現代人は目を酷使しているとよくいわれますが、日常生活の中でまぶたが重くて目が開かないという経験をしたことがある人は案外多いのではないでしょうか。この「まぶたが重い」という症状について、医師・安倍 勇先生による監修記事でその原因を見ていきましょう。

目次

まぶたが重いってどんな症状?

 

「まぶたが重い」といっても本当にまぶたが重くて目が開かないということはほとんどなく、どちらかと言うと「まぶたが重い様な感じがする」という方が正しいかもしれません。また「目が重い」「まぶたが腫れぼったい」「目を開けるのがおっくうだ」という表現をする人もいます。

重いだけならばしばらく様子を見ていても大事に至ることはありませんが、実際に目が開かないという時は他の病気の可能性もありますので、放っておかないで病院を受診するようにしましょう。

まぶたが重くなる原因

 

ではまぶたが重くなる原因としてはどのようなものがあるのでしょうか。

眼瞼下垂

眼瞼下垂は、上まぶたが下がってくるためにまぶたが重く感じたり、目が開きにくくなったりする病気です。

上方の視界が制限され、無意識に眉毛を上げてまぶたを開こうとするため、頭痛や肩こりなどの症状を起こすことがあります。

眼精疲労

眼精疲労は日常生活での目の酷使や、度数の合っていない眼鏡やコンタクトレンズの使用、老眼、ストレスなどが原因ですまぶたが重い・しょぼしょぼする・かすむなど目の不調が出てきます。症状がひどくなると、肩こりや頭痛など、目以外の部位に症状が現れる場合もあります。

ドライアイ

目の表面の涙が蒸発し乾燥を引き起こすドライアイは、まぶたが重いという症状以外にも目の異物感や痛み・疲れ目など様々な症状を引き起こします。パソコンなどの近くを見つめる作業やエアコン・湿度だけではなく、ストレスやコンタクトレンズが原因となる場合もあります。また、シェーグレン症候群では涙の分泌量が減少するため、ドライアイの症状が強く出ます。

まぶたが重いという症状は、上記のどれにも起こる症状です。他に重症筋無力症など治療が必要なものもありますので、症状が続く場合は眼科を受診し原因を調べてもらいましょう。

目以外が原因の場合も

目を閉じる女性

 

「眼瞼けいれん」という症状は、まぶたがピクピクとけいれんするものと思われがちです。しかし実は、片方の目の周りや頬・口の周りがピクピクするのは「顔面けいれん(片側顔面けいれん)」です。眼瞼けいれんでは必ずしもまぶたがピクピクするわけではなく、不必要な瞬きが増える・自由に目を開けることができない・まぶたが重いなどの症状があります。

さらに自律神経失調症でも、まぶたが重いなど目に症状が出ることがあります。

このように、まぶたが重いという症状は神経内科に関する病気でも起こる可能性があるということを覚えておきましょう。

まとめ

まぶたが重いという症状は「ただの疲れ目かな」「そのうち治るだろう」と軽く考えがちですが、ひどくなると日常生活にも支障が出てきてしまうこともあります。痛みなどがなくても何となく変だなと思う症状が長引く場合は、念のために病院を受診するようにしましょう。