突然下痢になってしまった時、どう対処しているでしょうか。「早く治したい」と、何が原因か考える前に市販薬を飲んだりしていませんか?でももしかしたらその対応は、間違っているかもしれません。下痢は早く何とかしたい症状のはずですが、間違った対応をしないよう、下痢の応急処置や病院で受ける治療や予防法などについてご紹介していきます。
下痢の応急処置の仕方
下痢止めの薬は薬局などで手軽に購入できるため、置き薬として救急箱に入れている家も多いかもしれません。暴飲暴食などが原因だとはっきりわかっている場合は、市販薬でも対処することができますが、はっきりと原因がわからない場合、すぐに薬を飲むのは良くない場合があります。
食中毒を起こす細菌やウイルスの中には、身体の中に毒素を作るタイプがあります。そんな時には早く身体から毒素を追い出す必要があるのです。下痢は困った症状ですが、身体を守るための反応でもあります。薬で無理に下痢を止めると悪化することもあるため、注意しましょう。
また脱水症状を起こす危険があるほど重症の下痢なら、すぐに病院へ行かなければいけません。家で薬を飲んで様子を見て良いのは、暴飲暴食の時くらいと思っておきましょう。
下痢の応急処置
- お腹を温め、脱水症状を起こさないよう水分をしっかり摂る
- 下痢止めは飲まず、しばらく様子を見る
こんな症状があれば病院へ行きましょう
病院で受ける下痢の治療について
病院では早期に原因を突き止め、治療を始めなければいけません。そのため、次のことを医師に伝えるようにしましょう。
- いつから下痢が始まったか
- 下痢以外の症状(吐き気や嘔吐、腹痛、血便など)
- 水を飲むことができるか否か
- 1日に何回トイレに行っている状態か
- 便の状態(水っぽい、脂肪が多くぎらついた感じなど)
- 便の色(出血の有無、白色)
- 1~2日間くらいに食べた物(アレルギーがあるものがわかれば伝える)
- 他に症状が出ている人がいないか
- 海外に旅行に行っていなかったか
- 市販薬などを飲んだか
臨床症状、検査結果などをもとに入院の是非が判断されます。特に口からの水分摂取ができない場合、出血が見られる場合には入院を必要とすることが多いでしょう。
急性の場合脱水を起こしている事が多く、点滴処置が行われます。また、食中毒などの場合は検出された細菌に対して抗生剤が使用されます。細菌の検出までには時間がかかるため、病状から疑わしい菌を推定して抗生剤による治療が開始されます。ウイルスによる食中毒は抗生剤が無効なため、嘔吐や頭痛などがあればそれに対応する薬剤が使われます。
暴飲暴食やアルコールの飲み過ぎなどによる下痢の場合、1~2日で改善します。その間の食事はうどんやおかゆ、雑炊などの消化の良いものを食べ、甘い物や生もの、辛いものやコーヒーといった刺激物、脂肪の多い食品は避けましょう。
慢性の下痢では、慢性膵炎や過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、癌などの治療を行う事になります。
急性下痢の予防法は?
- 消化吸収を妨害する暴飲暴食をしない
- 水分や脂肪などが吸収されにくくなり下痢になるので、アルコールを飲み過ぎない
- アレルギーがあるものは身体が異物と認識し、下痢を起こして追い出そうとするため食べない
- 甘いもの(人工甘味料を含む)は腸に水分を溜めやすいため食べ過ぎない
- 食中毒を起こさないよう、食品の管理や調理法に注意する
- 手洗いやうがいなどの習慣をつける
- ストレスを解消できる方法を探す
- 海外旅行をする時は衛生状態を確認し、食べ慣れないものを食べ過ぎない
まとめ
下痢になると、身体から水分が大量に失われてしまいます。ですが、水分を摂るともっと便が緩くなるから…と誤認し、水分を摂らずにいた結果重度の脱水症状になる人がいます。特に高齢者や乳幼児は脱水になりやすく、口から水分を取れない場合にはできるだけ早く医療機関を受診しましょう。まずはしっかり水分が摂れるようにしましょう。脱水にはスポーツドリンクより適している「OS -1」などの経口補水液などが販売されていますので、利用してください。
また、何らかの病気が隠れていることもあるので、症状が続いている場合にはなるべく早く医療機関を受診するようにしましょう。