薬局や薬店で風邪薬を買おうとすると、あまりの種類の多さに迷ってしまうことがありませんか?薬剤師や登録販売者に十分相談できる状況ならいいですが、自分が急いでたりお店が混んでいたりすると、そうもいかないですよね。

近年、咳や鼻水といったそれぞれの症状に特化した風邪薬が増えてきています。そこで今回は、市販の感冒薬について、代表的な成分とその特徴、さらに実際の製品をいくつかご紹介します。

目次

総合感冒薬の代表的な成分と効果、服用時の注意(禁忌)

下記の表では、総合感冒薬によく含まれる成分について、薬効毎に分類しています。成分名と特徴およびその注意、医療用医薬品に含まれている成分については飲み合わせを避けるべき薬と、服用してはいけないとされている人についても解説しています。タップまたはクリックで拡大してご覧ください。

※禁忌は一部抜粋

総合感冒薬の代表的な成分と効果、服用時の注意(禁忌)

出典:厚生労働省|一般用医薬品リスク程度評価かぜ薬(内用) を元にいしゃまち編集部が作成

薬の山

各メーカーのかぜ薬の成分一覧

それでは、次に市販薬について紹介します。

市販薬の一部について、商品名と成分含有量(成人(15歳以上)1日量)を表にしました。こちらの図も、タップまたはクリックで拡大してご覧ください。

市販の総合感冒薬一覧

      出典:各メーカーのHPを元に、いしゃまち編集部が作成

年齢によって選択肢が変わる

風邪薬に限らず、服用できる薬の選択肢は、年齢によって異なります。例えばパブロンSは、1歳から服用が可能ですが、パブロンエースAXは15歳以上のみが服用できます(上図参照)。7歳以上になると半分以上の薬を、15歳以上になるとほぼ全ての薬を服用することが可能になります。

薬によって服用可能年齢が異なるのは、小児や乳児への使用が認められていない成分が含まれている場合があるためです。規定の年齢に達していないお子さんに自己判断で薬を与えることは絶対にしないでください。

特徴的な成分は?

上の表を見ると、最近の風邪薬には、従来は医療用医薬品にしか含まれていなかった成分が使われていることが分かります。いくつかピックアップしてご紹介します。

トラネキサム酸

炎症を抑える成分で、のどの腫れがあるときなどに処方されることがあります。医療用医薬品では750mg〜2,000mgで処方されますが、市販薬は1日最大750mgが用量となっています。

同じく炎症を抑える効果を持つ成分に塩化リゾチームがありますが、こちらは卵白アレルギーの方は服用することができません。ですので、卵アレルギーの方が抗炎症効果を期待する場合は、トラネキサム酸を含有する薬が良いでしょう。

該当製品(一例)

  • 1日420mg:ベンザブロックSプラス、新ルルAゴールドDX、 新コルゲンコーワかぜ薬
  • 1日750mg :ルルアタックEX、コルゲンコーワIB錠TX

Lカルボシステイン

Lカルボシステインは、痰をとる効果のある成分です。痰の量が多く、あまり粘り気がない場合に用いられます。副鼻腔炎で使用されることもあります。

医療用医薬品では1日に1,500mgが常用量になります。750mgは半量になります。

該当製品

  • ベンザブロックLプラス

アンブロキソール

こちらも、痰をとる効果を持つ成分です。痰が気道に付着するのを防ぎ、痰の排出を促します。

アンブロキソールの1日量45mgは、医療用医薬品の常用量と同じです。

該当製品

  • パブロンエースAX
  • エスタックイブファイン

ブロムヘキシン塩酸塩

優れた去痰効果を持つ成分です。医療用医薬品の常用量は、1日量12mgです。

該当製品

  • 1日12mg:パブロンS、パブロンSゴールド、新ルルA ゴールドDX、ルルアタックEX
  • 1日8mg:新コンタックかぜ総合(1日2回服用タイプ)

1週間程度で改善がなければ医療機関を受診してください

今回ご紹介した風邪薬は、市販薬のほんの一部です。それでもたくさんの種類があることを分かっていただけたかと思います。今回ご紹介できなかった薬についてはぜひ、薬局や薬店で実際に確認してみてください。

風邪薬は、様々な症状を和らげる目的で使用します。風邪を根本的に治すための薬ではありません。使用しすぎるとかえって治癒を遅らせることもあるので、必ず用法・容量を守って服用しましょう。

また、1週間程度服用しても症状に変化がない場合、風邪以外の病気を患っている可能性もあります。医療機関を受診するようにしてください。