舌はしゃべったり、ものを食べるときには必ず動かします。そのため舌に痛みを感じていると、日常生活に支障をきたしてしまう人も多いのではないでしょうか。舌の痛みの原因は何なのか、考えられる原因を紹介していきます。

目次

「舌が痛い」原因とそれぞれの治療法

物理的刺激

歯科治療

口の中にざらざらしたものや尖ったものなどがあると、舌を物理的に刺激します。例えば、虫歯などで欠けた歯合ってない詰め物・かぶせ物歯石入れ歯矯正器具などです。この場合は刺激する原因を取り除けば痛みは治まります。

亜鉛不足、ビタミン不足、鉄分不足

亜鉛、ビタミン、鉄分など微量元素の欠乏で舌に炎症が起き、痛むことがあります。亜鉛欠乏症の場合は味蕾(みらい)という味を感じる箇所に異常をきたし、味覚障害につながります。

この場合は食事やサプリメントの摂取によって改善を目指していきます。

金属アレルギー

口の中の金属の詰め物、かぶせ物などの金属アレルギーで舌が痛むことがあります。

自分が金属アレルギーなのかどうか検査してくれる歯科もあります。銀歯をセラミックに替える対策はありますが、費用が掛かりますのでしっかり検討しましょう。

この点、ハイブリッドセラミックス(歯科治療用の樹脂素材であるレジンとセラミックを混ぜ合わせた素材)の被せ物は、皮膚科で金属アレルギーと診断されている場合には保険適応となるため、少しだけ費用負担を抑えることができます。ただし、ハイブリッドセラミックスはセラミックに比べ強度が不足すること、詰め物で使用する場合には保険適応外となることに注意が必要です。

口腔カンジダ症

口腔カンジダ症カンジダ菌というかびによって起こります。菌自体は常在菌として口の中におり、健康だと数は一定です。疲労などによる免疫力の低下唾液の減少抗生剤の長期間服用で口腔内の細菌数のバランスが乱れたとき、菌が異常増殖して発症します。

口腔カンジダ症の症状の特徴としては口の中に白苔紅斑が出て、舌や口腔粘膜が痛むことがあります。熱いものや味の濃い刺激物は痛みが増します。治療としては抗真菌剤でうがいするほか、同剤を直接塗る・服用する場合があります。口の中を歯磨きや歯科医院でのクリーニングで清潔に保つことも大切です。

ドライマウス

口腔乾燥症ともいいます。粘膜の保護や抗菌作用などを持つ唾液の分泌量が少なくなり、舌が傷つきやすくなって痛むことがあります。その他口臭や味覚障害もありえます。原因はストレス、薬の服用、糖尿病などの疾患や口呼吸などさまざまです。原因を特定して治療していきます。

予防方法は「ドライマウスはセルフケアで改善できることも!知っておきたい7つの対策法」を参照ください。

舌痛症

心配事

舌痛症は不安やストレスなど心理的な要因が痛みを産み、また増強している場合が多いです。口腔カンジダ症とは異なり食事をしているときは痛みを忘れることもあります。改善治療を行う場合は、歯科医師だけではなく精神科など専門領域の医師にみてもらうことも必要です。舌痛症の治療で用いられる薬には抗うつ剤、抗胃潰瘍薬、漢方薬などがあります。

そのほか、心理的な不安が大きい人にはカウンセリング治療も有効です。

おわりに

舌の痛みには物理的な刺激によるものや口腔内の菌によるものなどさまざまですが、原因を特定できれば改善できます。舌痛症が原因で悩む場合は治療をきちんと行ってくれる医療機関を探すことが大事です。まずはかかりつけの歯科医院に相談し、より専門の医療機関を紹介してもらうのもいいでしょう。