秋になると急に手がカサカサしてくる感じはありませんか?手荒れは放っておくと悪循環に陥ってしまいます。手荒れは進行性指掌角皮症ともいわれており、カサカサとした皮膚の乾燥や、乾燥による亀裂などを特徴とする、非炎症性の皮膚の症状です。

今回は、手荒れがどうして秋冬になると起こるのかと、その原因と予防法についてご紹介いたします。

目次

手荒れのしくみとは?

手荒れは、皮膚のバリア機能が壊れてしまった状態です。このバリア機能は、皮膚の保湿を維持するしくみで、皮脂膜(皮脂という油分の膜)、角質細胞間脂質(「セラミド」とも呼ばれる保湿成分)、天然保湿因子(角質細胞の中にある保湿成分)が関与しています。

手荒れの最初の段階は、さまざまな要因で皮膚表面の皮脂膜が除去されるために起こります。お湯による手洗いや洗剤(界面活性剤)の使用は、バリア機能のうち皮脂膜を流してしまういます。皮脂膜が除去されてしまうと、皮膚表面に水分をとどめておくことができずに、乾燥・手荒れの原因となります。

また、冬は気温や湿度の低下で肌の水分が蒸発しやすくなり、肌が乾燥します。その結果、皮膚の保湿成分である角質細胞間脂質(セラミド)が減少してしまいます。肌の乾燥もまた、バリア機能の低下の原因となります。

手荒れの原因とは?「内的要因」と「外的要因」

たんぽぽ

手荒れやカサツキを一番感じるのは、手洗いや水仕事の後ではないでしょうか?感染症の予防のためとはいえ、手を洗うのも一つの刺激になりますよね。

手荒れの原因は、大きくわけると「外的要因」と「内的要因」の2つです。

外的要因

  • 物理的刺激:水仕事やタイピング、ピアノや紙幣などの手指を頻繁に使うことによるもの
  • 化学的刺激:洗剤やシャンプーなどによるもの

内的要因

  • アトピー体質や血行不良などの体質・体調によるもの

これらの要素が手に刺激を与え、バリア機能が低下している手だけでなく、健康な手にもトラブルを引き起こすことがあります。水仕事の後などは、水にぬれた手をそのまま放っておくと肌の水分も一緒に蒸発してしまうので注意しましょう。

特に、アレルギー体質の方などは手荒れを引き起こしやすい傾向があります。また、仕事で肌への刺激の多い方(お金を触る銀行員、水仕事などをする飲食店員、薬剤を使用する美容師など)では、日常的に常に肌に刺激があるため、肌荒れが治りにくい場合が多いようです。

手荒れの予防には!

予防には、原因となる環境や刺激をなるべく避け、減らすことにあります。

水仕事をするときは、ゴム手袋を使用しましょう。水や洗剤と直接触れるのを防ぐことができます。敏感な肌の人は、ゴム手袋の下に木綿の手袋をすると良いでしょう。

また、水仕事の後に限らず、手を洗った後など、水にぬれたらすぐに水分をふきとり、セラミドなどの保湿成分が配合されているローションやクリームを塗ってください。まずは保湿して潤いを補充し、弱くなったバリア機能を回復させ、手荒れから肌を守ってあげましょう。

手荒れ乾燥の予防、症状改善法は?

  • 冬の手荒れ・乾燥肌を予防するために、また起きてしまった症状を少しでも改善するために、日常生活では次のような点を心がけましょう。
  • 濡れた手はしっかりタオルで水分をふきとり(手の水分も一緒に蒸発してしまうためです)、すぐに保湿剤を塗りましょう。ローションタイプなど伸びの良いものを選ぶと良さそうです。
  • 水仕事などの前後に保湿クリームを塗りましょう。木綿や綿の手袋などを着用して、指先を直接刺激しないように工夫することも大切です。
  • 外出時には手袋などで肌の露出を防ぎ、乾燥した空気と触れるのを避けましょう。
  • 石鹸・シャンプーが悪化の原因になることがあります。洗浄力がマイルドなものを使用したり、シャンプーは手袋をして洗髪したりして、手荒れ部分への刺激をさける工夫をしましょう。

寒い時期の手洗いのポイント

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手洗いの際にも、肌荒れを防ぐポイントがあります。

  • ぬるま湯で洗い、こすりすぎない
  • 爪の周りや指の間などを忘れずに石けんで洗う
  • ハンドドライヤーは使わない
  • 手洗い後、髪や服で手を拭かない
  • 清潔なハンカチ、ハンドタオルを持ち歩く
  • 手洗いの後はきちんと保湿を行う

まとめ

手荒れの原因と予防法について紹介しました。まずは手持ちのハンドクリームを有効に活用して、冬に訪れる手荒れを防いでいきましょう!