亜鉛は味覚を正常に保ち、皮膚や粘膜の健康を維持するために必要な栄養素です。さらに代謝に必要な多くの酵素の成分や、たんぱく質の合成など様々な場所で活躍しています。
亜鉛は体の中にはわずかな量しかありませんが、とても重要なミネラル分であるため、私たちが生きていくためには欠かせません。
食事量の不足や、偏食などによって慢性的な亜鉛不足が続くことで、ちょっとした異常や欠乏症が見られるようになります。亜鉛欠乏症の症状と原因については「亜鉛欠乏症の原因とは?要注意の症状って?」で詳しく説明しています。
それでは亜鉛の欠乏症となってしまった場合、私たちはどのように治療をしていけばよいのでしょうか。

目次

亜鉛欠乏症の症状

亜鉛は体の様々な機能に関わっているため、欠乏症も多様なものとなっています。

代表的なものとしては味覚障害が挙げられます。味覚障害は味に対しての感受性が鈍くなるだけではなく、口の中に何もないのに塩味や苦味を感じたり、本来の味と違う味を感じることもあります。

その他にも、皮膚炎・脱毛症・生殖機能の低下・食欲不振・免疫力の低下などの症状がみられるようになります。

亜鉛欠乏症の治療法

亜鉛欠乏2

亜鉛欠乏症の治療は、食生活の改善が第一です。

1日に必要な亜鉛の量は、成人男性で10mg、女性で8mg(2015年版 日本人の食事摂取基準)となっており、日本人は多くの人が不足しているといわれています。

亜鉛が多く含まれている食品を積極的にとり、添加物や化学調味料の少ない自然食品中心の食事を心がけましょう。

亜鉛が多く含まれている食品

  • 牡蠣
  • ホタテ
  • ゴマ
  • 海藻
  • 納豆
  • ブロッコリー

摂取した亜鉛が効果的に機能するためには、たんぱく質やビタミン・ミネラルなどがバランス良く摂取されていることも大切です。

摂取すれば良いというわけではなく、バランスを意識した食事を心掛けましょう。

亜鉛欠乏症の改善法・予防法について

サプリメントを使用しよう

亜鉛欠乏症の予防や、日常的なセルフケアとして、亜鉛のサプリメントを使用するという方法があります。

サプリメントはドラッグストアやネットショッピングでも簡単に手に入れることができますので、偏食気味の方や食事摂取量が少ない方は是非利用しましょう。

ただし、サプリメントを使用する場合は過剰症に注意をしなくてはなりません。

亜鉛過剰症

  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 銅欠乏性貧血

普通の食事をとっている場合、過剰症になることはほとんどありません。

サプリメントに記載されてある用法・用量を守って使用しましょう。

亜鉛の吸収をさらにアップさせるためには

  • 酸っぱいもの(ビタミンCやクエン酸)と一緒にとろう
  • 動物性たんぱく質(肉や魚)と一緒にとろう
  • アルコールを控える

亜鉛はアルコールを分解するために必要で、アルコールをとりすぎてしまうと亜鉛の消費量が多くなってしまいます。

まとめ

私たちの体の中にはわずかしか存在しない亜鉛ですが、その働きはとても重要なものばかりです。

亜鉛欠乏症にならないためには、普段から適正量の食事をし、栄養バランスに気をつけることが大切です。

もし欠乏症になってしまったときにでも、まずは食生活の見直しを行い、サプリメントや薬にも頼りながら亜鉛の不足を解消していきましょう。