一日の食事のうち、一食を低カロリーの食材のみに置き換えるダイエット方法が流行っています。置き換えダイエットは、本当に効果はあるのか、痩せたとしても、健康面で問題はないのかなどの疑問にお答えします。

目次

置き換えダイエットについて

1日3回の食事のうち、1食を低カロリー食材に置き換える「置き換えダイエット」が流行っています。

最初に、効果があるのかどうかについて回答します。
置き換えダイエットは、正しいやり方を行えば効果はあります健康面についても正しいやり方であれば問題はありません
肥満治療に用いることもありますよ。

ただし、低カロリーの食材であれば、何でもよいわけではありません。
置き換えダイエット専用の食品を利用して正しく行う必要があります

医療現場での利用

医療現場で置き換えダイエットを利用する場合は、いくつかのポイントがあります。

  1. 置き換えダイエットをするための専用の食品を使うこと
  2. 医師から指示された方法で実行すること
  3. 短期間(多くの場合は1ヵ月以内)で終了すること

まず、置き換えダイエットのための専用の食品は、さまざまなメーカーからいろいろなものが出ていますが、肥満治療のために用いるものは日本肥満学会が治療に適しているとして認めているものがいくつかあります。ただし承認されているのは市販品ではなく医療用のものですので、医師の指導の上で利用する必要があります。

これらに共通している条件は、「高たんぱく質・低糖質(炭水化物)・低脂質・高ビタミン・高ミネラル」であることです。たんぱく質は何でもよいわけではなく、必須アミノ酸をバランスよく含んでいる必要があり、単一の食品ではあり得ない組成です。

主な原材料は脱脂大豆と脱脂粉乳だと言われていますが、これらの比率やビタミンやミネラルの追加の方法など、各社さまざまな研究を行って組成を決めています。
この微妙なバランスが健康を崩さないための鍵となっているようです。

実際、医師の指示通りに食事療法・運動療法を実行すると、1ヵ月で2~4キロぐらいの体重減少が見られるため、患者さん自身がダイエットすることが楽しいことだと気づくことが目的です。

そのため、置き換えダイエットを行うのは、長くても1ヵ月。ある程度の成果が出た後は、置き換えダイエットは終了し、食事と運動によるダイエット方法を実行することになるのが一般的です。

そして、置き換えダイエットを短期間に何度も繰り返して行うことはありません
「正しい努力をすればやせる」ことが分かっているのですから、それさえ分かったら、置き換えダイエットの役目は終了です。

自己判断はダメ

正しい方法であれば1ヵ月で2~4キロの減量が可能な置き換えダイエットですが、医師の指示・指導なしで実行するのはオススメしません

自己流で行うと、どこかで「正しい方法」から外れてしまいます。もっとも怖いのは、1ヵ月以内でやめなかったり、1ヵ月以内でやめたとしても「置き換えダイエットさえやればいつでも(健康的に)やせられる」と勘違いしてしまうこと

医師が指導をしても短期間しか行わないのは、体に負担がかかる方法だからです。体重が下がるから楽しくなるのは分かるのですが、自己流では絶対に行わないようにしましょう

肥満治療はBMI30以上を目安に行いますが、BMI25以上でも、置き換えダイエットで効果があったというエビデンスはあるようです。薬局で置き換えダイエット用の食品を自己流で購入する前に、医師の判断を仰ぐようにして下さい。