子供が繰り返すを見たら、まずは風邪やぜんそくを疑うことと思います。しかし、咳をいつまでも繰り返している場合、それは百日咳という病気の可能性があります。

百日咳は子供に多く、中には肺炎・脳炎などに重症化して命を落とす子供もいます。そこで、この記事では百日咳とは何か、その原因と症状について詳しく説明します。

目次

百日咳とは

百日咳はBordetella pertussis(百日咳菌)が感染することで起こり、咳を数回から数十回繰り返すといった症状が見られます。子供に発症しやすく、最悪の場合は死んでしまう恐れのある病気です。

さらに、生まれて間もない新生児や乳児が百日咳にかかった場合、特に重症になりやすいことが知られています。そのため、百日咳に対するワクチンの接種が実施されています。

百日咳の原因

百日咳の原因は上記の通り、Bordetella pertussis(百日咳菌)の感染です。

患者さんの咳やくしゃみなどのしぶきに含まれる細菌によって感染します(飛沫感染)。

百日咳の症状

日咳は、発症までに下記の4段階を経ることが知られています。

  • 潜伏期(1~2週間)
  • カタル期(1~2週間)
  • 痙咳(けいがい)期(2~6週間)
  • 回復期(2~3週間)

潜伏期は、百日咳菌が感染してからその症状が発生するまでの期間を指します。

潜伏期の次に訪れるカタル期では、熱のない、風邪のような症状(咳やくしゃみ、鼻水、微熱など)が現れます。また、カタル期は百日咳菌の感染力が高い時期ですので、周囲の人に百日咳が広まる恐れがあります。

カタル期が終わると、痙咳期と呼ばれる時期に入ります。この時期にみられる特徴的な症状が「レプリーゼ」です(後述)。

回復期には、咳は時折出る程度になり、症状は落ち着いてきます。しかし、特有の咳が消えるまでは学校などへ行くことは禁止されています。

百日咳で特徴的な「レプリーゼ」って?

百日咳の痙咳期には、顔を真っ赤にして5~10回咳き込んだ後、「ヒュー」と笛のような音を立てながら大きく息を吸う症状が見られます。この発作をレプリーゼといい、百日咳に特徴的な症状です。

レプリーゼは、1回あたり2~3分程度の短い発作です。しかし、これが1日に数回から数十回にわたって繰り返されます。特に、夜間は回数が多くなる傾向にあります。

しかし、生後1年程度の赤ちゃんの場合、レプリーゼに特徴的な咳やみられません。そのかわり、呼吸をしなくなる無呼吸発作や、手足などに十分な酸素が行き渡らなくなった状態(チアノーゼ)がみられます。無呼吸発作は死亡の原因となることもあるため、お子さんが呼吸をしていない場合、入院などで管理を行い即時対応する必要があります。

まとめ

百日咳は症状・原因ともに明確な病気です。ただ、カタル期には風邪とよく似た症状がみられるため、百日咳だと判断することは難しいといえます。

百日咳だと気づかずに学校や幼稚園に行くと、周りのお子さんにも感染を広げてしまうおそれがあります。正確な知識のもと、咳が長く続いた場合はできるだけ早く小児科を受診するようにしてください。