肌がカサカサしてつっぱっている、化粧水が入っていかない、この頃透明感がなくなってくすんで見えることが多い。こんな悩みを抱えていれば、皮膚が乾燥肌に傾いているのかもしれません。放っておくと、肌が厚く硬くなりさらに乾燥しやすくなるので、しっかりケアをしましょう。今回は、肌の乾燥を防ぐ方法について、ご紹介します。

目次

肌の乾燥はなぜ起きる?

健康な肌の角質層には、皮脂や角質細胞の中にある保湿成分によって水分が一定量保たれています。天然保湿因子のNMFが水分と結びついて潤いを細胞内に留め、細胞間脂質のセラミドが角質細胞同士を結び付けて水分の蒸発を防ぎ、皮脂が肌の表面で外の刺激から肌を守っています。このような身体の保湿システムが上手に働かずに水分不足に陥ると、肌が乾燥します。

肌の乾燥が起こるメカニズムについてさらに詳しくは、「肌の乾燥は病気が原因…乾燥肌はなぜ起こる?」をご覧ください。

肌の乾燥を放っておくと?

  • 肌がカサカサして老けてみえる
  • シワができやすくなる
  • かぶれやすくなる

潤いが不足した肌は、カサカサして実際の年齢よりも老けて見えたり、シワの原因となったりと、皮膚の老化が進んでしまいます。また、身体を守るバリア機能も低下するので、細菌などに感染しやすくなり、かぶれや炎症と言った皮膚トラブルが起こることもあります。

肌の乾燥を防ぐには?

肌の乾燥の原因は、アトピー性皮膚炎手湿疹、甲状腺機能異常などの特定の疾患によるものと、環境、加齢、間違ったお手入れ、栄養不足などの生活習慣によるものが考えられます。原因別に対策を取りましょう。

アトピー性皮膚炎

聴診器

医療機関でかゆみを抑える治療を行います。かゆみのコントロールを行いながら、自宅では皮膚の症状や乾燥の改善のために、セルフケアを行いましょう。

  • 医師に処方された保湿剤を使ってスキンケアをする
  • 部屋の掃除をして、室内を清潔な環境に保つ
  • 布団はこまめに天日干しをして、取りこむ前に表面を丁寧にはたく
  • 睡眠を十分に取る
  • 好きなことをしてリラックスできる時間を持つ

手湿疹

手は心臓から遠く新陳代謝が悪いので、もともと乾燥しやすく外からの刺激も多く受ける場所です。手荒れの症状を抑えるために、保湿を心がけましょう。湿疹や痛みが酷いときは、医療機関を受診しましょう。

  • 市販の保湿剤やハンドクリームを手に塗って保護する
  • 除光液も手の刺激になるので、マニキュアを塗らない
  • 水仕事をするときは、木綿の手袋をしてから、その上に防水性のある手袋をつけて行う

甲状腺機能異常

甲状腺は「のどぼとけ」と呼ばれるところの下にあり、甲状腺ホルモンは、基礎代謝の維持に必要なホルモンです。医療機関で治療を行いましょう。長期的に薬物を投与することで、症状が改善されます。

環境・加齢

ヨガ

空気の乾燥を防ぐように気をつけましょう。また、年を取ると肌の水分を保つ力が弱くなってくるので、年齢に合わせたケアを行うことが大切です。

  • エアコンの使いすぎに気を付け、加湿器を使って室内の湿度を調節する
  • 日焼けを防ぐために、日傘、帽子、サンスクリーン剤などを使って紫外線を避ける
  • 熱すぎるお湯や長時間の入浴は肌に負担をかけるので、入浴をするときは、お湯の温度をぬるめにして、10分以内にすませる
  • 洗浄力の強い洗顔料や石けんは避けて、刺激の弱いものにする
  • ジョギング、ヨガや水泳などの運動をして汗をかく
  • 睡眠と休養を十分にとる

正しいスキンケア

乾燥肌を改善するために、肌の潤いを保つケアを徹底的に行いましょう。肌に良いと思って続けている毎日のお手入れが、乾燥を招いている場合もあります。いつもの習慣やケアを見直してみましょう。

洗顔

肌に必要な潤いを残しながら、汚れをしっかり取り除くことが大切です。

  • クレンジングをするときは、強くこすらない。ふき取りタイプは肌に負担がかかるので、洗い流すタイプを選ぶ
  • 低刺激の洗顔料をよく泡だててから顔にのせ、指の腹で優しくなでるように洗う
  • ぬるま湯ですすぎ、洗い残しがないようにする
  • 柔らかいタオルを肌に押しあてて水気を取る

洗顔後のお手入れ

洗顔後は水分補給のために、すぐに化粧水をつけましょう。肌が乾ききる前につけることで、浸透力が高まります。化粧水で水分を補ったあとは、保湿剤で仕上げて肌に潤いを閉じ込めて乾燥を防ぎます。

  • コットンか清潔な手で化粧水をたっぷりととり、肌をおさえるようにして顔全体になじませる(コットンでこすったり、たたいたりしない。)
  • 化粧水のあとに、必ずクリームや乳液などをつける。肌の表面に油の膜をつくり、水分の蒸発を防ぐ

肌をつくる栄養バランスの取れた食事

乾燥肌の改善のためには、身体の中から調子を整えることも重要です。肌に必要な栄養は、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルです。栄養バランスを意識して食事をとりましょう。

タンパク質

肌はたんぱく質からできています。

肉、魚類、たまご、チーズなど

脂質

細胞やホルモンを作ります。ダイエットをしている人は、動物性の脂肪は控えめにして植物性の良質な油をとるようにしましょう。まったくとらないと肌がカサカサしてきます。

オリーブ油、しそ油、えごま油など

ビタミン

身体の中でたんぱく質や脂質の働きを助けます。

レバー、うなぎ、ブロッコリー、かぼちゃ、にんじんなど

ミネラル

身体の組織をつくり、機能を正常に保ちます。

牛乳、ナッツ類、海藻類

まとめ

皮膚には身体に備わっている天然の保湿因子があり、肌を外部からの刺激から守り潤いを保っていますが、身体の保湿システムが崩れることによって、乾燥を招きます。肌の乾燥の原因は、病気や生活習慣が考えられるので、身体に異常を感じれば医療機関を受診するようにしましょう。また、乾燥を防ぐためには、日ごろの生活環境、お手入れや食事の見直しが必要です。無理ない程度に生活習慣を整えていくことが、長続きするポイントです。