ED(勃起不全)は男性特有の病気ですが、詳しい原因についてはご存知でしょうか。決してストレスだけが原因となるものではないのです。今回は、EDが発症する原因について医師・竹森 健先生の監修で説明します。なお、なお、EDの治療に関しては、「勇気のいるED治療、病院ではどんな診療をするの?」、またEDが影響する不妊症に関しては、「男性・女性それぞれの不妊症の原因を知ろう」の記事をご参照ください。

目次

EDのメカニズムとは

EDとはerectile dysfunctionの略で「勃起障害」、「勃起不全」のことを指します。

通常、性的刺激が起こると脳から「勃起をするように」という信号が出され、体をリラックスさせる副交感神経を介して陰茎に伝わることになります。すると陰茎海綿体の動脈が広がり、血液が流れ込みます。スポンジ状の海綿体が流れ込んできた血液を吸収し、膨張して硬くなるのが勃起です。

正常であれば、性的刺激を受けてから勃起するまではこのような流れです。しかし、EDになると動脈の広がりが悪く、海綿体が膨張するのに必要な血液量が足りなくなってしまうことにより、勃起することが難しくなります。また、脳からの信号を伝える神経に障害が起こることでEDを患うこともあります。

EDの原因って?

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勃起障害が起こる原因としては心理的なもの生活習慣によるものが多く見られます。それ以外にも薬剤性や手術によるもの、前立腺肥大症なども原因になり得ます。

心理的要因が原因で起こるEDは心因性EDと呼ばれます。性行為時の失敗や仕事への不安などが影響し、性欲が減退したりうまく勃起しなかったりすることがあるのです。

生活習慣による原因としては糖尿病高血圧症高脂血症喫煙などがあります。これらの生活習慣は動脈硬化の原因となりますが、血管が硬く、狭くなることで血液の流れが抑制されてしまいます。すると陰茎海綿体に十分な血液が流れ込まず、EDの原因となるのです。

過度の飲酒はEDの原因になりますが、適量の飲酒はリラックス効果をもたらしED改善に作用することもあります。ただし「適量」には個人差がありますので注意が必要です。

処方薬以外は服用しない

EDは性に関する病気であり、男性にとっては恥ずかしさもあるでしょう。病院に行くのにも躊躇し、インターネットなどの通販でEDに効果のある薬を購入する方もいるかもしれません。

しかし、性的刺激を受けても勃起しない場合は、病院で医師の診断を受けるようにしてください。病院で処方された薬以外を使用すると、偽造薬品だった場合には深刻な健康被害を生じる恐れがあります。インターネットの個人輸入代行業者から買ったED治療薬の60〜70%が偽造薬品だったという報告もあります。本物か偽物かの判断は、外見からだけでは専門家が見ても難しいケースがあります。医師に処方された薬以外を使用することは極力避けるようにしてください。

まとめ

EDはストレスだけではなく、生活習慣病喫煙飲酒なども原因の一つとなっています。生活習慣を見直すことによって、EDになるリスクを下げることは可能でしょう。しかし、ED対策をしていても発症することは起こりえます。その場合は男性だけが悩むのではなく、パートナーの女性が病院に行くように背中を押してあげることも大事です。