仕事中、特にデスクワークの方は、ふと眠くなる瞬間がありませんか?お昼すぎなどは、思わず意識が飛んでしまった経験がある方もいるかもしれませんね。

そんな日のお昼休みなどに、昼寝をして睡魔を追いやっている方もいることでしょう。一方、昼寝しすぎて夜眠れなくなってしまい、また睡眠不足に…という悪循環に陥ってはいないでしょうか。本記事では、「昼寝」とその効果的な活用方法について解説します。

目次

どうして昼下がりに眠くなるの?

昼食を取り終わった後、午後2~3時頃までの間に眠気を感じる方は多いと思います。しかし、実は昼下がりの眠気は、食事や睡眠不足と関係なく、生体リズムによって生じていると考えられています。

つまり、午後2時~3時頃に眠くなるのは、ごく自然なことです。この眠気に無理に逆らおうとすることで、仕事の能率を下げてしまったり、何らかのミスを招いたりすることもあるので、これらを防ぐ意味合いでも昼寝は有効であるといえます。

午後に眠くてどうにも仕事にならないという方は、昼休みに短い睡眠の時間を取ってみてはいかがでしょうか。

昼寝で睡眠不足を解消できる?

夜間に必要な睡眠時間を確保できなかった場合も、昼間に仮眠を取ることで頭をスッキリさせることができ、その後の作業効率を上げることができます。

ただし、昼寝の時間が長すぎると、夜間の眠りが浅くなってしまい、かえって逆効果になってしまう場合があります。また、深い眠りから目覚めた直後は脳の働きが低下して、集中力が落ちたり、ボーッとしてしまったりと、その後の仕事の効率も落ちてしまう可能性があります。

日中の昼寝は睡眠不足を「解消する」ためのものではなく、あくまでその場の眠気を「やり過ごす」ためのものだと心得てください。

効果的な昼寝の4つのポイント

コーヒーを持って15時前に昼寝する男性

ここでは、日中の睡魔をやり過ごし、作業効率を上げるために有効な昼寝のポイントをご紹介します。

1.昼寝は15~20分に留め、30分以上は寝ない

睡眠は、浅い眠りから始まり、次第に深い眠りになる→また浅い眠りになる→また深い眠りに…というサイクルから成り立っています。

一般的に、眠り始めてから20~30分経つと、深い眠りに入っていきます。一度深い眠りに入ってしまうと「目覚めの悪さ(睡眠慣性)」が生じてしまうため、深い眠りに入る前に起きることをおすすめします。

2.昼寝の時間は、午後3時までに取ろう

昼食後から午後3時頃までに行う昼寝は、夜間の睡眠に影響を与えないとされています。

これより遅い時間に昼寝を行ってしまうと、夜間に眠気を感じてられなくなってしまうことがあり、かえって睡眠障害を引き起こす原因となるおそれがあります。昼寝の時間は午後3時までの15~20分と覚えておいてください。

3.すっきり目覚めるためには、昼寝の前に一工夫

そうは言っても、一度寝るとなかなか起きられなくて…という方は、昼寝に入る前にコーヒーや紅茶を飲んでおくと良いでしょう。

コーヒーや紅茶に含まれるカフェインには、覚醒効果(目が覚める効果)があります。カフェインが体内に吸収されるまでには20~30分かかるため、昼寝の前に摂取しておけば、ちょうど目が覚める頃にカフェインの覚醒効果が発揮されるというわけです。

4.昼寝は意識的に行おう

短時間の昼寝は、日中の集中力を回復する上で有効です。しかし「特にやることがない」「なんとなく眠いから、寝たいだけ寝よう」という長時間の昼寝は、夜間の睡眠に影響を与えてしまうためおすすめできません。

特に、睡眠不足にお悩みの方は「昼間にたくさん寝て、夜間の睡眠不足を解消しよう」と思ってしまいがちです。ところが、上記のような昼寝は夜間の眠りを浅くするため、悪循環を引き起こしてしまうのです。

短時間で起きられる自信がない方は適切な時間に鳴るようアラームを設定するなど、昼寝をコントロールするための工夫を行うと良いでしょう。

昼間の眠気があまりに強い場合は、医師に相談を

日中に、短時間の昼寝では解消されないような強い眠気が続く場合、何らかの睡眠障害が原因となっている可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群を始めとする睡眠を妨害する現象や、ナルコレプシーなどといった病気が隠れているかもしれないので、睡眠を専門とする医師に相談してみると良いでしょう。

まとめ

昼寝は、日中の眠気を解消して作業効率を上げる目的であれば非常に効果の高いものです。一方、睡眠不足の解消などを目的に長時間の昼寝を取ってしまうと、かえって逆効果になることもあります。

いつも午後の眠気に悩まされているという方は、仕事の合間に昼寝を取り入れてみてはいかがでしょうか?