気になりがちな口臭や唾液の臭い。その多くには、口の中の細菌が関係しています。臭いを気にするあまり、知人や友人とのおしゃべりを楽しめなかったり、生活の質が下がってしまったりするようでは困りますよね。ここでは、唾液の臭いが気になったときのケアについて解説していきます。

目次

なぜ唾液が臭うの?

唾液そのものは、基本的に無臭です。唾液の臭いが気になる場合は、何らかの原因物質が唾液に溶け込んでいることが原因と考えられます。より詳しく知りたい方は「えっ!?唾液が臭い!その原因は?」をご覧ください。

臭いを改善しよう!自分でできる対策

臭いを改善するために自分でできることとは何でしょうか?
臭い発生の原因となっているのはほとんどが細菌です。とはいっても、口腔内にはもともと細菌が存在しています。細菌を完全に無くすことは不可能ですし、バランスがとれていれば異常な臭いを発生させることはありません。しかし、何らかの理由によって細菌の構成が変化したり、細菌が繁殖したりすると不快な臭いが発生することがあります。

つまり、口腔内を正常な状態で保つことが大切です。
そのためには、以下のような対策が重要になってきます。

1.口腔内を清潔に保つ

正しい歯磨きで歯垢(プラーク)がなるべく残らないように取り除きましょう。毎食後、できるだけすぐに歯を磨いてください。

歯ブラシの毛先を歯の表面に直角に当て、軽い力を加えて小刻みにこすります。強くこする必要はありません。奥歯の溝、歯と歯の間、歯と歯茎の境目はとくに入念に磨きましょう。また、歯ブラシの他にもデンタルフロスや歯間ブラシを用いると、隅々まできれいに磨くことができます。

舌の表面が白くなっているのをご覧になったことはありますか?これは舌の上皮細胞の死骸や細菌が苔(こけ)状に付着したもので「舌苔」と言います。舌苔は、専用の舌ブラシかやわらかい歯ブラシ、ガーゼなどを用いて優しく取り除きましょう。過度に強く磨くと舌を傷つけてしまう恐れがあります。

また、歯や舌だけでなく、義歯を清潔に保つのも忘れないでください。毎食後外して清掃を行い、週に一度程度は洗浄剤を使って消毒を行います。

2.唾液の分泌量を増やす

唾液の分泌量が少なくなると、殺菌作用が減るため、細菌が増殖し、臭いが生じやすくなります。こまめに水分補給をしたり、ガムを噛んだりして唾液の分泌を促しましょう。

また、唾液は副交感神経が優位なときに多く分泌されます。リラックスする時間を意識的に設けてください。

このほか、唾液腺のマッサージや薬剤による唾液の分泌促進など、様々な方法で唾液を増やすことができます。口が乾いていると感じる方は、お近くの歯科医院で相談してみてください。

3.口呼吸を避ける

口呼吸は口腔内を乾燥させ、臭いのもととなる口の中の細菌を増やしてしまいます。それだけでなく、全身に様々な悪影響を及ぼすことが知られているので、口呼吸を行っている人は鼻呼吸を意識するようにしましょう。「原因別にみる!口呼吸をやめて鼻呼吸を意識する方法」もあわせてご覧ください。

4.よく噛んで食べる

よく噛むことで唾液の分泌が促されます。一口で30回以上噛むことが推奨されています。唾液で流し込むようにして噛まずに飲み込むのは避けてくださいね。

5.定期的に歯科医院でケアを受ける

セルフケアで取り残した歯垢(プラーク)や歯石は、定期的に取ってもらいましょう。

やっぱり欠かせない!プロフェッショナルケア

歯科医

一生懸命自分でケアをしていても、取り除けないものもあります。それが積もり積もると、より強固なものになっていきますし、臭いの元にもなります。
また、自分では気が付かなくても虫歯や歯周病になっていて、臭いを発してしまう場合があるのです。

適切な清掃法の指導

自分の口にあった正しい磨き方を身に付けることで、清潔な口腔内を保てます。

歯石除去

歯石は歯垢(プラーク)が固まったもので、自分では取り除くことができません。放っておくと歯周病の原因になりますので、歯科医院で取ってもらいましょう。

PMTC(専門的歯面清掃)

やわらかいゴム製のカップを歯にあて、回転させて汚れを取ります。日常の歯磨きでは取り除けない、歯の表面にこびりついたバイオフィルム(細菌が作り出すぬめりのようなもの)などを落とすことができます。同時に、タバコのヤニや茶渋などの表面に付着した着色汚れも落ちます。

歯周病や虫歯のチェック

口の中の健康を守るために最も重要なのは、定期的に歯科検診を受けることです。歯科検診は、半年に一度程度の頻度で受けるようにしてください。

歯周病や虫歯は、早めに見つけることができれば、唾液の臭いが気になるほど重症化する前に治療を行うことができます。症状が気になる前に異変に気付けるよう、日頃から検診を受けておくことが大切です。

まとめ

今回は、「唾液の臭い」を改善・予防するために知っておきたいことを解説してきました。唾液は、口の中の状態を示す鏡のようなものです。唾液の臭いが気になる時は、何らかの異常が口の中に生じていると考えられます。今回ご紹介したような改善法を試し、口の中の健康を保ってくださいね。