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蚊に刺されて高熱が出た…それは日本脳炎かも!?」で説明したような症状があり、日本脳炎を疑うときどう対処すればよいのか。そもそも、日本脳炎にならないためにはどうすればいいのか。日本脳炎には特効薬がないため、予防と迅速な処置が予後に影響します。そこで、この記事では日本脳炎の治療や予防に関わることを説明します。

日本脳炎は何科にかかればいい?

日本脳炎は感染症だから感染症内科にかかる方もいるでしょう。しかし、日本脳炎は麻痺や痙攣といった神経系の症状が現れます。ですから、日本脳炎を疑う場合、神経内科を受診した方がより適切な神経学的対処がなされます。もちろん、感染症内科であっても、詳細な検査が必要となれば、神経内科と連携を取って治療を行うこともあります。

日本脳炎で行う検査

カルテを手にした医師

日本脳炎に対して行う検査は、

  • 日本脳炎ウイルス抗原の検出
  • 抗体検査

の2つが主です。

日本脳炎ウイルス抗原は抗体検査により行われることが多いですが、脳生検が行われた場合には、RT-PCR法という検査でウイルスが検出されることがあります。

抗体検査では患者さんの血液を採取し、血液に含まれる抗体の量や種類を見て日本脳炎かどうかを判断します。

日本脳炎の治療

日本脳炎に対する特効薬はなく、対症療法(症状に対する治療)が中心となります。特に、高熱痙攣(けいれん)の管理が重要です。この2点の管理が予後や死亡率、後遺症の改善に関与するとされています。

とはいえ、日本脳炎に対する特効薬は存在しないため、発症の予防が何より重要です。

日本脳炎の予防

ワクチン

日本脳炎にはワクチンが存在するため、予防の中心はワクチンの予防接種です。

近年の日本脳炎確定患者を解析すると、ほとんどの日本脳炎患者は日本脳炎ワクチンの予防接種を受けていなかったことが判明しています(国立感染症研究所HPより引用)。ですから、ワクチンの予防接種をしないと日本脳炎を発症しうるということができます。

日本脳炎の予防接種のタイミングは決まっていて、3歳の時に1~2週間間隔で2回・さらに1年後に1の計3回の接種が必要です。さらに、912歳に11415歳に1の追加接種を受けるように推奨されています。

日本脳炎の予防接種スケジュールは他の予防接種と比べて複雑ですが、適切な予防を行うためには指定された回数の予防接種を行うことが重要なのです。

まとめ

日本脳炎はコガタアカイエによって媒介され、発症すると後遺症を残したり、死亡する恐れがあります。
また、日本脳炎には特効薬がないため、ワクチンの予防接種が重要になります。しかし、そのワクチンの予防接種のスケジュールは複雑で、おっくうになってしまいがちです。しかし、指定された回数の予防接種を行わないと、予防接種の効果は減少する恐れがあります。適切な知識を身につけ、予防を適切に行うため、この記事が少しでもお役に立てばと思います。