糖質ダイエットが大流行しています。巷ではカロリーゼロ商品が影を潜め、代わりに糖質オフ商品が目立つようになりました。
とはいえ、カロリーによるダイエットは昔から行われていて安全だとも言われます。どちらがいいのでしょうか?
カロリーオフダイエットの考え方と特徴
最初にカロリーオフダイエットの特徴について調べてみましょう。
カロリーは「エネルギー」の単位ですので、エネルギーを産生できる栄養素を減らしてダイエットします。エネルギーを産生できる栄養素は「糖質(炭水化物)」「たんぱく質」「脂質(脂肪)」の3つなので、この3つを制限しようという考え方です。
ただし、たんぱく質を制限しようとすることは少なく、糖質または脂質を減らしてダイエットしようとすることが一般的です。
糖質とたんぱく質は1gあたり4キロカロリー、脂質は9キロカロリーのエネルギーを産生することができるため、「脂質」を制限しようという考え方も有名です。
糖質オフダイエットの考え方と特徴
糖質オフダイエットは「糖質」のみに注視すればよいため、何をすればよいか分かりやすいことがメリットだと言われています。
特に日本人の場合は、「主食」として米やパンなど「糖質」を多く含む食品を食べていますので、「主食を抜き(減らす)にすれば成り立つ」という一見、シンプルな図式です。そのため、一般の人にも実践しやすい上、実行すれば簡単に体重が下がるといわれています。
カロリーオフ、糖質オフ、どちらが有効?

このように聞くと、糖質オフのほうが簡単に下がるのであれば、糖質オフのほうが優位だと思われるかもしれません。実は、そうではありません。
例えば、外食などで、糖質オフのつもりで主食を抜きにしても、1人分のおかずの量が変わるわけではないので、結果的に糖質を減らしてカロリーオフになっているのです。
すなわち、カロリーオフでも糖質オフでも、考え方が違うだけで、やっていることは同じです。
糖質でカロリーを調節することが間違っているかといえば、そうではありません。実際に、糖尿病患者が行う糖尿病の食事療法でも、必要カロリーは主食である糖質で微調整することも少なくありません。
ですが、やっぱり糖質オフは分かりやすいので、しっかり糖質オフをすればいいのではないか?というのも、間違っています。
糖質を制限しすぎてしまうとエネルギー源が「たんぱく質」と「脂肪」の2ルートしか使えなくなってしまいます。
本来であれば、日本人は米、すなわち「糖質」からエネルギーを作り出すのが得意な遺伝子を持って生まれています。「たんぱく質」「脂肪」の2ルートだけでエネルギーをまかなおうとすると、消化・吸収など体内での代謝バランスが崩れてしまい、体重は下がったけれど病気にもなった、という事態を招きかねません。
本当にダイエットは必要ですか?
明らかに標準体重よりも体重過多の場合、ダイエットしたいと考えることはよいことです。
その場合、食事量は抑えても栄養のバランスは崩さないように配慮しながらダイエットすることが肝心です。
ただし、現在の日本人女性は各年代で「やせすぎ」の人の割合が増えてきているようです。明らかに肥満であればダイエットが必要ですが、やせているにもかかわらず、ダイエットする必要はありません。
「やせているほうが美しい」「体重は少ないほうがカッコイイ」など若干、過大評価しすぎな情報が蔓延しているようにも思います。
自分にとっての「適正体重」がどのくらいであるのかをしっかり見極めたうえで、ダイエットが必要かどうかを判断して健康的にダイエットして下さい。