せっかくの遠出でも、乗り物酔いが心配だと、思いっきり楽しめませんよね。乗り物酔いを気にせず、安心して旅行や外出を満喫できるように、今回は乗り物酔い対策についてご紹介します。
乗り物酔いとは?
乗り物に乗ることで一定ではない様々な揺れを感じると、耳の奥にあり「平衡感覚」という身体の傾きを司る器官に複雑な刺激が加わり、自律神経のバランスが崩れてしまいます。
この自律神経のバランスが崩れた状態を「自律神経失調症」と呼び、乗り物酔いもその状態の一種だと考えられていますが、はっきりとしたメカニズムはわかっていません。詳しくは、「車酔い・船酔いする人必見!乗り物酔いの7つの予防法と応急処置」をご覧ください。
乗り物酔いの症状とは?
乗り物酔いは、突然起こるものではありません。前兆があり、発症して徐々に悪化していくという流れをたどります。
乗り物酔いの前兆
- めまいがする
- 生あくびが出る など
乗り物酔い発症
- 頭が痛くなる
- 鼓動が早くなる
- 吐き気がする
- 顔色が悪くなる など
乗り物酔いの悪化
- 嘔吐
- 脱水症状になる など
乗り物酔いを防ぐためには?
乗り物酔いを防ぐ方法には、以下のようなものがあります。あらかじめ取り組める予防方法については、乗り物に乗る前から準備しておくと良いでしょう。
- 前日にしっかり睡眠をとる
- 消化の良いものを食べて、脂っぽいものは控える
- 揺れの少ない場所に座る(バスなら運転席の近く、船なら中央のあたりの席)
- 近くではなく、遠くの変化が少ない景色を眺める
- 乗り物酔いの薬をあらかじめ飲んでおく
乗り物酔いの薬にはどのようなものがあるか?
一般用医薬品の酔い止めには子供用と大人用があり、含まれる薬の成分が同じでも量が違ったり、成分そのものを変えている薬もあります。
剤形も錠剤・液剤・チュアブル剤(口の中ですぐに溶けるタイプ)などいろいろあり、チュアブル剤は持ち運びしやすく水なしでも飲めるので便利です。
以下に代表的な成分をあげました。( )内は代表的な医療用医薬品名、< >内は成分を含んでいる代表的な一般用医薬品名です。
1.抗ヒスタミン作用のある薬
嘔吐は、嘔吐中枢と呼ばれる部分が刺激を受けることで起こります。
この嘔吐中枢を刺激するのがヒスタミンという刺激物質であり、この作用を抑えて嘔吐を抑えます。
この種類の薬の副作用として、眠気が有名です。
- 塩酸ジフェニドール(セファドール)<トラベルミンR>
医療用医薬品ではめまいの治療薬として使われており、乗り物酔いにも適用が認められています。抗ヒスタミン薬に分類されますが、比較的眠気が少ないです。
- ジフェンヒドラミン(レスタミン)<トラベルミン、ドリエル>
- ジメンヒドリナート(ドラマミン)<エアミット>
- 塩酸メクリジン<センパア>
- マレイン酸クロルフェニラミン(アレルギン)<アネロン>
抗ヒスタミン薬に分類されており鎮静作用もあるため、乗り物に乗る前に服用するのがお勧めです。
乗り物酔いは心理的な要因も大きく影響するので、酔い止め薬は不安を和らげるという目的でも使われます。
2.副交感神経遮断作用のある薬
視覚や平衡感覚などによる脳の混乱を抑えて、吐き気やめまいを抑えます。
- ロートエキス(ロートエキス)<トランキ>
- 臭化水素酸スコポラミン<トラベルミン>
3.中枢神経興奮作用のある薬
中枢神経に作用して脳の混乱を抑え、頭痛や眠気を抑えます。
- カフェイン<トラベルミン>
酔い止め薬の使い方のポイントは?
酔い止め薬は気分が悪くなった後でもすぐに飲めば効果がありますが、乗り物に乗る30分から1時間前に飲むのが最も効果的だと言われています。
しかし、酔い止め薬を飲むと眠くなったり注意力が下がることがあるので、運転など注意力や集中力が必要なことをする場合は飲まないようにしましょう。
また、アルコールや精神安定剤など眠くなりやすいものと一緒に飲むと眠気が増強されて危険なので、併用しないようにしましょう。
まとめ
乗り物酔いの薬は副作用として眠気が出ることが多いので、運転するなど集中力が必要な場合は飲まないように注意しましょう。
また、酔い止め薬は乗り物に乗る30分くらい前に飲むのが効果的です。薬を賢く使って、乗り物での遠出を存分に楽しんでくださいね!