが、耳の後ろにある筋肉の異常などが挙げられています。埋没耳の発生頻度は400人に1人程度といわれており、比較的発生頻度が高い病気といえます(日本頭蓋顎顔面外科学会より)。

埋没耳で起こる問題

埋没耳は耳介の上部の変形が起きているだけなので、聴力などには全く影響はなく、見た目の問題だけとも言えます。しかし、耳の上部が埋もれているため眼鏡をかける事ができなかったり、マスクがかけられなかったりするなど、生活していく上で支障をきたすことがあります。

埋没耳の治療法

埋没耳の治療方法として、装具を使用した矯正治療と手術治療の2種類があります。どちらを選択するのか、手術の方法などについては埋没耳の状態や反対側の耳との比較などもあるため、医師としっかりと相談して行いましょう。

矯正治療

側頭部に埋まっている部分をつまんで引っ張り出した上で、元に戻らないよう装具で固定します。1歳を過ぎると装具を嫌がってはずしてしまうこともあるため、1歳未満ぐらいまでの耳の軟骨がまだ柔らかい時期が適応とされています。装具には、プラスチック粘土などの熱可塑性樹脂が良く使用されます。

なお矯正治療は、埋没の状況によって効果が出にくいこともあります。

手術治療

矯正治療を行っても効果が表れなかった場合や、1歳以降に初めて病院を受診した場合などは手術治療が適応になります。3歳~就学前までが適応年齢といわれています。術式は様々ですが、耳介の前上方から後方にかけて皮膚を切開し互いの皮膚をずらす様に回転させることにより、耳の上部を持ち上げる手術が一般的です。

ふつうは全身麻酔下で行います。

まとめ

埋没耳は聴力に影響は及ぼしませんが、見た目だけではなく、物を耳にかけられない問題が発生します。耳に眼鏡やマスクをかけられなくなると、日常生活で不便さを感じることもあるでしょう。早期発見・早期治療を行う事で物心がつく前に綺麗に治すこともできます。子供の耳の形に違和感を覚えた場合は速やかに形成外科を受診するようにしましょう。