昼夜を問わず一日に何度もトイレに行く頻尿は、生活する上で大きなストレスを感じます。頻尿は様々な疾患が原因となるケースが多いです。基本的には原因となる疾患を治療していきます。また尿の量を意識したり、飲む量を制限したりするなど自分で取り組むこともできます。今回は頻尿の治療や対策について紹介していきたいと思います。

目次

頻尿の原因と治療

頻尿の治療・対策を考えるとき、重要となるのは原因です。原因には尿がしたくなって我慢できなくなる過活動膀胱や、尿道を圧迫して残尿感をきたす前立腺肥大症膀胱炎糖尿病心因性多飲症など様々です。詳しくは「頻尿と、その7つの原因とは。病気が潜む恐れも」の記事を参照してください。

疾患の治療は薬物もしくは手術で行います。薬物療法では前立腺肥大症に対してαブロッカー、膀胱炎には抗菌薬、過活動膀胱では抗コリン薬やβ3作動薬といったものが使われます。糖尿病では生活習慣の見直し、また心因性多飲症は精神面の影響を受けているため精神科を受診する必要があります。

自分でできる頻尿対策

水

急に強く尿意を催す(尿意切迫感)、頻尿、切迫性尿失禁(尿意を我慢できずトイレに行く前に尿が漏れてしまう)といった症状がある方は、過活動膀胱の恐れがあります。過活動膀胱では薬物や手術療法以外にも、自分で行える対策があります。また尿漏れを防ぐ訓練が頻尿の対策につながることもあります。有効な対策は膀胱訓練や骨盤底筋訓練などの行動療法飲水制限です。

膀胱訓練

尿を貯留しておく膀胱の容量が減っている、あるいは容量が正常でも膀胱の知覚が過敏な人は、すぐに尿意を感じてしまい何度もトイレに行きたくなります。この状態は元々膀胱の容量が小さい方だけではなく、放射線治療や妊娠、腫瘍で膀胱が圧迫されている人にもみられます。

このような原因で頻尿になっている方には、膀胱訓練という方法が有効です。膀胱訓練は計画的に排尿を我慢することで膀胱に溜まる尿量を少しずつ増やしていくものです。

まずは計量カップに尿を採取し、普段の排尿量を把握します。そして毎回尿量を把握し、トイレに行く間隔を延ばしていくことで尿量を多くしていきます。このとき飲む水分量を極端に制限してはいけません。

飲水制限

その名の通り、水分を摂取する量を調節します。このとき、塩辛い味付けなど水分を欲しやすい食事を避けましょう。

骨盤底筋訓練

骨盤底筋訓練は、尿漏れがみられたときに行うトレーニングです。子宮脱など骨盤臓器脱がある方も行います。骨盤底筋といわれる膣や肛門、尿道などの筋肉を鍛えていきます。女性だけでなく、男性にも効果があるとされています。

回数、時間など訓練の詳細は特に決まったものはありません。重要なのは鍛える筋肉の部分を意識しながら締めたり(収縮)、緩めたり(弛緩)を繰り返すことです。また初めは仰向けに寝た姿勢から行い、慣れてきたら座った状態や立った状態でも取り組むと良いでしょう。

まとめ

頻尿の症状がみられてその原因に疾患が潜んでいる場合は、まずは疾患に合わせた治療を行っていきます。また原因に膀胱容量の減少や過活動膀胱が挙げられる場合は、様々な訓練で改善を図っていきます。訓練には膀胱訓練や飲水制限と骨盤底筋訓練があるので、意識して取り組んでみましょう。