歯周病って治るの?手遅れになる前にやっておきたい5つのセルフケア

進行すると歯を失う原因となり全身にも悪影響を及ぼし、またひどい口臭のもととなる歯周病。できれば無縁でいたいものですよね。しかし、成人の多くが遅か れ早かれ歯周病にかかっていると言われています。はたして歯周病とは治るものなのでしょうか?また、治療とは一体どういうものなのか、予防はどのようにし たらいいかについて、歯科医師・岸本 佐智先生による監修記事で解説していきたいと思います。

歯周病はどうやって治療するの?

歯周病は歯茎の炎症から始まり、のちに進行すると骨を溶かしていきます。歯茎の炎症だけの段階であれば十分に治る可能性がありますが、ひとたび骨が溶けだしてしまうと、溶けた骨は戻ってくることはなく、元通りに治ることはありません。ですので、いかに進行を止めるかが大事になってきます。

 

具体的には、まずプラークコントロールといって歯と歯茎の周囲の歯垢をきっちりとブラッシングで取ることが重要です。これが日常的にしっかりできていないと、いくら歯科医院で治療を行っても無意味です。

歯垢がしっかり取れるだけでも歯茎の炎症は落ち着きを見せ始めます。歯科医院では歯ブラシで取ることのできない歯石を機械や器具で取っていきます。

歯石とは歯垢が唾液のミネラル成分で固まってしまったもので、それ自体は無毒化していますが、その凹凸に入り込んでいる歯垢が悪さを起こしますので、その足掛かりになる歯石はしっかりと取らなければなりません。

進行度別の治療法は?

進行度別に歯科医院での治療法を挙げていきます。

軽度の歯周病

歯の表面に付いている目で見える歯石や、歯茎で隠れている浅い部分の歯石を機械や器具で取っていきます。麻酔がいることはほとんどありません。

中等度の歯周病

歯茎の内側のより深い所までついている歯石を取り除き、歯の表面をなるべく歯垢がつきにくくするよう、すべすべに仕上げます。このくらい深い位置になってくると麻酔を使うこともあります。

重度の歯周病

重度にもなると骨がかなり吸収して、歯茎の溝(歯周ポケット)が深すぎるため、手探りで歯石を取るのには限界が出てきます。そのため、麻酔下で歯茎を切り開 き歯の根っこについた歯石を良く見える状態で徹底的に取り除きます。また、余計な歯周ポケットを作っている汚染された歯茎を除去し、歯周ポケットを浅くす ることで、その後のメンテナンスをやりやすい方向にもっていきます。

ブラッシングで歯周病を予防!

まずは歯周病の原因となっている歯周病原菌が悪さをしないように、なるべく歯垢をためないことが大事です。そのためには日常的なブラッシングが最も大事です。

歯周病を悪化させない、または予防するためのブラッシングのポイント

歯磨き3

1.適正な歯ブラシを選ぶ

  • 大きすぎない歯ブラシ
  • やわらかめの歯ブラシ
  • 毛先が広がっていない歯ブラシ

※歯ブラシは、柔らかすぎるとかえって歯垢を落としにくくなってしまいます。ですので、歯垢をしっかり落とせる程度にやわらかめのものを選ぶようにすると良いでしょう。

2.歯と歯茎の間の歯垢を意識して磨く

歯周ポケットの中までブラシが入るイメージで磨いてください。歯ブラシの毛先を、歯面に対して45度に傾けて磨きます。

3.軽いブラッシング圧で

毛先がしならない程度にしましょう。

4.歯ブラシは小刻みに、往復20回

1歯ずつ磨くつもりで磨くとよいでしょう。歯ブラシを小刻みに動かし、「往復20回」を心掛けてください。

5.寝る前に特に念入りに磨くようにする

就寝中は唾液が減り、歯周病が進行しやすいので、寝る前にしっかりと歯を磨いてください。

*歯ブラシでは取りきれない歯の間の汚れは歯間ブラシやデンタルフロスを使うとよいです。また、デンタルリンスの使用も細菌増殖をおさえるのに効果的です。

歯周病の悪化を防ぐ5つのセルフケア

口呼吸2

歯周病を悪化させないために自分でできることとしては、歯磨き以外に次の5つがあります。

ただし、一番大切なのはあくまでも歯磨きです。それを踏まえた上で、歯磨き以外に以下の項目にも取り組んでみてください。

1.食生活に気をつける

だらだら不規則に食べない。歯垢のつきやすい甘い物、軟らかい物の過剰摂取に気をつけましょう。とくに夜寝る前に甘い物を食べたり飲んだりする習慣のある人は歯周病が進みやすいことが分かっています。

2.喫煙をなるべく控えるかできれば禁煙する

喫煙は歯周病の進行を急速に進めることが分かっています。

3.かみしめ、食いしばりをやめる

かみしめ、食いしばりがある場合は意識的にやめるようにし、就寝中の歯ぎしりがある場合は歯科医院で歯をガードするマウスピースを作ってもらうといいでしょう。

4.口呼吸の原因を治す

鼻炎などで口呼吸になっている場合は耳鼻咽喉科とも相談し原因解決に努めましょう。

5.歯科で定期的に歯石を除去してもらう

歯石は付くと自分では取れません。定期的に歯科医院に通って歯周病が悪化する前にこまめに歯石を取ってもらいましょう。

まとめ

歯を失う原因のほとんどを占めている歯周病ですが、残っている歯の本数が多いほど生存率が高いことや、認知症をおこす危険性が低いことも分かっています。歯周病は欧米ではSilent Disease(サイレントディジーズ)と呼ばれるほど、悪化するまで症状を起こさない病気として有名です。自分の歯で一生噛めるようにするために、歯周病のサインを早めに見つけるのはもちろんですが、頼れる歯科医院を見つけて定期的なメンテナンスをお勧めします。