ウイルス性のイボは一種の感染症であり、治療しなくても免疫の力で自然に治ることもあります。しかし、治るまでの間にイボが増えたり、ほかの人にうつしてしまうこともあるため、そうなる前に適切な治療を行うことも大切です。治療にはさまざまな方法があり、病院だけではなく自宅でできる治療法もあります。

イボの種類や原因については「イボは放っておいても大丈夫?種類と原因」に詳しくまとめていますので、ご参照ください。

目次

イボを治療するうえで理解しておくこと

イボは種類やできた部位によって治りにくいものや、治るのに時間を必要とするものがあります。基本的に一度の治療で治るイボは少なく、治療には、長ければ数年かかることもあります

治りにくく再発しやすいイボですが、神経質になりすぎることなく、医師とともに治療を続けていきましょう。

病院でする治療法とは?

医師

イボの治療は、基本的に皮膚科で行います。イボは、見た目はタコやウオノメと似ていますが、タコ・ウオノメのように患部を削るとかえって症状を悪化させてしまうので気をつけてください。

現状、イボに有効な特効薬は存在しません。複数の治療法の中から、患者さんに適した方法を選んでいきます。ここからは、一般的に病院で行われる治療法を紹介します。

1.ウイルス性疣贅の治療

液体窒素凍結療法

保険が適用され、最も多く用いられる治療法です。マイナス196度の液体窒素を綿球に含ませ、患部に当てて患部を冷却・凍結させます。この方法は治療中や治療後に痛みを感じることがあります。

完全に治るまで何度も繰り返さなければならず、時間がかかることが多いですが、最も確実な方法として知られています。

電気焼灼法

局所麻酔を行った上で、電気メスでイボを焼灼する方法です。保険適用ではなく、自費診療となります。

外用薬

グルタルアルデヒドという殺菌消毒剤を用いて治療を行う場合もあります。こちらも保険が効かず自費診療となるため、医師の説明を聞き、納得した上で治療を受けるようにしましょう。

内服薬

ヨクイニンという漢方を内服することでも、イボの治療を行うことができます。ハトムギから作られた漢方で、抗ウイルス・抗腫瘍効果を持っています。長期間の服用が必要となることもありますが、小さなイボであれば、数週間の内服でよくなることもあります。

液体窒素凍結療法と併用されることも多い薬です。

2.ミズイボの治療

ピンセットでの除去法

ミズイボの治療で最も多く行われる治療法です。痛みに耐えられないような場合には事前に麻酔のテープを貼り、しびれている間にミズイボをピンセットで1つずつつまんで除去していきます。麻酔をしていても痛みを感じることもあります。また、一度にすべてを除去できないことや再発することもあり、何度も処置を必要とする場合があります。

子どもに多いミズイボですが、治療方針は皮膚科医の考えによります。なにもしないで自然治癒を待つという医師も多くいます

3.老人性イボの治療

老人性イボはウイルス性ではないため感染の心配はありません。老人性イボであれば放っておいても問題ありませんが、悪性黒色腫などの皮膚がんの可能性もあるため、気になる場合は病院で診断してもらいましょう

また、老人性イボであっても大きさや出来た部位、美容面で気になる場合は、液体窒素凍結法、炭酸ガスレーザー、電気焼灼法など、手術での切除などの治療が行われます。

自宅でできる治療法とは?

イボ 家

なかなか病院に行くことができないときは、市販薬をつかって治療をする方法もあります。

商品名「イボコロリ」(横山製薬)

サリチル酸という有効成分が配合されています。イボができている部分をサリチル酸によって腐食させる効果があります。

塗り薬、絆創膏、飲み薬が販売されています。

商品名「スピール膏」(ニチバン)

「イボコロリ」と同じく、有効成分のサリチル酸が配合されています。

塗り薬、絆創膏が販売されています。

商品名「ヨクイニン」

さまざまなメーカーから販売されています。効果は病院で処方されるものと同じです。錠剤や粉末といった剤形があります。

市販薬を使って効果がみられなかったり、悪化したりする場合には必ず皮膚科を受診してください。イボは、他の皮膚病と見分けがつきづらい場合も少なくないので注意が必要です。

まとめ

イボは命にかかわる病気ではありませんが、放置をしているとほかの人にうつしてしまったり、どんどん増えてしまったりすることがあります。現在のところ特効薬はなく、治療には時間がかかったり、痛みがともなったりする場合もあります。しかし、あきらめずに根気強く続けることで完治させることができます。さまざまな治療法がありますので、気になっている方は皮膚科に行って相談してくださいね。