乾燥して、喉が痛くなる季節がやって来ました。冬はコンビニやスーパーでも、のど飴のラインナップが増えてきますよね。喉が痛くなるようなとき、のど飴だけでなくトローチも選択肢に上がってきてどっちがいいのか悩むことありませんか?今回は、のど飴とトローチの違いについてご紹介いたします。

目次

のど飴とは

実は、のど飴には厳密な定義がありません。現在、コンビニやスーパーで買えるものから、薬局にしか売っていないお薬ののど飴まで、たくさんの種類が発売されています。味や価格はもちろん、成分や効果も大きく異なります。

のど飴は大きく3つに分類できるので、以下で解説します。

1.食品

お菓子のキャンディーの一種で、効能・効果は一切認められていません

のど飴を舐めることでのどがスッキリしたり、のどにうるおいを与えるなど、のどに良いことがあります。

製造や販売に医薬品のような制限がないため、色や形、味などさまざまな種類の製品をいろいろなお店で買うことができます。医薬品や医薬部外品のような効き目は望めませんが、多様な味や食感、美味しさを味わうことができます。

2.医薬部外品

医薬品に準じて有効成分による効果が認められているドロップ剤などを指しますが、医薬品に比べ、効き目が穏やかで副作用が極めて少ないのが特徴です。

製造には国の承認が必要ですが、医薬品と違い、販売には許可が不要で、コンビニやスーパーなど多くのお店で買うことができます。医薬品に比べて効き目は限定的ですが、手軽に購入ができます。

咳止めの効能を持つものはなく、のどの痛みや腫れを抑えたり、口腔内を殺菌したりする効能・効果を持つものが多く、症状にあった製品を選ぶことも可能です。

商品例

  • 殺菌成分配合:ヴィックス メディケイディッドドロップ(5歳以上)、浅田飴ガードドロップ(5歳以上)
  • 生薬配合:ルルのど飴(15歳以上)など

3.医薬品

医薬品ののど飴は、医薬品として有効成分による効能・効果が認められているドロップ剤などを指します。医薬品はその成分や効き目などによって、「第1類医薬品」「第2類医薬品」「第3類医薬品」と分かれており、現在「第2類医薬品」「第3類医薬品」のドロップ剤が数種類存在しています。

製造には国の承認が必要であり、また販売には許可が必要なため、医薬品の販売が可能な薬局やドラッグストアなどでしか買うことができません。具体的には咳止めの成分などが入っています。

配合されている成分によって、・喉の痛みといった症状に対して効き目が期待できますので、症状にあった製品を選ぶことができます。

商品例

第3類医薬品
  • 南天のど飴:鎮咳・鎮痛成分の南天実エキス配合(5歳以上)
  • 龍角散ドロップノドローチ(5歳以上):鎮咳・去痰成分の生薬を配合
第2類医薬品
  • ルルメディカルドロップ(5歳以上):鎮咳・去痰成分と殺菌成分配合
  • 浅田飴せきどめ(5歳以上):鎮咳・去痰成分と殺菌成分配合
  • 浅田飴(5歳以上):鎮咳去痰成分の生薬を配合
  • ペラックスイート(5歳以上):鎮咳去痰成分、殺菌成分配合

など

のど飴といっても、種類も効果も様々だということが分かったと思います。

これらののど飴は、医薬品や医薬部外品の場合は用量が定められています。他方、用量が特に定められていない食品ののど飴でも、大量に舐め続けていると、摂取カロリーの面から糖分摂り過ぎになってしまいます。いずれも、あまりに大量に摂取するのは避けましょう。

日本気象協会が「のど飴指数」というものを出しています。乾燥程度に合わせての指数のようです。合わせてご覧ください。

トローチとは

トローチ

トローチは、口の中でなめて、徐々に溶かすことによって、口や喉の細菌を殺したり増殖を防いだりする目的で使用します。医療用で処方される医薬品もあることから、昔から親しみのある剤形です。

現在、医薬品と医薬部外品のトローチがあります。中には、漢方薬がそのままトローチになっているタイプもあります。

トローチの使い方

口の中でゆっくりと溶かします。この時かみ砕いたり飲み込んだりせず、できるだけ長く口の中に含んで溶かしてください。

また、トローチが口の中で全部溶け終わってから30分くらいは、お茶を飲んだり、食物を食べたりしないでください。

トローチの特徴

トローチは口の中でゆっくり溶けるようにするため、普通の錠剤より硬く作られています。

また、長時間なめている間に間違って飲み込んでしまっても息が詰まらないように、真ん中に穴をあけています(市販のアイストローチは一見飴のようなタイプのもので、真ん中に穴は空いてません)。

医薬部外品

  • アイストローチ(5歳以上):殺菌成分配合
  • 明治Gトローチ(5歳以上):殺菌成分、消炎成分配合

第3類医薬品

  • 新コルゲンコーワトローチ(5歳以上):消炎剤2剤と殺菌剤に生薬配合
  • カイゲントローチ(5歳以上):消炎剤と殺菌剤に生薬配合
  • パブロントローチAZ(5歳以上):消炎剤2剤と殺菌剤が配合

第2類医薬品

  • ベンザブロックトローチ(5歳以上):鎮咳・去痰成分、消毒成分配合
  • 漢方咳止めトローチ麦門冬湯(5歳以上):鎮咳去痰の麦門冬湯がそのままトローチになっています
  • ツムラ漢方トローチ(桔梗湯)(5歳以上):喉の痛み・咳に効果的な桔梗湯がトローチになっています

のど飴トローチのまとめ

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どちらが優れているかということは、一概には言えません。ただし、のど飴の場合は、飴であることから多用によるカロリーが心配になってきます。

また、食品としてののど飴であれば「多用」も可能ですが、医薬部外品・医薬品には用法・用量という制限があります。殺菌成分として配合されてる消毒剤も多く摂取すれば、吐き気などの副作用を発現する可能性もあります。

  • ちょっと乾燥を予防したい⇒食品の「のど飴」
  • 喉がちょっと痛くなってきた⇒医薬部外品ののど飴あるいはトローチ
  • 喉が痛い、カロリーが気になる、カロリー制限がある⇒トローチ、あるいはノンシュがーののど飴
  • 咳も出てきて抑えたいが内服薬は飲んでない⇒医薬品のトローチ・のど飴
  • 眠くなるのは避けたい⇒咳止めの入っていないものを選ぶ。殺菌剤、消炎剤、生薬は可能。あるいは漢方薬のトローチのど飴

※なお、医薬品で鎮咳去痰成分配合ののど飴・トローチを使用する場合、内服薬の風邪薬または鎮咳去痰薬・抗ヒスタミン剤の使用を避ける必要がある物があります。添付文書をよく確認してください。

まとめ

昔は、のど飴、トローチは医薬品というイメージがありましたが、現在はそれぞれ様々な種類があることがわかったのではないかと思います。飴に咳止めも入ってるタイプは、旅行などに予備で持っていくのも良いかもしれませんね。

また、注目すべきなのが漢方薬を使用したトローチです。麦門冬湯は、風邪の初期は過ぎたけれど喉が渇くと急に咳き込んでしまうような時に、喉を潤す働きがあるので有効だと思われます。眠くなる成分もないので、漢方のトローチは画期的かもしれません。