赤ちゃんは、大人よりも普段の体温が高いです。また、赤ちゃんは体温調節機能がうまく発達していないので、突然高い熱を出すことがあります。突然高い熱が出ると、親としては心配になり、不安になりますよね。

赤ちゃんが熱を出す原因は様々です。ここでは赤ちゃんが熱を出す原因と、発熱時に注意したい症状について解説していきたいと思います。

目次

何度からが「発熱」?

赤ちゃんの平熱は、大人よりも高いです。基本的には、37.5程度までは平熱と考えていいでしょう。ただし個人差が大きいので、毎朝体温を測定する習慣をつけ、平熱を知っておくことが必要です。普段から平熱が分かっていれば、いざ熱が出た時にも、その発熱がどの程度のものなのか分かるので安心です。

38以上ある場合には、発熱と考えます。しかし、次項で解説するように、発熱の原因にはいろいろあります。一度の測定で「熱がある」と判断せず、少し時間をおいてから再度測定してみて、その時も38℃以上であれば発熱と判断しましょう。

熱を出す原因は?

体温計

体温の変化によるもの

体温は一日の中で変化しています。大人でも、午前中と午後や夕方では午前中の方が0.5程度低いです。赤ちゃんも同様に0.5℃程度、午後・夕方の方が体温が高くなります。

また、部屋の温度や外気温にも影響を受けやすく、冬より夏の方が高くなります。授乳・哺乳後や泣いた後、入浴後も一時的に38℃を超えることがあります。

感染症によるもの

赤ちゃんが熱を出す原因で一番多いのはウイルス感染症(風邪や胃腸炎など)です。

一般的に赤ちゃんは、お母さんからの免疫をもらっているので、生後半年程度までは熱を出しにくいといわれています。しかし、風邪をひいている兄弟や家族がいれば、それがうつって熱を出すことがあります。

また、多くはありませんが、細菌が原因で熱を出すこともあります。喉、耳、肺、腎臓や膀胱などに感染を起こすことがあります。

予防接種によるもの

予防接種後に熱を出すこともあります。予防接種は、弱くした細菌・ウイルス、あるいは細菌・ウイルスの一部を注射して、それらに対しての免疫を獲得し、感染した際に重症化を予防するために行います。注射した細菌やウイルス(の一部)に反応して、一時的に熱を出すことがあるのです。発熱は接種して24時間以内が多いですが、予防接種が原因の場合には1~2日程度で解熱することが多いです。

熱が出た時には

夏場や部屋が少し暑いと感じたとき、授乳・哺乳後や泣いた後に熱があった場合には、着ているものや部屋の温度を調整し、少し落ち着くのを待ちましょう。少し時間をあけてから再度熱を測ってみて、下がっていれば問題ありません。

予防接種をした後の発熱は比較的短期間(1日程度)で下がることが多いので、熱だけであれば様子をみましょう。

熱がある場合には、熱だけでなく、鼻水、呼吸が苦しそう、哺乳が悪いなどの熱以外の症状がないかどうかを観察します。

症状が熱だけで元気があれば、基本的にそれほどの心配はありません。しかし、6ヶ月以下(特に3ヶ月以下)の赤ちゃんでは注意が必要です。

すぐ病院へ行くべき症状は?

赤ちゃんの手

6ヶ月以下(特に3ヶ月以下)の赤ちゃんは免疫系の発達が不十分なため、重症の感染症にかかることがあります。この場合には熱以外の症状がないあるいは乏しいことがあるため、注意が必要です。

また、耳(中耳炎)、腎臓(尿路感染症)の感染症の場合には、熱以外の症状がないことも多いので、診察や検査が必要となります。

以下の症状がみられた場合には、医療機関の受診が必要です。

  • 3ヶ月以下での高い熱(38℃以上)
  • 呼吸が苦しそう、ぐったりしているなどの症状を認める
  • 哺乳が悪い、なかなか水分が摂れない
  • 咳がどんどん悪くなっている
  • 熱以外の症状がないのに、熱が続く時(3日以上)
  • けいれんを認めた時
  • いつもと違うと感じた時

まとめ

赤ちゃんはよく熱が出ます。原因の多くは風邪などのウイルス感染症であり、問題にならないことが多いですが、中には重症な感染症が隠れていることもあり、注意が必要です。”すぐ病院へ行くべき症状は?”の項で挙げた症状を認める場合には、医療機関を受診しましょう。