「むくみ」は、血液の水分が血管の外に染み出し、血管外の皮下組織に溜まってしまった状態をいいます。その原因は様々で、病気が原因となることもあれば、普段の生活習慣が大きく関わっていることも少なくありません。
本記事では、日ごろの生活の中でできる改善法を中心に紹介していきます。
むくみの原因について
むくみの原因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 同じ姿勢を長時間続ける(立ち仕事など)
- ホルモンバランスの変化(生理前・妊娠中)
- 冷え
- 運動不足
- 水分不足
- 水分や塩分のとりすぎ
- 薬の副作用
- 心臓や腎臓、肝臓などの病気
何日も続いたり、3kg以上体重が増えるほどのひどいむくみであったりする場合は、何らかの病気が原因となっている可能性があります。
この場合、生活習慣の改善などによるセルフケアでは根本的な解決はできません。すみやかに、かかりつけ医に相談してください。
むくみを改善できる生活習慣について

上記のように、むくみと生活習慣は大きく関係しています。では、どのような生活を送ればむくみを軽減することができるのでしょうか?
食生活の改善
塩分を控える
塩には水を溜める働きがあるため、塩分のとりすぎはむくみを招きます。
1日の食塩摂取量の目標は成人の男女で各々7.5g未満と6.5g未満(e-ヘルスネットより)とされていますから、その範囲内で収まるような工夫をしてみましょう。減塩しょうゆを使ったり、塩分の代わりに酢や香辛料で味付けしたりしてみるといいかもしれませんね。
適度な水分
水分のとりすぎだけでなく、不足もむくみの原因となります。約2.3リットルが成人の1日の水分摂取量の目安(サントリーより)ですので、この量を目安に摂取するようにしましょう。
水分摂取は、一度に大量に飲むのではなく、できるだけこまめに行うのがポイントです。特に寝る前に水分をとりすぎると、顔や足などが翌朝むくみやすくなってしまいます。
たんぱく質
たんぱく質は、血液中の水分を血管内に留める役割をしています。そのため、たんぱく質が不足すると血管外に水分が流れ、むくみの原因となると考えられます。
たんぱく質は肉、魚、卵などに多く含まれています。
カリウム
体内の水分を適切な量に調整するためには、ナトリウムとカリウムをバランスよく摂取する必要があります。このうち日本人は、ナトリウムを摂りがちな傾向があるため、カリウムを積極的に摂取すると良いでしょう。
バナナ、ほうれん草などに多く含まれているカリウムには、とりすぎた塩分(ナトリウム)の排出をうながす効果があります。
ただし腎機能に障害のある患者さんは、摂りすぎには十分に気をつけてください。
ビタミンB1
ビタミンB1不足は脚気を招きます。脚気の症状の一つとして挙げられるのが手足のむくみです。そのため、ビタミンB1が含まれる豚肉や豆腐、あずきなどを摂取し脚気を予防することで、脚気によるむくみをも防げるのです。
日々の過ごし方の改善
きつめのストッキングなどを使用する
日中は、きつめのストッキングや弾性包帯を使用するとよいでしょう。脚をひきしめることで、むくみを防ぐ効果があります。
これらの製品は、薬局やドラッグストアなどで購入することができます。
体を動かす
長時間の立ちっぱなし・座りっぱなしは、脚の血行不良を招きます。時々は姿勢を変える、ストレッチをするなどして血流を改善しましょう。
かかとの上げ下げや足首の曲げ伸ばしなど、簡単なものでも十分効果的です。
下半身を鍛える
ふくらはぎやももの筋肉が衰えると、血流の流れが悪くなってしまいます。ウォーキングや散歩、スクワットなどをして足の筋肉を鍛えましょう。
通勤時には、エスカレーターではなく階段を使ってみるのもいいかもしれませんね。
お風呂につかる
湯船にゆっくりつかることで、血行をよくすることができます。その際、マッサージをするとより効果的です。
熱すぎるお湯では血管が収縮してしまうため、38~40℃くらいのぬるめのお湯にしましょう。
まとめ
むくみは見た目の問題だけでなく、疲労感を招くやっかいものです。
ですが、日々の生活習慣で十分改善することができるので、ぜひ取り組んでみてくださいね。
また、あまりにもむくみが続く場合は病気が隠れている可能性がありますので医師の診断を受けるようにしましょう。