小さいお子さんを持つ親御さんにとって、「感染症」そして「予防接種」では気になる話題ですよね。本特集では、予防接種によって防ぐことができる病気の情報をまとめてお伝えします。もしも推奨されている年齢を過ぎても受けていないものがあれば、同時接種などを行える場合もあるので、かかりつけ医とよく相談してください。

目次

1.予防接種の時期について

小さなお子さんは、たくさんの種類の予防接種を受けることが推奨されています。接種期間をしっかりと把握していないと、受け忘れが生じることもあるため、かかりつけ医としっかり相談しながらスケジュールを組んでいきましょう。

2.こんなにある!予防接種で防げる病気

注射を受ける子供-写真
ウイルスや細菌による感染症のうち、ワクチン接種によって予防することができる病気には下記のようなものがあります。

ワクチンを接種する意味は、受けた人自身の感染や重症化を防ぐだけではありません。多くの人がワクチン接種で免疫を獲得することにより、感染症自体のリスクを減らすことができるのです(集団免疫効果)。

◆:定期接種(予防接種法にもとづき、市区町村が実施する予防接種)
◇:任意接種(希望者が各自で受ける予防接種)

◆ヒブ(インフルエンザ菌b型)ワクチン

インフルエンザ菌b型は、インフルエンザウイルスと名前が似ていますが全く別の菌です。生後2か月から受けることができます。4回(初回3回、追加1回)の接種が標準的です。1回目の接種は生後2~6ヶ月のうちに受けるようにしましょう。

◆肺炎球菌感染症ワクチン(小児)

生後2ヶ月から接種を開始します。4回(初回3回、追加1回)の接種が標準とされているワクチンです。ヒブワクチン同様、1回目の接種は生後2~6ヶ月のうちに受けてください。

◆B型肝炎ワクチン

世界中の多くの国々で定期接種に定められているワクチンの一つで、日本でも2016年10月より定期接種となっています。生後2ヶ月から開始し、3回の接種を受けることが推奨されています。

◇ロタウイルスワクチン

生後2ヶ月から受けることができる経口ワクチン(赤ちゃんに飲ませて接種するワクチン)です。ワクチンの種類により、2回接種で良いものと、3回の接種が必要なものがあります。接種は任意ですが、できるだけ早くから開始することが推奨されています。

◆四種混合ワクチン / 二種混合ワクチン

四種混合ワクチンは、ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオの4つが含まれたワクチンです。生後3ヶ月以降で、4回(初回3回、追加1回)接種を行うのが一般的です。

二種混合ワクチンは、ジフテリアと破傷風の2種類を含むワクチンで、11歳になったら1回接種することが推奨されています。

・百日咳

・破傷風

・ポリオ

◆BCG(結核)

BCGは、結核を予防するワクチンの通称です。生後5ヶ月から8ヶ月未満の間に1度接種することが推奨されています。

◆MRワクチン(麻しん・風しん混合ワクチン)

1歳になったら1回目を受けることが推奨されています。その後、小学校に入学する前年に2回目の接種を受けてください。

大人の方でも、過去に予防接種を受けていない方は受けることをおすすめします。

・麻しん

・風しん

◆水痘(みずぼうそう)ワクチン

1歳になったら受けることが推奨されています。接種回数は2回です。

◇おたふくかぜワクチン

1歳になったら1回目を、5歳か6歳で2回目を接種することが望ましいです。日本では任意接種ですが、世界中の多くの国で定期接種とされています。

◆日本脳炎ワクチン

一般的には3歳から接種を始めます(生後6ヶ月から接種は可能です)。基礎免疫3回(初回2回、追加1回)に加え、9~12歳で4回目を受けます。

◇インフルエンザワクチン

生後6ヶ月以降に受けます。インフルエンザは毎年少しずつ違った型のウイルスが流行するため、毎秋に1回(13歳未満のお子さんでは2回)受けることが推奨されています。

◆HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン

HPVワクチンは、定期接種の一つに定められています。しかし現在、厚生労働省はHPVワクチンの接種について積極的には勧めていません。

中学1年生になったら、効果や副作用のリスクも理解した上で、接種について医師と相談しましょう。2種類のワクチンがありますが、どちらも3回の接種が必要です。