朝食を食べた方がよいとはわかっていても、食欲がわかなかったり、食べる時間が確保できなかったりすることもありますよね。まったく朝食をとらない、食べても果物や飲み物だけといった食事が習慣化するのは望ましいことではありません。朝食の欠食によってどのような問題が考えられるのか、またどのようなものを食べればよいのかを解説していきます。

目次

朝食の役割とは?食べないとどうなるの?

平成29年度の国民健康・栄養調査によると、20歳以上の全年代において男性では15.0%、女性では10.2%の割合で朝食の欠食が見られています。特に欠食率が高いのが男女共に20であり、男性が30.6%、女性では23.6%です。

20代は独身世帯が多く、朝食を用意してくれる人がいない、朝なかなか起きられないというような理由が背景にあるのかもしれません。60代以上では朝食の欠食率が大きく下がることからも、仕事の有無も大きく関係していると推察できます。

朝食を食べないことの何が問題なのかというと、まずは肥満や生活習慣病との関連性が高いという点です。また、食事回数が少なくなるとまとめ食いやドカ食いにつながり、体に栄養を溜め込もうとすることもあって太りやすくなるようです。同じエネルギーを摂取していても3回食と2回食では、2回食の方が太りやすいといえます。

また、朝食には次のような役割もあります。

  • 睡眠中に低下した体温を上げる
  • 排便を促す
  • 脳の働きを活性化する

朝食にはさまざまな役割があり、肥満や肥満からくる生活習慣病の予防にもなります。すぐに改善するのは難しいかもしれませんが、少しずつよい朝食習慣を身につけられるように努めましょう。

理想的な朝食とはどんなもの?

朝はパンとコーヒーだけ、フルーツやヨーグルトだけという人も多いですよね。忙しい時間のなかで、できる範囲で努力されているのは素晴らしいことですが、せっかくであればあと少しだけ工夫をして、バランスのよい朝食を目指してみましょう。

理想的な朝食

主食+主菜+副菜の揃った食事

主食…ごはん、パン、麺類など

主菜…焼き魚、ソーセージ、卵料理など

副菜…野菜サラダ、スープなど

この3種の料理が揃っていれば必要な栄養素はほぼまかなえます。必ずしも1つずつ分けなくてはいけないというわけではなく、それぞれを組み合わせて1つの料理にしても大丈夫です。

・パン+卵スープ

好きな味付けにしたスープに野菜と卵を入れれば、たんぱく質とビタミンミネラルがしっかりとれます。前の日に作り置きできるので、朝は温めるだけでもOKです。ご飯を主食にするなら味噌汁と合わせてもよいでしょう。

・サンドイッチ、ホットドック

お好きなパンにソーセージや卵サラダと一緒に野菜を挟めば、1品で必要な栄養素が全てカバーできます。ジャムやクリームなどの甘い味付けのパンは糖質に偏りがちになるので惣菜系のパンがおすすめです。

・どんぶり

具材を前の日に作り置きして、朝は炊いたご飯にのせるだけの状態にしておけば、忙しい朝でもしっかりとエネルギー補給のできるご飯食ができます。野菜も一緒に摂れるメニューを選びましょう。

朝食の習慣づくりに必要なことは?

いきなり朝食を食べましょうといっても、すぐに始めるのはなかなか難しいかもしれません。少しずつでよいので、徐々に習慣が身につくようにできることからはじめてみましょう。

夕食の時間を早める

食事が夜遅い、夜食を食べるなどの生活をしていると胃がもたれて朝は食欲がわかないかもしれません。特に脂質は消化に4〜5時間もかかるので、美味しく朝食を味わうためには夜遅くにこってりメニューを食べるのは控えた方がよいでしょう。

早寝早起きを心がける

ヒトの体には体内時計が備わっていますが、この体内時計は25時間となっており、1日の24時間とはズレています。朝日を浴びて朝食をとることでリセットされるので、朝早起きするためにも夜はなるべく早く寝ましょう。

ごはんスケジュールを立てる

毎日の生活に追われて献立を考える余裕はないかもしれませんが、体が資本です。夜の食事の準備をしているときでもよいので明日の朝に食べるものを考えて、取り分けたり作っておいたりすると便利ですよ。

まとめ

習慣は一度身に付いてしまうとあとから変えるのはなかなか難しいです。特に子供のうちから朝食を食べない習慣がつくと自分にとってそれが当たり前になってしまいます。生活習慣予防、脳の活性化、そして1日を活力的に動くためにも、少しずつバランスのよい朝食をとれるように努めていきましょう。