乗り物に酔いやすい、という悩みを抱えている方は少なくないのではないかと思います。楽しいはずの旅行や外出も、乗り物酔いしまうと十分に楽しめませんよね。今回は乗り物酔いのメカニズムと、症状を予防したり軽くしたりする方法をご紹介します。
乗り物酔いとは?
乗り物の種類により船酔い、車酔い、飛行機酔いなどと言われる乗り物酔いは、「動揺病」や「加速度病」とも言われる一時的な自律神経失調症の一種です。
自律神経失調症はストレスなどにより交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、さまざまな症状が起こる状態です。
乗り物酔いをした経験があると、その記憶がストレスとなって乗り物酔いを起こすことがあります。
脳の働きが不完全な4歳未満の乳幼児と、脳の老化が始まる高齢者は乗り物酔いを起こしにくいようです。
乗り物酔いの症状は?
乗り物酔いの代表的な症状には、以下のようなものがあります。
- 顔面蒼白
- 悪心
- 嘔吐
- 冷や汗
- 胃の運動低下
- 唾液の量の増加
- あくびの増加
- 脈拍数の増加あるいは低下
- 血圧の増加あるいは低下
乗り物酔いのメカニズムは?
乗り物酔いの原因は、耳の奥にある「前庭」「半規管」という器官(身体の傾きを察知し平衡感覚をつかさどる役割があります)へといろいろな刺激が何度も加えられることにより、自律神経に異常が起こることだと考えられています。
乗り物の加速や振動のほか、不安やストレスなどの精神的な要因や視覚的な刺激、においなどの嗅覚も乗り物酔いに関係していると言われています。そのため、加速や振動以外の精神的な要因や視覚、嗅覚に対する刺激への対策も必要となります。
乗り物酔いを防ぐ7つのポイント
乗り物酔いは、いくつかの対策によって予防することが可能です。ここでは、7つの予防方法を紹介します。
1.前日によく睡眠をとる
睡眠不足は体調不良を招き、自律神経の乱れの原因となります。前日はしっかりと睡眠を取るようにしましょう、
2.食事を工夫する
胃に負担がかかると吐き気の原因になります。乗り物に乗る前日や当日は、脂っこいものやお腹が張るようなものを食べるのは控えると良いでしょう。
3.乗り物では進行方向を向いた席に座る
進行方向に背を向けて座ると、加速の影響を受けやすくなります。できるだけ、進行方向を向いた席に座りましょう。
4.乗り物の中で本を読んだり、携帯でメールを打ったりしない
これらの行為は視覚的な刺激を与えるため、より酔いやすくなってしまいます。
5.遠くの景色を見る
近くを見続けていると、視覚的な刺激により酔いやすくなります。あまり動きのない遠くの景色を見ると良いでしょう。
6.新鮮な空気を吸う
リラックスして新鮮な空気を吸うと、においなど嗅覚への刺激を減らすことで酔いにくくなります。
7.乗り物酔いの薬を飲む
薬の効果はもちろん、薬を飲んだという安心感で精神的に安定し酔いにくくなるのです。
(参照:乗り物酔いを防ごう!酔い止め薬の選び方と使い方のポイント)
乗り物酔いしてしまったときは?
万が一乗り物酔いしてしまった場合でも、症状を軽減する方法があります。応急処置として、試してみてください。
- シートを倒したり、横になる。
- 窓を開けて、冷たい風にあたる。
- 頭を冷やす。
- 頭を動かさないようにする。
- ベルトなどをはずして、衣服をゆるめる。
- 症状が軽いときは、ストレッチをするなどして緊張をほぐす。
- 周囲を暗くして眠る。
まとめ
まだはっきりとしたメカニズムは解明されていない乗り物酔いですが、酔いにくくする方法や症状を軽くする方法があります。また、酔い止めの薬の選び方や効果的な服用方法については、以下の記事でまとめています。適切に対処し、外出や旅行などを楽しみましょう。