子供の発熱はいつも急で、いきなり高熱を出すことも珍しくありません。そんな時に使いたいのが解熱剤です。

しかし、解熱剤を子供に使っていいのか、どのタイミングで使うべきなのか、あいまいな点が多い方もいらっしゃることでしょう。

ここでは、子供に使う解熱剤についてタイミングや薬の与え方などをお話ししたいと思います。

目次

子供に解熱剤は使える?

解熱剤は、一時的に熱を下げる目的で使われるお薬で、熱を下げてしんどさを軽減し、不必要な体力の消耗を防ぐ効果が期待されます。

子供にも解熱剤は使えますが、発熱したら必ず使うべきものというわけではありません。また、薬の種類や用法・用量は子供に合わせる必要があります。

解熱剤の種類

解熱剤には、アセトアミノフェンやジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸など、いくつか種類があります。この中で、アセトアミノフェンが子供の解熱鎮痛薬として一番に選択されています。

アセトアミノフェンは、粉薬やシロップ、坐薬、錠剤などの形で処方され、医師が必要と診断した場合なら新生児から使うことのできるお薬です。

一方、注意が必要な成分として、ジクロフェナクナトリウムは、インフルエンザにかかった場合は脳症を起こす可能性があるというデータがあります。

使うタイミングは?

熱が出ても焦らずに

子供が急に高熱を出したら、早く解熱剤を使わないと!と焦ってしまうかもしれませんが、実はこれは間違いです。

熱が出るのは、発熱により免疫力を高めて体内で病原体(ウイルス・細菌など)と戦っているために起こる反応ですので、熱を下げることでこの戦いの邪魔をしてしまうことがあります。

さらに、熱の出方で医師は原因となる病気を推測できることがあります。病院に行く前に解熱剤を使ってしまうことで、診断が難しくなることがあるため、すぐに病院に行ける場合には、解熱剤は医師の診察を受けてから使用すると良いでしょう。

解熱剤はこんな時に使おう

解熱剤を使うタイミングの目安として、

  • すぐに病院に行けない時
  • 子供が体力を消耗している時
  • しんどさや寝つきの悪さがある時
  • 食欲がない時

などに使うと良いでしょう。

熱が出ていても元気に遊んでおり、水分も食事も摂れているようなら、解熱剤は使わず様子を見ておきましょう。
この時、医師に処方された薬でも、無理に使い切る必要はありません。

用法・用量について

解熱剤の種類・用法・用量は、子供の体重や状態に合わせて医師が指示した内容を守ることが大切です。

解熱剤には、口から投薬するタイプと坐薬のタイプの2つがあります。どちらも解熱効果は同じですが、坐薬のほうが効果は比較的早く現れます。

解熱剤の効果は4~6時間のため、解熱剤を再度使う場合には5~6時間空けるようにしましょう。

解熱剤の与え方のコツ

解熱剤を与える際には、下記のポイントを押さえると与薬しやすいです。

坐薬の場合

子供を仰向けに寝かせて両足を持ち上げ、坐薬の尖ったほうから肛門に入れて4~5秒ほど押さえておきます。

薬が入りにくい場合には、坐薬の先端を水で少し濡らすか、肛門に押し当てて熱で少し溶けるのを待つなどすると入れやすいです。

坐薬は冷蔵庫などの冷所で保管するようにしましょう。

粉薬の場合

粉のままだと飲ませにくい場合、シロップで甘くする、服薬補助ゼリーや味の濃いアイスと一緒に飲む、飲み物や食べ物に混ぜる方法が効果的です。

内服する薬の種類によっては、一緒に飲むと効果が強くなったり弱くなったりするものがありますので、必ずお薬手帳やお薬の用法を確認しましょう。

まとめ

熱そのものは決して怖いものではありませんので、慌てて解熱剤を与えることのないようにしましょう。

熱が出ることで病原菌を倒すことができ、熱の出方を見ていくことで原因となる病気がなにか、診断がつきやすくなることもあるため、むやみに解熱剤を使うことはおすすめできません。

子供の状態を観察して、必要だと判断した場合のみ使用するようにしましょう。また、解熱剤で熱がもし下がったとしても、必ず病院を受診するようにしましょう。