食中毒は飲食店だけでなく、家庭でも発生しています。
料理の前は手を洗う、食材はしっかり熱を加える、など徹底していますか?
普段当たり前にしていることから食中毒が起きることもあります。食中毒を起こさないために、家庭での食事作りを見直しましょう。
今回は、家庭でできる食中毒を予防するポイントを6つご紹介します。
細菌やウイルスが付きやすい場所
細菌やウイルスは目にみえませんが、食材や自分の手についています。手や指に傷がある場合には特に、細菌がつきやすいです。
- 肉
- 魚
- 自分の手
- 食器用スポンジ
- ふきん
- シンク
- まな板
食中毒予防の3原則
食中毒の約9割は細菌やウイルスによるものです。
3原則を守って食中毒を防ぎましょう。
付けない
食中毒菌は目に見えなくても、肉、魚や野菜などの食材についていることがあります。
食中毒菌が手や調理器具を通じて他の食品を汚染しないように気をつけましょう。
- 手を石けんでよく洗う
- 魚、野菜など水で洗える食材は丁寧に洗う
- 手や指に傷があるときは必ず手袋をして調理をする
- おにぎりをにぎる時は素手ではなくラップなどを使う
- 調理器具や食器は消毒した清潔なものを使う
- まな板は加熱用(肉、魚など)とそうでないもの(生野菜など)と分ける
増やさない
食中毒菌は調理してから長い時間置くと菌が増殖しやすくなります。
作ったら早めに食べるようにしましょう。
- 保存するときは、冷蔵庫や冷凍庫を使う
- 冷蔵庫に温かいものをいれない
- 冷蔵庫に長時間放置しない
やっつける
加熱によって菌をなくすために、食品を調理する時は、中心部までしっかり加熱しましょう。
- 食品の中心温度が75度以上の状態で1分間の熱を加える
- ノロウイルス対策は、食品の中心温度が85度以上になるように加熱する
- 調理済みの食品を再加熱するときは、再度75度以上になるように熱を加える
- 肉類や魚介類を扱った調理器具は、熱湯や塩素系漂泊剤などで消毒、殺菌をして十分に乾燥させる
※2016年11月の頭には、冷凍食品のメンチカツからO-157が検出されたというニュースがありました。この原因の一つとしても、加熱不足が考えられます。中心部までしっかりと加熱することは、食中毒を防ぐうえで非常に重要です。
食中毒予防には正しい手洗い
食中毒を防ぐために正しい手洗いの習慣を身につけましょう。
手を介して菌やウイルスが他のものに付くことを防ぎます。
- 水で手を濡らして両手で石けんを泡だてる
- 手のひら全体をこすりあわせる
- 手のこうを洗う
- 指と指を組むようにして指の間を洗う
- 親指を洗う(反対の手のひらで包むように)
- 指先と爪の間を洗う(反対の手のひらでひっかくように)
- 手首を洗う(反対の手のひらで軽く握るように)
- 流水で泡を洗い流す
- 清潔なタオルで水をふく
家庭で食中毒を防ぐ6つのポイント

食事を作るときの手順を6つに分けて、食中毒を防ぐポイントを解説します。
食中毒予防の3原則を守りながら、食品を扱うようにしましょう。
食品の購入
- 鮮度を確かめて新鮮なものを選ぶ
- 肉類や魚介類は汁が漏れないように、ビニールなどに包んで持ち帰る
- 消費期限や賞味期限を確認する
- 冷蔵や冷凍が必要な食品は、買い物の最後に購入してできるだけ早く持ち帰る
家庭での保存
- 冷蔵や冷凍が必要な食品は、持ち帰ったらすぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れる
- 冷蔵庫内はすき間を作り、詰め込み過ぎないようにする
- 冷蔵庫、冷凍庫の開閉をなるべく控えて庫内の温度の上昇を防ぐ
下準備
- 調理前に手を洗う
- 肉類、魚介類、鶏卵を扱った後は手を洗う
- 肉類などを切った包丁やまな板で、生で食べる野菜などを調理しない
- 冷凍食品の解凍は冷蔵庫で行う
- 冷凍食品の解凍は食べる分だけにして、解凍したらすぐに食べる
- 解凍や冷凍を繰り返すと食中毒菌が増殖することがあるので気をつける
- 調理器具やふきんなどは使った後、洗剤と流水ですぐに洗う
- ふきんは洗った後に熱湯で煮沸したり、漂白剤で一晩つけて安全性を高める
調理
- 下準備で汚れた調理台や流しを清潔にする
- タオルやふきんは乾いた清潔なものにとりかえる
- 手を石けんで洗う
- 加熱調理をするときは、中心部までしっかり加熱する
- 85度で1分間以上熱を加えることで、食中毒菌やウイルスを死滅させる
- 調理をやめたときや、調理が終わった食品を室温に放置しない
- 再調理をするときは、必ず十分に加熱する
- 電子レンジを使うときは、時々かき混ぜるなどして食品全体に熱が加わるようにする
食事
- 食事の前には必ず手を洗う
- 盛り付けや配膳は清潔な手で行う
- 温かい料理は常に温かく(65度以上)、冷たい料理は常に冷たい状態(10度以下)で保つ
- 調理前や後の料理は室温で放置しない
残った食品
- 残った食品を扱う前に手を洗う
- 清潔な容器に保存する
- 残った食品を温めなおすときは、中心部が85度以上になるように十分に加熱する
- 冷蔵庫や冷凍庫に保存するときは、早く温度が下がるように浅い容器に小さく分けて保存する
- 調理してから時間がたった料理は思い切って捨てる
まとめ
食中毒を防ぐために、「付けない」「増やさない」「やっつける」を徹底しましょう。
基本は正しい手洗いです。手洗いの習慣を身につけて菌が体内に入るのを予防しましょう。
食品は清潔な環境で調理し、中心部までよく加熱することが大切です。また、少しでもおかしいと感じたら食べないで捨てる勇気も必要です。