空気が乾燥する季節になると、手荒れが気になる方も多いと思います。コンビニやドラッグストアなどで「ハンドクリーム」が目につくようになりますね。ハンドクリームも保湿剤も、現在は非常に多くの種類が販売されています。今回は、手のケアをするためのこれらの医薬品の、選び方のポイントをご紹介します。

目次

スキンケア用品には3つの種類がある

一般的なスキンケア用品は「薬事法」により、効果や目的によって「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」のどれかに分類されています。それぞれ使用目的が異なるため区分されているので、購入の際は、ご自身に必要なのはどれなのかをよく検討すると良いでしょう。また、下記のうち、医薬部外品と化粧品はドラッグストアや薬局以外でも購入することができます。

医薬品

病気の予防や治療を目的とした薬のことです。厚生労働省が許可した有効成分が配合されています。医師の処方せんがなければ購入できない医療用医薬品と、薬剤師などの助言を得つつ自ら選んで買うことができる一般用医薬品とがあります。ワセリンヘパリン類似物質などが、保湿に用いられる医薬品です。

医薬部外品

厚生労働省が許可した有効成分が配合されていますが、人体への作用は穏やかです。治療というよりも、不快感の緩和(吐き気止めやあせもの防止など)、美容(口臭や育毛・除毛など)を目的に作られています。殺菌や消毒といった効果を持つ「薬用化粧品」も、医薬部外品の一種です。

化粧品

医薬部外品よりもさらに効能・効果が穏やかです。清潔にする・美化する・健やかに保つなどの目的で使用されます。

「肌荒れに効く」「にきびを防ぐ」「皮膚の殺菌」などといった効能・効果をパッケージなどに記載することはできません。

乾燥を防ぐ成分には、どんなものがある?

ハンドクリーム

乾燥を防ぐ成分として代表的な成分には、以下のようなものがあります。

ヘパリン類似物質

ヘパリン類似物質はその名の通り、体内にある「ヘパリン」という物質に似た成分です。水分を保持し、皮膚の乾燥を防ぐ作用があります。また、皮膚の新陳代謝を促します。肌の奥の方(真皮)まで浸透するため、手荒れを繰り返す場合はヘパリン類似物質が配合された医薬品を使用することをおすすめします。

セラミド

肌の角層の中にある角層細胞の隙間を満たし、細胞同士および水分をキープしている成分がセラミドです。肌を乾燥やホコリなどの刺激から守る、バリア機能を担っています。化粧品などに配合されている成分です。

尿素

ヘパリン類似物質と同じように、水分を保持して角層に付与します。皮膚のバリア機能が低下した状態では、刺激を感じることがあるかもしれません。ひび・あかぎれがひどい場合には、他の成分を選ぶと良いでしょう。

ワセリン

ワセリンは、油分が薄い被膜となって肌を多い、水分が蒸散するのを防ぐ効果があります。しっかりと手肌をケアしてくれる一方、べたつきが気になる方もいるかもしれません。

保湿剤は、症状に合わせたタイプを選ぼう!

手肌の荒れをケアするものといえば、真っ先に浮かぶのは「ハンドクリーム」でしょう。ですが、クリーム以外にも保湿剤にはいくつかの剤形があります。症状に合わせて使い分けると良いでしょう。

  • 軟膏:皮膚への刺激が少ないため、ひび・あかぎれがひどい場合でも使用できます。ただしべたつきやすく、洗い流しにくいという一面もあります。
  • クリーム:軟膏と比べるとべたつきが少ないため、洗い流しやすいです。
  • ローション:よくのびるため、使用感が良いです。
  • スプレー:広い範囲に使える、手が届かない場所にも使えるといったメリットがあります。ただし、使用量を正確に把握することが難しいので注意が必要です。

まとめ

手は、普段の仕事などで最もよく使う部位だと思います。特に秋冬などは、少し水仕事をするだけでもひびやあかぎれが生じてしまう方もいるのではないでしょうか。

ご自身の症状にあった保湿剤を使えば、その症状を改善させることができます。薬剤師さんとも相談しつつ、最適な保湿剤を見つけてください。つらい症状が長続きする場合は、皮膚科での相談をおすすめします。