体調を崩しているときだからこそ重要な栄養バランス。バランスを考えながら、さらに消化に良いメニューを考えるというのはなかなか大変なことです。いざというときのためにも、消化に良い食品や食べ方を知り、困ったときでも適切に対処できるようにしておきましょう。
どうして消化が良いものを食べた方が良いの?
消化に良いものとは、胃や腸などの消化器に負担を掛けない食べ物と言い換えられます。下痢や嘔吐の症状があるときは、消化吸収機能が低下しており、消化器自体もダメージを受けている状態です。
このような期間に消化の悪いものを食べると、かえって症状を悪化させたり、回復を遅くしたりする原因にもなります。そのため、症状が現れているときはもちろん、回復するまでの数日間もなるべく消化器に負担を掛けない食べ物を選ぶ必要があるのです。
また、消化器はストレスに敏感な器官でもあります。暴飲暴食、早食いなどの胃腸に負担をかけやすい食べ方だけではなく、喫煙やストレスといった生活習慣全体を見直す必要もあります。
消化器の症状と概要について
胃もたれ | みぞおちのあたりが張り重苦しく感じる。 胃酸の分泌量が減り、消化不良を起こしている。 |
胸焼け | 胸の前がジリジリ焼けるように感じる。 食道の炎症が主な原因。 |
吐き気 嘔吐 |
胸や胃あたりに不快感を感じる。 多くは胃腸の不調が主な原因だが、食中毒や乗り物酔い、 貧血、アレルギーなどによって起こることもある。 |
胃痛 | お腹のみぞおち付近に痛みを感じる。 もたれ感、膨満感、食欲不振、吐き気を伴うこともある。 |
腹痛 | 食中毒や盲腸、肝臓や膀胱などの臓器の疾患、 婦人科系の疾患など原因はさまざま。 |
下痢 | 水分が80%以上の液状や液状に近い便が排泄されること。 排便回数も増加する。腸が炎症状態にあり、 腸が刺激に敏感になって収縮が増したり 痙攣が起こったりする。ウイルスや細菌感染、冷え、 暴飲暴食などが主な原因となる。 |
消化に良い食事とは?
消化機能が低下していると、必要な栄養素が十分に吸収されにくくなっています。消化に良いというだけではなく、栄養バランスにも配慮しながら献立を立てるようにしましょう。主食(おかゆ)、主菜(肉や魚)、副菜(野菜)を選ぶことが基本ですが、食べやすいように煮込みうどんに具材を乗せたり、おかゆを雑炊に変えたりとそれぞれをまとめても良いでしょう。
食品
おかゆ、スープ、味噌汁、煮込みうどん、白身魚、鶏肉、半熟卵、豆腐、芋類、発酵食品、スポーツドリンクなど
調理法や食べ方
柔らかく煮る・蒸す・よく噛んで食べる
腹痛や胃痛が強い場合には、無理して食事を摂らなくても大丈夫です。吐き気や嘔吐がある場合も落ち着くまでは飲食しないようにし、イオン飲料などの水分補給から始めていきましょう。
粘膜の回復を助けるという意味では、山芋や大根に含まれているアミラーゼ、里芋やオクラに含まれているネバネバ成分は消化を助けて胃の負担を軽減してくれる成分もあります。おろしたり細かくしたりして食べると酵素の働きが活性化します。
また、キャベツに含まれているキャベジンには胃酸過多を抑えて粘膜の修復を促す作用があります。しっかり加熱してしまうと失活してしまうので、加熱調理をするときはサッと済ませましょう。
消化に悪い食事とは?
消化機能が低下しているときは、食品だけではなく、味付けの仕方や食べ物の温度にも配慮する必要があります。
食品
脂肪の多い食べ物(揚げ物、脂身の多い肉、炒め物)、食物繊維の多い食べ物(ごぼう、たけのこ、コーン、きのこ、こんにゃくなど)、刺激が強い食品(唐辛子、カレー、わさび)など、甘いお菓子や飲み物、炭酸飲料
調理法や食べ方
味付けの濃いものは消化に負担をかけるので基本的には薄味がおすすめです。また、熱すぎたり冷たすぎたりするものも胃腸に負担をかけてしまうので常温に近い温度が適しています。
胃に過度な刺激を与えてしまうと胃酸の分泌過多となり、不快感を伴う場合があるので気を付けましょう。
まとめ
消化器症状の原因はさまざまなものが挙げられるので、特定できないこともあります。予防の意味では、普段から健康的な生活を心がけ、ストレスを解消できる時間を確保することも大切です。消化の良いもの、消化の悪いものを知っておくと、いざという時に対処できるので、食べ方も併せて参考にしてみてくださいね。