ご自宅の救急箱、中身はそろってますか?
最近は休日や夜間でも空いている薬局やドラッグストアも増え、場合によってはコンビニにも衛生用品が置いてあるので自宅に救急箱は置いてないという人も多いかと思われます。でも、いざ具合が悪いとき、もし一人きりだったら買いに行けるでしょうか?
万が一のけがや発熱などの応急措置に対応するためにも、あらかじめ必要なくすりや衛生用品を常備しておきましょう。
また、薬には使用期限があります。最低でも1年に1回は定期的に中身をチェックしましょう。
内服薬
内服薬は、最低でも以下のものをそろえておくといいでしょう。
総合感冒薬
家族構成によって置く薬を変えます。お子様もいる場合は子供から飲めるような風邪薬にするか、子供用と大人用の2種類を用意しましょう。
解熱鎮痛剤
用意するのであれば「成分:アセトアミノフェン(商品名:タイレノールやラックルなど)」という、お子様から大人まで飲める薬を準備するのがよいでしょう。この薬は、バファリンやロキソニン等の非ステロイド性解熱鎮痛薬に比べるとそこまで解熱鎮痛作用が強くないといわれます。しかし、「高熱で病院に行く前に飲ませたらインフルエンザだった」というときでもほぼ問題にならない薬は、アセトアミノフェンだけなのです。
胃腸薬酔い止め
消化剤や下痢止めなど、家族構成によっては子供から大人まで飲めるものをそろえておくとよいでしょう。万能的な胃薬を1つ求めるのであれば、薬局で相談して希望に一番近いものを探すとよいでしょう。その際は「1種類でなんでもカバーできるような常備薬にできる胃薬がほしい」と伝えてください。
下痢止めや整腸剤については、お子様でも飲めるような使いやすいものが良いでしょう。
ただし下痢止めの使用は、冷えや暴飲暴食など原因がはっきりしている場合以外使用は控えた方が良いでしょう。原因が菌やウイルスがのときには症状悪化の原因になるため、原則として止瀉薬(ししゃやく:下痢止めの薬)は使用しません。脱水にならないように水分をしっかり補給しましょう。嘔吐を伴い、症状が重いようであればすぐ病院へいくことが大切です。詳しくは「つらい下痢への応急処置や治療法とは」をご覧ください。
酔い止めについては、家族に乗り物酔いを起こすような人がいる場合、常に1箱あるといざというとき便利です。
外用剤
消毒薬消毒用アルコールオキシドール(なくてもいいです)
怪我をした時に、傷口を消毒するためのものです。
しかし現在、傷は消毒をすると治りが遅くなるだけでなく、かえって悪い雑菌を繁殖させるともいわれています。そのため、現在の創傷治療では、傷は水道水でしっかりと丁寧に洗い、ドレッシング剤と呼ばれる被覆材(市販だとキズパワーパッド等)を用いて消毒はせず傷を乾かさないのが一般的です。消毒用アルコールは、災害時、手指の消毒などにも使用できるのであってもよいでしょう。
詳しくは、「擦り傷・切り傷、正しい処置を知っていますか?」をご覧ください。
点眼薬
点眼薬には、疲れ目から充血まで対応するタイプや、涙の成分に近いものもあります。涙の成分に近いもので防腐剤が含まれていないもの(ソフトサンティアなどの商品があります)は、特に異物が目に入った時の目の洗浄にも適していると言われているので用意しておくといいでしょう。防腐剤を含まない点眼薬は使用期限が短いので、こまめに確認してくださいね。
湿布薬
打ち身や捻挫に冷感タイプの湿布を使用します。インドメタシンなどの非ステロイド生消炎鎮痛剤の入ってるタイプは、妊婦の方への使用が時期によっては禁止されています。そういう成分の入っていないものと、2タイプ用意しておくといいかもしれません。
塗り薬
虫刺され用、あせも・湿疹など用、傷の化膿止めを用意しておくといいでしょう。
虫刺されに関しては、お子様がいる家庭ではパッチタイプを用意しておくと掻き壊すリスクが減ってよいかもしれません。
衛生材料その他

以下のようなものを救急箱の中に常備しておくと良いでしょう。
- 体温計
- 絆創膏
- 創傷被覆材(キズパワーパッドなど)
- 包帯
- テープ(包帯を止める時等に使用)
- はさみ
- ピンセット
- 毛抜き
- 氷枕
- 滅菌ガーゼ(止血等で使用)
- ストッキング
一人暮らしや結婚などで新しい生活を始めた時など、意外に持ってないのが「体温計」です。今は、薬局だけでなくコンビニでも売っているので用意しておきましょう。
また、お勧めなのが「ストッキング」の活用です。湿布薬を貼った時に剥がれ防止に切って使うと、包帯よりも簡単かつ圧迫しすぎず柔らかく押えがききます。一人でも使いやすいのが特徴です。実際に、包帯代わりとして災害時にも有用とされています。コンビニにも売っていますので一つ用意しておくとよいでしょう。
置き薬のサービスを頼む
お薬を選ぶのは難しいという方には、置き薬を頼むという手もあります。近所に薬局などがなかったり、なかなか買いに行くことのできない家庭ではおすすめでしょう。この場合だと、開封したものだけ支払いをして、定期的に入れ替えてくれるので安心です。ただし、間違って開封した場合は支払いが発生するのでご注意ください。
最後に
救急箱は、いざという時にしか見ないものです。
新生活を始めた時など、家人が発熱して初めて体温計がないことに気づき、買いに走り回った記憶が自分にもありますし、そういう方に何度かお目にかかったこともあります。
これを機会に確認をしておきましょう。また、1年に1回、中身をチェックするのもお忘れなく。