周りの人に手足が突然突っ張る人がいたら、それはひきつけかもしれません。ひきつけを起こし、その場に倒れることがあれば、周りにいる人は何らかの対応することでしょう。しかし、ひきつけの対処法を知らなければ、適切な対応を取れません。さらに、ひきつけは突然起こりますから、あたふたしてしまい適切な対応を取るのが難しくなります。そこで、この記事では、ひきつけに対する適切な対処法について説明します。

目次

ひきつけとは

「ひきつけ」とは、自分の意思と無関係に、突然手や足が突っ張り、全身を硬直させる状態のことを指します。脳の神経細胞が異常に興奮した場合や、脳になんらかの異常がある場合などに、ひきつけが起こると考えられています。

詳しくは「手足が突然、勝手に動く「ひきつけ」…その裏に隠された病」をご一読ください。

ひきつけの対処法

救急車

冒頭でも述べた通り、迅速な対応のためには、ひきつけの適切な対処法を知ることが必要です。この章では対処法を3つに分け、その内容を詳しく説明します。なお、ひきつけは乳児期に起こりやすいため、赤ちゃんのひきつけに対する対応も同時に説明します。

1.平らな場所に寝かせ、危険なものを外す

ひきつけを起こしたときは、体をゆすらず、平らで周りに何もない場所に寝かせて顔を横向きにして寝かせてください。そして、ひきつけを起こした人に付いている危険なものを外してください

例えば、首から上がけいれんしていれば、眼鏡のレンズが割れて失明する恐れがあります。また、首から上がけいれんしていると、顔面をどこかに強打する恐れもあります。その対処として、眼鏡を外しクッション性のあるものを敷くと顔面の怪我を防ぐことができます。

2.5分以上続く場合は救急車を呼ぶ

発作が起きてからの時間をできるだけ正確に測りましょう。ひきつけの発作はほとんどが数十秒から3分以内で治まりますが、5分以上続く場合は脳炎や髄膜炎など危険な疾患の可能性もあります。さらに、片方の手足だけにひきつけがみられる、首を動かすと痛がる、意識がはっきりしないといった症状があれば、脳炎や髄膜炎の可能性は高まります。できるだけ早く救急車を手配しましょう。

もし迷う場合は電話で「救急相談センター(東京都の場合は7119です。都道府県によって番号が異なります)」に連絡し、相談してから手配することもできます。

3.病院で診察を受ける

ひきつけの発作が5分以上続く場合は救急車を手配する必要がありますが、3分以内に収まるひきつけはその場で様子を見ても良いでしょう。しかし、3分以内のひきつけであっても、高熱や手足の麻痺など何らかの症状があれば神経内科を受診しましょう。

また、赤ちゃんの場合、熱性けいれんを起こしやすく、その頻度が1年に2回以上であればできるだけ早く小児科を受診しましょう。その裏にはてんかんなどの疾患が隠れていることがあります。

まとめ

ひきつけは突然起こりますが、周りの人は冷静に対応をする必要があります。ひきつけを起こした人が更なる怪我をしないよう、周囲の安全を確保し、必要であれば救急車を呼びましょう。この一連の対応をスムーズに行うことができれば、患者さんの後遺症は少なく、今までとあまり変わらない生活を営むことができます。あなたの迅速かつ冷静な対応で、一人の命を救うことができるのです。