ピザやパスタと聞くと太りそうなイメージが先行して、健康食といわれてもピンと来ない方も多いのではないでしょうか。しかし、地中海食は健康効果の高いオリーブオイルを使用することから糖尿病などの予防に効果が高いとして注目されています。地中海食をとり入れる食事のポイントや、健康効果について見ていきましょう。

目次

地中海食とはどんな食事のこと?

地中海食は、地中海沿岸の国々で食べられている食事のことをいいます。ギリシャやスペイン、イタリアなどの国がありますが、日本ではイタリアンが有名です。フランス料理と混同されることも多いですが、フランス料理は乳製品を多く使うのに対して、地中海料理はオリーブオイルやトマトをベースとしたシンプルな料理となっています。フレンチは足し算、イタリアンは引き算という表現がよく使われます。

地中海料理の特徴をまとめると次のようになります。

  • 野菜や果物が豊富
  • 魚を多く使う
  • 肉は控えめ
  • 油の基本はオリーブオイル
  • ナッツ、豆、未精製の穀物を多く使う
  • 赤ワインを適度に飲む

地中海食の具体的な健康効果

地中海食は、同じく健康食といわれる日本の和食とはスタイルが違いますが、どのような効果が期待できるのでしょうか。

循環器疾患のリスクを低下させる

肉類や乳製品は中性脂肪やコレステロールを上げやすい飽和脂肪酸が多く含まれますが、オリーブオイルに多く含まれているのは不飽和脂肪酸です。不飽和脂肪酸にはコレステロールを下げる効果が期待されており、脂質異常症や循環器疾患予防に効果が期待できます。

アンチエイジング

野菜や果物に含まれている成分で注目したいのが抗酸化作用を持つポリフェノールです。ポリフェノールには細胞にダメージを与える活性酸素の発生を抑えたり、増加を防いだりする効果が期待されています。ポリフェノールは美容面での老化予防に役立つだけではなく、ガンや生活習慣病の発症を抑える効果も期待されています。

血糖値の上昇を抑える

血糖値が高い状態が慢性的に続くと糖尿病へと進んでいきます。血糖値の上昇は、食事中のブドウ糖の量が関係しており、血糖値を上げやすい食品かどうかを示すものをGIと呼びます。GI値は高いほど血糖値を上げやすく、低いほど血糖値を上げにくいと判断します。地中海食の主食であるパスタは低GI値の食品であり、同じく地中海食によく使われる全粒粉などの精製していない穀類も同様です。このような理由によって、地中海食には糖尿病予防としての一面も期待されています。

和食文化を活かした地中海食のとり入れかた

地中海食には健康へのメリットがたくさんありますが、昔から食べてきた食事をいきなり変えるというのは難しいですし、そもそも今日から地中海食に変更しましょうというわけでもありません。

日本の和食という食文化も健康的なメリットはたくさんありますので、地中海食の良いところを上手に組み合わせて、より健康的な食生活を意識していけるとよいですね。

野菜をたっぷりとる

野菜は必ずしも生で食べる方が優れているというわけではありません。生野菜や加熱調理を組み合わせて、1日の目標量の350gをクリアできるように意識してみましょう。

果物は1日200gを目標に

日本では果物は嗜好品として捉えられることが多く、摂取量は少なめです。果物の摂取目安量は1日200gとされていますので、積極的にとり入れるようにしましょう。

主食を精製度の低いものに変える

精製度の低い穀物は、食物繊維やビタミン、ミネラルが多い傾向にあります。血糖値の上昇を抑えるという点だけではなく、さまざまな栄養成分の補給にも繋がりますので、少しずつでもとり入れてみてはいかがでしょうか。

油をオリーブオイルに

普段使っているサラダ油には必須脂肪酸のリノール酸が多く含まれています。必須脂肪酸というと摂らなくてはならないものと思いがちですが、リノール酸は加工品にも多く含まれているので過剰摂取の方が問題になっています。いつもの油をオリーブオイルに変えるだけなら簡単に始められそうですね。

まとめ

洋食とひとまとめにしてしまうと、どれも油が多く体にはよくないものと考えてしまいがちです。しかし、「地中海料理は健康効果が高い」と注目されているのは、オリーブオイルや青魚などの良質の油や、抗酸化作用のある食材を多く使用するためです。健康のためと思っても、同じメニューばかりでは楽しみも減ってしまいますので、美味しく健康的なメニューを広げて食生活を豊かに広げていきたいですね。